結論からお伝えすると、育毛シャンプーはAGA【男性型脱毛症】の改善に効果はありません。
そもそもAGAとは男性ホルモンの影響で進行する症状です。男性ホルモンの一種であるDHT（ジヒドロテストステロン）の影響を受け、成人男性の頭頂部や前頭部の髪が薄くなる状態です。
最終的には前頭部から頭頂部にかけて、髪の毛がなくなってしまいます。

育毛シャンプーは前述したDHT（ジヒドロテストステロン）を左右する力は全くなく、あくまで『頭皮環境を良くする』ことが目的です。
『育毛』というワードによって、薄毛の改善につながるイメージが湧いてくるかと思います。しかし一般的には『髪の毛が健康に成長すること』を定義とされており、頭皮を清潔にし髪の毛の成長をサポートする役割しかありません。
既に進行しているAGAの症状を改善したり、DHT（ジヒドロテストステロン）を抑えたりといった効果はシャンプーでは叶えることはできないのです。
その為、具体的には洗髪時に痒みや赤みが起こることがなければ、市販の安いシャンプーでも問題ないと考えています。

シャンプーでAGAを根本的に改善することは難しいですが、頭皮環境を良くすることのメリットは十分にあります。
頭皮＝『畑』、髪の毛＝『稲』だと考えると、畑の土壌が耕されており環境が良いと良い稲ができます。同じように頭皮の環境が良いと髪の毛も成長しやすい環境になります。

頭皮環境を良くする為の正しい洗髪方法手順①～⑥をお伝えします。

①予備洗い

お湯で十分に素洗いします。
素洗いだけでも髪の毛についた汚れは８割程度取れると言われています。

②シャンプー

シャンプーを手のひらに取り、十分に泡立てます。
シャンプーを直接頭皮につけるのではなく手のひらで泡立ててから頭皮を優しくマッサージするように洗髪します。
髪の毛は泡を撫でるように優しく洗います。

③シャンプーすすぎ

すすぎはとても大切です。頭皮にシャンプーが残らないようにぬるま湯でしっかり洗い流します。

④コンディショナー・トリートメント塗布

コンディショナーやトリートメント塗布する際にも髪の毛の摩擦とならないように優しく全体に塗布しましょう。

⑤コンディショナー・トリートメントすすぎ

コンディショナーやトリートメントのすすぎもとても大切です。頭皮に残らないようにぬるま湯でしっかり洗い流します。

⑥髪と地肌を乾かす

清潔なタオルで優しく水分を拭き取ります。
強く拭き取ると抜け毛・切れ毛の原因になるのでタオルで抑えるようにしましょう。
タオルドライ後はしっかりドライヤーで乾かします。
同じ個所を長時間当てないように、ドライヤーを離して使用しましょう。

医学的には1日の洗髪回数は1回で十分だとされています。
洗いすぎにより、脂分が全て洗い流されることによって、頭皮環境の悪化につながる場合があります。人間には一定量の皮脂は必要です。
ぜひ今日から実践してみてください😊

【監修医師】　鈴木 沙織
2014年3月　東京医科大学卒業
2014年4月　都内総合病院にて初期臨床研修開始
2016年4月　大学病院外科入局
2016年4月　大手AGA専門クリニックで勤務開始
2020年4月　都内総合病院勤務
オンライン専門クリニックを開院、現在に至る。