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ライカを買ったよ。/3月の日記

0301
趣味嗜好わかんなくなる。

0302
ずっと職場の席に置いてたカレンダーが去年のものだった、けどもう少し置いておく。

0303
映画にある呟くような「好き」はどう書くのだろう、「すき」かな、「スキ」な気もする、あ、でも「。」があるか、「スキ。」ってことで、いや「すき。」かも知らんけどサランヘヨ。

0304
眠くてたまらない。シャキッとしようとする自分の全神経をなだめる。みてくれゾンビになったっていいじゃないか。

0305
短歌を書き始める。ふとしたことを閉じ込めておく小さな木箱みたいな感じがして、始める。そこにしかはいらない微細な思い出は星の数ほどある気がする。

0306
友達と会って焼き鳥を食べる。お店おすすめのやつを頼んだら、美味しかったのだけれど忘れちゃった、ハツとあとなんだっけ。

0307
ひとつずつ終わらせていくこと、同時に進めなくちゃいけないことも、恐れず片方を手放すこと。その選択が間違ってないか、そこだけにていねいに。

0308
高野文子さんの漫画「るきさん」を読む。最終回でしっぽりとする。寂しいも笑えるも、なんちゃってもすこしずつ混ざっていてきれい。

0309
青春のものだったわたしの、アジカンの最新を聴く。最近いろいろなことがいやんなってたまらなくなる。わたしを音楽はすくわないけれどすき。すきだからいてほしい、いてほしい時にそばに。

0310
花粉が発生しています、花粉が発生しています。去年の薬のあまり、多分足りなくなります。

0311
紙の見本帖を手に入れた!本にどんな紙を使ってるかって、考えたこともないようで、実は結構気にしていたりして、だってなんとなく本のイメージとつながってる、紙のおもたさ、ざらざら感とか。あぁ、今すぐ紙博士になりたい。

0312
中野でばったりとひとと会って、ワインを飲んで、駅でやってた沖縄フェアで売ってたちんすこうをお土産として友達のギャラリーに持っていく。ワインを飲んだあとセントラルパークでコーヒーを飲んだ、目が痒かったけれどここちよい春だった。

0313
ライカを買った、ライカを買ったよ。小さいの。かわいい、かわいいしずっしりと重たい。

0314
花粉で駆け込んだ内科のテレビで、お昼のワイドショーがやってて、性教育について取り上げてて、アンミカが喋っていた。一向に先生に呼んでもらえなくて、会社に行けたときにはどちらかといえば夕暮れに近いような昼。

0315
仕事が終わらなくなってしまって終電間際、つづきは帰り道やろうと決めて席を立ったのに、ゲートをくぐればフィッシュマンズを聴いている。もちろん帰り道はなにもせんくって。

0316
詩や短歌をコンスタントに書く。坂口恭平さんの本を読んでおもったけれど、何かを外に出すのはわたしにとっても、生活を成立するための療法という面が少しある。

0317
おいしいパスタを頬張る。そもそも麺はおいしい。おいしい麺はだから、かなりおいしい。

0318
具合がわるくて在宅だったけれどずーんとした。いろいろなことが追いついていないような気がして、そのまんま寝てしまう。

0319
昼まで寝た。いったん全部リセットすることにした。ゆっくり片づけをして本屋にいって、夜は友達のジャズの演奏会にいった。友達がソロをとった時、スポーツでいうゾーンみたいなものを感じて、生きているんだなぁとおもったら込み上げてくるものがあった。

0320
昼まで寝た。夜は学生のときのバイト先の先輩と後輩とたべた。お店のお肉が硬かったり冷凍だったりした、けれどそれをおちょくったりすることで楽しめてしまう。われわれは2022も無敵だった。

0321
親と仕事にうまくのぞめないことについて話しあうことになる。喧嘩にならずに腑に落ちたいくつかのこと。
三連休はたくさん寝て、予定をいれないようにした。おかげで落ち着いた。

0322
仕事がんばった。うまくいった気もする。気持ちの持ちようか。これをやんなきゃやばいじゃなくって、どうやったらもっと面白いだろうという。

0323
すぐれた先輩が「いやいや何にもできないよ」というのを過ぎた謙遜だとおもってむしろ良くないなと思ったりしていたけれど、何かできるという心持ちより、何もできないという心持ちの方がずいぶんと楽なんだな、会社という場所にあっては。

0324
在宅。いろいろ仕事が終わってないままねむる。個人で出してる冊子を最近よく買う。わたしはわたしでだす準備を着々とすすめている。

0325
今日はいくらでもやりましょう、というつもりで仕事にでる。夜、疲れたからごほうび的にラーメンを食べようと思ったけれど、食べたかったお店は30分前にしまっていた。バスを乗り過ごし、結局家まで30分くらいあるいて、なんだかんださらに疲れて。

0326
春になったので、お風呂に入らずに寝てしまうことが可能になった。冬は体の芯が寒いのでそんなことが出来なかった。可能になってしまった。のろのろとおきてシャワーに入って昼過ぎから動き出す。映画をみて、おんおんと泣いて、ヴェローチェにはいったら夕立がきた。早めに寝る。

0327
ライブの収録をした。最近の陰鬱が全て吹き飛ぶほど、良い日だった。人となにかをつくるということの楽しさが凝縮されたような日だった。映像を撮るようになって良かったと心から思った。

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きのうの収録の余韻か仕事中も陰鬱さに襲われることなく、夜は遅くなったけれど気持ちよく終えることができた。森見登美彦の「熱帯」を再読し始める。物語の中に迷い込んでしまうことのときめきを肯定してくれるような本。少年少女のような読書を許してくれる。誰に言われた訳でもないのに分析的であることが堅実な気がしていたけれど、思えばそんなかしこくもなくって。

0329
久しぶりに人と話すと喋ろうとするのは自分のことばっか、それなりに人と会ってたいねっておもった、けっこうちゃんと。

0330
家に帰ると酔った母がいて「ドライブ・マイ・カーさ、ワーニャ伯父さんが出てくるから観てみたら?」と言ったら、「わたしあれ大好きなんだ、最後の、「伯父さん、生きていきましょうね」って話しかける所」と答えながらソファにもたれかかって目をつぶった。わたしは今年、地方に飛ばされる可能性があるらしい。

0331
朝、買ってみたKindleのタブレットでくどうれいんの「うたうおばけ」を久しぶりに読んで、うつくしい文章が書きたい、と強く思いながら、目の前の文章にすーっと泣く。夜はおじいちゃんになっても終わらないんじゃないかってくらいに思える仕事が目の前にあって、ゆっくりとやっていたら4月になっている。

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