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3月の日記-特別に生まれたわけじゃない

3.24
「百年」に納品に行く。百年が置いてくれていることが大きな精神的支えになっていることを再確認する。昼は来週撮影するMVのロケ地を探して歩きまくった。「ここだよなあ、多分」と思っていた公園がにぎわいすぎたり画角のバリエーションがなかったりして、逆にたまたま見つけた公園がよくって、引き返してそっちに決めた。
甲府に帰る前に映画『デデデデ』を観た。原作を何回も読んでいて、自分の中でキャラのトーンや画角や「この漫画の面白さ」みたいなものがありすぎてしまっているというか、自分の中での「誤読」が確立されすぎてしまっていて多分、上手く楽しめなかった。そういうこともあるわな。あるし、わたしはこれからもどんどん誤読していきたい。なんか作る側なわけだし。

3.25
今週末の撮影の資料をひたすら作る。ひたっすら《概要》を書いて《構成》を書いて《演出案》を書く。ちょっとやりすぎ。こういうのは反動が来るって知っている。疲れちゃうよ。でも終わって良かった。ずっとこれやんなくちゃな、って、胸にちっちゃい蜜柑くらいのつっかえがある感じだったから。


3.26
エヴァンゲリオンの破を観る。ピクニックの日、除菌室でアスカがはしゃいでいるのを見て、アスカは別に選ばれなくて良かった、特別に生まれたわけじゃない女の子なんだよな、って思ったりして、苦しかった。
ミレーの枕子さんのカラオケ配信の手続きをした。JOYSOUUNDで歌えるようになるらしい。なんかおもろ。楽しみ。

3.27
今日もまたとにかく資料を作る。なんとか週末には間に合いそう。逆に仕事が上手くすすまない。天候が悪い。冬が終わる。

3.28
エヴァンゲリオンのミサトさんが今の自分に刺さりすぎる、と思ってから、ああ、だからチェンソーマンの姫野先輩も好きなんだ、と思って、勢いで姫野先輩のポスターを買って部屋に飾る。生きていかにゃならんのだわな。

3.29
攻殻機動隊の最初のアニメを観終わる。流石に最後は泣いちゃった。押田守の映画がみたくって観はじめたけれど、普通にアニメが面白くって、ちょっと落ち着いたらseason2みようかな、って思う。
明日からの二日間、分刻みのスケジュールが待っている。明日のオレは分刻みだしナァ、と思って、意気揚々と早めに寝る。

3.30
午前、新刊の製本の相談。いいのが出来そう。わたしがとにかく製本のことを考えていて先方の話をあんまり聴いておらず、一緒に来てくれた人がめちゃ話を聞いていた。たいへん助かる。
午後はMVの収録。なんかめっちゃくちゃ良かった。大きな事故もなければ、頭の中の狙いもはっきりとしたまま望めたし、何より撮影を担当してくれた岩崎くんと話さなくても通じるものが多くて嬉しかった。そういうシンパシーみたいのがない制作も自分の予期していないものが出来て楽しいけれど、今日はなんか、観ていてほれぼれするセリエAのパス回しみたいな、そういう爽快感が撮影中に何度かあって嬉しくなった。友達役で出てくれた友達と中華を食べて、テンションが高くなってカラオケに行ったけれど、2人してハマってる柴田聡子があんまりなかったからカラオケの中で携帯で『旅行』を大音量で流してマイク使って「うっそ~だったんだってば!」とうたった。友達すぎ。

3.31
年に一度のスタジオライブの収録。大きな問題なく終わる。一緒にやってくれるメンバーは大学や高校の同期や後輩たちで、この人たちとここまで一緒にいると思わなかった、とふと思った。
なんか人の縁というのはほんまに不思議。わたしは制作を色んな人とするのが好きだから縁が続いている方だけれど、これがなかったらわたしはきっと数人としか会わなくなっていたと思う、し、多分それでいいのが27歳なんだろうな。
桜はまだ咲いていなかった。出演してくれたセリザワヒナタさんの歌声を聴きながら、続けていてよかった、この場所はわたしが手放してはいけないものだったんだ、と思って、撮影中にちゃんと泣いた。

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