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2023年の映画作品振り返り

 えーと、なんやかんやあって、新年がとうに明けておりますが、恒例の年間映画感想振り返りをしておきたいと思います。2023年は47本の映画を観て感想を書いております。
 コロナ制限は無くなっても、自分は2023年に感染したし、世界は平和と真逆だしで、安定には程遠いですが、映画観ていろいろと考える時間をこれからも大事にしたいと思います。
 2023年の各作品はこちらから↓

 前年2022年の映画振り返りはこちらから↓

 読み返してみて、印象的だった5作品を改めてご紹介。いつも通り順不同です。それでは、どーぞ

『バービー』

 ベタですが、2023年の話題賞だし、価値観がひっくり返ってからの現代的なテーマを込めつつ、シンプルに面白かったというのは強いです。本当に笑い転げてしまった作品。もちろん、完璧な脚本とは言えず穴もあるんですけど、キャラクター造詣が巧いですね。このバービーとケンにはまた会いたくなる魅力があります。

『別れる決心』

 韓国映画は、どこかで観たような設定なのに、それをアレンジしてオリジナルにまで仕上げるのは本当に巧み。今作はその極北だと思います。性的なシーンが無いのに濃密にエロスを感じるのは、古い邦画の感覚に近いものがあります。新しくて、クラシックな1作だと思います。

『ほかげ』

 「戦争」というものが、どんどん身近に感じられる昨今、多くの戦争映画が作られているのもその影響だと感じます。2023年は特に戦争映画が多い邦画界で、やはり塚本晋也監督は外せない。単体で観ても完璧な1本ですが、他の塚本作品を観ているからこそ理解出来る壮絶さがあります。『鬼太郎誕生』『窓ぎわのトットちゃん』と並べて今作を鑑賞すると、戦中・戦前の昭和が、何と取返しのつかない哀しい時代だったかを理解することが出来ます。

『イニシェリン島の精霊』

 めちゃくちゃ変な物語なんですけど、感情移入して、目が離せなくなってしまうんですよね。完全に観た事のない物語でした。映像表現では新しく難解なものはどんどん開発されていると思うんですけど、脚本でここまで新しい物語を生み出せるとは、マクドナー監督はこれからもチェックしたい表現者ですね。

『TAR/ター』

 ケイト・ブランシェットにオスカーを与えなかったのは、作中のターへの印象が変遷しないためだったのでは? そんなことも考えてしまうくらい、立体的な主人公像を演じられていました。観た後もずっとこの作品について考え続けてしまうほど、印象的な映画です。『別れる決心』『イニシェリン島の精霊』と並んで、「不可解さ」を堪能する作品でした。

 「不可解」という感覚がずっと残る作品が印象的な2023年でした。
 2024年は、いきなり震災があったり、政治不信は止まらず、落ち着かない日々が続きますが、適度に映画に逃避しながら、世界平和に向かいたいと思います。
 その他、作品名50音順に記事を読めるインデックスもありますので、是非ご覧ください。


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