怪談【①江坂のホテルから憑いてきたモノ】
【ホテルL】
GW中に大阪へ行ってきた。
希望のホテルはどこも満室か倍額。
運良く見つけた破格の一室
江坂のホテル「L」
部屋にはミニキッチンとロフト付き。
【PM10:00】
例の快眠グッズを忘れて来たので
今日はビール飲んで寝てしまおう。
【AM2:00】
パチっ
突然目が開いた。
しかも頭の中も覚醒している感じ。
何で?
まあいい、更年期真っ只中
そんな事もある。
姿勢を変えて寝てしまお…
「カタン」 (ガラス音)
何か音した、今日何度か聞いたぞ。
部屋中央のガラステーブルに
グラスを置いた時の音だ。
何だ、父ちゃんかい(父ちゃん=旦那)
こんな夜中に何を飲んでる?
びっくりさせるなよ〜
と、横向きになって目に入る旦那の背中…
あれ…寝てらっしゃる
じゃあそこに座ってるのどなたさん?
暗闇に、それより黒い漆黒シルエット
居てますやん!!
何かわからんけど、居りますやん!
[瞬感]
これ絶対気付いたらいかんやつ
(霊は見える人に寄ってくるとテレビで
霊媒師が言ってたし)
私は見えません 寝てます
きっと酒のせい 見間違い
〜5分経過〜
サイドテーブルのデジタル時計の
青いライトが演出に見えてきた。
眠れねー!怖すぎて寝れるわけねー!!
失神してしまいたいけど
図太い神経 邪魔して落ちねーー
どうする私 このまま朝までいくか⁈
【AM2:15】
恐らく まだ居る気配感
ダメだ、朝までコース確定。
何であんなに飲んだんだ(泣)
耐えてくれ私の膀胱…どうか溢れるな!
と、突然
「うわー!!」
叫びながら飛び起き咳込み
辺りを見回す 父ちゃん
父「何や、何なんや⁈」(驚)
キョロキョロしている。
ハァハァと肩で息をし怖い夢でも
見たかのような怯えよう。
立ち上がった父ちゃんは
部屋の電気をつけ飲み物を取って
ソファに腰掛ける。
(あ、そこシルエットが座ってた場所
完全シンクロ)
もちろんソファにシルエットは居ない。
父ちゃんは少し動揺してる風。
その隙に寝ぼけたフリしてトイレへ。
(ああ、間に合った 今年1番のセーフ)
早く寝よう…先に眠りにつかねば
父ちゃん、あとは頼んだよ!
【AM7:00】
陽の光で目が覚めた。
見ると 父ちゃんは昨夜の位置で
テレビを見ている。
声をかけると「朝まで起きていた」と言う。
(あれから朝までコースだったんかい!?)
「あるよね〜枕変わるとね〜」
適当な返しをすると、
「いやいや、夜中に男が乗ってきて
首を締められて苦しくて起きた」という。
う、うそやろ⁈ ガチやったんか…
そこから先は帰りの車中で話そうか…
せっかくの楽しい旅行が
ちょっとケチったせいで
B級ミステリーツアーになってしまった。
忘れよう。
ここで起きた経験を持ち帰っちゃいけない。
帰りは色々寄り道で、散らして 撒いて
帰ろうじゃないか。
一句
「ついでにスーパー寄ってって
博多の塩を一袋」
その甲斐虚しく、例のモノは
一緒にご帰宅したらしい。
次回、江坂のホテルから
美容室まで憑いできたモノ②
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