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2024年映画感想

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2024年に劇場で観た映画作品の感想書きです。
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記事一覧

映画『悪は存在しない』感想 不可解さが永遠に刻まれる怪物的作品【ネタバレあり】

 後半でネタバレ解釈しているので、注意ください。観終えてから、しばらく経っても何を目撃し…

Kuwayama Daisuke
2時間前
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映画『異人たち』感想 生者だけでなく、死者を慰めるための奇跡

 展開知っているのに、大号泣してしまいました。映画『異人たち』感想です。  山田太一の小…

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映画『貴公子』感想 シリアスな恐怖を引っくり返す爽快さ

 ノワール的な期待も満たしつつ、予想外の角度の快感もありました。映画『貴公子』感想です。…

Kuwayama Daisuke
2週間前
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映画『オッペンハイマー』感想 浮き彫りになる核兵器への認識のズレ

 祝オスカー受賞! とはとても言う気になれないけれど、作品としては評価されてしかるべきも…

Kuwayama Daisuke
3週間前
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映画『DUNE/砂の惑星 PART2』感想 英雄崇拝の否定はまだ道半ば

 ドデカく始まった物語は、まだまだ中途のものとして続くようです。映画『DUNE/砂の惑星 PA…

Kuwayama Daisuke
4週間前
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映画『12日の殺人』感想 男性視点では見えない真実

 シンプルな台詞1つが、本質部分を表現していて刺さるような感触がありました。映画『12日の…

Kuwayama Daisuke
1か月前
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映画『犯罪都市 NO WAY OUT』感想 リズム的快感の暴力

 拳が入るタイミングに、良いスネアやバスドラが鳴ったかのような快感があります。映画『犯罪都市 NO WAY OUT』感想です。  2017年の『犯罪都市』、2022年の『犯罪都市 THE ROUNDUP』に続く、マ・ドンソク主演の人気シリーズ第3作目。前作に続き、監督はイ・サンヨンが務めています。マ・ドンソクの出世作であり、往年のジャッキー・チェン作品を彷彿とさせる「シリーズもの」の面白さを思い出させてくれたこのシリーズ、大ファンとなってしまった自分としては楽しみな作品でし

映画『ボーはおそれている』感想 不安の具現化という笑いの3時間【ネタバレあり】

 一応、ネタバレ前提で書きました。でもネタバレして観ても、予想を覆す理解不能な作品だと思…

Kuwayama Daisuke
1か月前
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映画『落下の解剖学』感想 真実を「明かす」のではなく、「選択する」物語

 ミステリを隠れ蓑にして、家族が持つ役割(犬含む)について考えさせられるドラマ。映画『落…

Kuwayama Daisuke
1か月前
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映画『梟-フクロウ-』感想 暗闇が照らす真実

 エンタメとしても、政治的メッセージとしても隙がない良作。映画『梟-フクロウ-』感想です…

Kuwayama Daisuke
2か月前

映画『熱のあとに』感想 「愛」という得体のしれないけもの

 現実なのにどこか不条理劇のような空気もあり、予想外に難解な作品でした。映画『熱のあとに…

Kuwayama Daisuke
2か月前
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映画『哀れなるものたち』感想 SF・アングラアート・女性一代記のフランケンシュタイ…

 色々な要素を繋ぎ合わせて創られた、まさしく「フランケンシュタイン」的な作品。映画『哀れ…

Kuwayama Daisuke
2か月前
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映画『カラオケ行こ!』感想 原作実写化の教科書的傑作

 どの配役も完璧ですが、回想シーンに登場するヒコロヒーさん、綾野剛の母親にヒコロヒーとい…

Kuwayama Daisuke
2か月前
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映画『笑いのカイブツ』感想 視野狭窄な青春

 板橋駿谷さんのオードリー春日的演技が絶品、物語本編には関係ないけど(そこも含めて春日さんぽい)。映画『笑いのカイブツ』感想です。  オードリーのオールナイトニッポンで、「伝説のハガキ職人」として知られるツチヤタカユキさんが綴った同名の私小説を原作として、滝本憲吾監督が映画化した作品。滝本監督はこの作品が長編映画デビューとなるそうです。  ツチヤタカユキさんは、オードリーの若林さんのエッセイの中でも触れられていたので、その存在は認識していました。作中のエピソードにもなって