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秋の空時計 #毎週ショートショートnote

空時計が流行っている。
といってもお店で売っているわけではない。空を見上げて「お腹が空き時」だからラーメン屋に。とか「お花に水やり時」とか、何かと行動の理由付けに利用されている。

僕は3回目のデートで、いよいよ告白しようと意気込んでいた。
1回目のデートは学祭の買い出しで紙の専門店に。2回目は都合よくジャンケンで負けて、夜食の買い出しに。
言われればデートには該当しないかもしれない。でも僕にはそれなりに胸踊る体験だった。

3回目のデートはすぐにやってきた。考えてもみるがいい。ほんの1カ月の間にこれほどの偶然ってあるだろうか。これには何か天の意図があるに違いない。

大学の芸術祭参加説明会に出かけた帰り道。
「ねえ、危ないよ」
「ごめん。つい夢中になっちゃって」
彼女は先ほどもらったパンフレットに見入っていた。
「なあ、僕と付き合ってくれない?」
「え?何か言った?」
「付き合ってくれって。空時計がそう言ってるんだ」
「じゃ空時計と付き合えば?私は忙しいの」

何が空時計だ。国破れて山河リア。天はいつも最後にソッポを向くんだ。
ああ、わかった。わかってしまった。これが昔から言い伝えられてきた「女心と秋の空時計」なのだ。
                         499字

*サンガリアが関西ローカルだったらごめんなさい。
サンガリアはおもろいCMを作る関西の飲料メーカーです。

たはらかに さま
今回もよろしくお願いします。

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