見出し画像

怪談【②江坂のホテルから美容室まで憑いできたモノ】

【帰宅】

PM8:00過ぎ 自宅到着。
入浴後すぐ就寝。

翌朝、首の痛みで起きる。
寝違えたか 肩まで重い。

とりあえず 連休中に髪を切っとこう。

【美容師】

長年通っている姐御系美容室。

毎度予約無し 飛び込みで行き
その時の運を試す。

客は居ない。
(ツイてる)

席へ通されいつも通りの「お任せ」。

今日は何だか口数が少ない。

時折、鏡越しにチラ見してくる。
気づかないフリをするが目線が気になる。

 姐「長年お客さんの顔見てるとね
   お客さんのちょっとした違いとか
   分かるんだよね」

 何を感じた?
 江坂のホテルの件を話してみる。
 もちろん、勘違いかも と付加えて。 

 姐「やっぱ、何か連れてきてる」

姐さんは見える人ではない。
ただ、この鏡を通して見ると
憑いるか病んでるかだけは分かると言う。

カットも終わり、肩が重い事を伝えると
奥の部屋へ消えしばらくして戻ってきた。

その手には金属と棒とクリスタル。

音で浄化

空間を浄化出来ると言う。
本気か、何のまじないや…
除霊するんか⁈

今はまだ見習いなのでマネごとだが
気休めになれば…との事。
お香を焚き香りが立ちこめてから
棒で金属を鳴らす。
トライアングルに似た音。

【除霊師見習い】

「キーン」


音叉の金属音が部屋に響き渡る。

姐さんはキーンしながら
私の周りをゆっくり一周。

背後で立ち止まり、1回キーンの後
締めに音叉で私の頭上に円を描いた。


 姐「これで少し良くなるかなあ」

姐さんは温かい紅茶を入れて来てくれた。

私の右傍らに椅子を置き鏡越しに話す。

 姐「さっきより顔に血色戻ってきたね、
  霊も楽しそうな家族見て自分の存在
  音で知らせたかったのかも。
  で、そのまま着いて来たのかもね!」


    笑笑笑笑笑笑笑笑笑笑

ガチ 
ヴォーーン 
(風音)

鏡越し 
姐さんは立ち上り、左傍らにある
三段ラック上のドライヤーに手を伸ばし
スイッチを切る。



 姐「まあ、色々不思議な事とかあるけど
   笑ってたら霊もどっか行くわ」

「うんうん、そだね」と席を立ち、
上着を着て会計へ。

【レジにて】

引っかかっていた事を尋ねる。

 ア「さっきドライヤーついたけど
   あれ壊れてるの?」

 姐「しーっ (小声で囁く)
   あれ業務用で硬いボタン押しながら
   スイッチスライドさせないと風
   出ないのに… しかも風熱かった…
   スライド3段階目がHOTで…
   恐らく…まだ居る…」

礼を言い逃げるように店を出た。

どう言うことだ… ガチって?
スイッチ入るの鏡越しに見えたし

まだ憑いてるのか?

【翌週】

その後が気になり美容室へ。
シャンプーを買うフリをして
様子を見に行く。

 ア「この前ありがとう。すっかり
   体調良くなって…」

(姐さん、見るからに衰弱している)

 姐「なら良かった…あれからね、私大変で
   結局自分じゃどうにも出来なくて
   先生のとこ行ってお祓いしてもらって
   きたんだよ」

先生曰く、なまじ素人が除霊しようと
したので、例(霊)の男が舐めんなよ!と
意地になって離れてくれず絶不調
だったらしい。

霊も意地になるのかい。

それにしても姐さん
私のせいで申し訳ない…

帰りがけ
「悪いけど、次から来る時必ず
 予約してから来て」

それ以降、予約の時間に行くと必ず
お香が焚かれているようになった。

ここで一句
 「お香焚き お祓い
   私が厄なのかい?」

美容室 変えたほうが良いのかなあ





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?