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コラム:伝統産業継承基金の必要性#2/2

東京から京都へ

東京が世界の五大都市の一角を担うならば、日本の精神的中核は名実ともに京都である。東京は早晩、日本から独立するだろう。ロンドン・パリ・NYと並んでファション、アート、金融、知識、食事の全ての最先端が 集まるメトロポリタンシティを目指すしか道はない。それは日本の一部でなく、世界の一角となる。

2040 年のシンギュラリティ・2105 年の新世界に向けて、日本はどのように舵取りをするべきなのか。冗談半分ではあるが、ソフトバンクの孫さんあたりが実権を担うかもしれない。シリコンバレーでもソフトバンクビジョ ンファンド20兆円の破壊力は凄まじく、masa’s IPO としてその出資を断ればライバルに出資され徹底的に 潰されると恐れられている。今後、東京のキャピタリズムを支えるのは Yahoo!連合やソフトバンクグループかもしれない。

首都機能は東京近郊にシフトしていくかもしれない。ワシントンやキャンベラの例からも政治機能と経済機能 の地理的分化は不可欠である。地域(地方といってはならない)は都市国家としてそれぞれのインフラ・生活 環境、そして産業と金融を独自に発展させる。

では日本の中心、つまり精神的中核を担うのはどこかといえば京都であると仮説する。日本の文化・歴史的背景を考えれば京都は 1,000年前から1,000年後を見据えた時間軸での意思決定を問われることになる。

しかし現在の京都をみると、帝が江戸にお遊びに出ており、市の財源も底をつく中でトップダウンの大極的・ 機動的な施策は打てず、各自場当たり的に対処されている。古都が破壊されかねない。安易なインバウンド需要に合わせて町屋をリノベして建てられたなんちゃってホテル群、それっぽい料理屋など芯のないものはコロナ禍で淘汰されつつあるが、一方で老舗もバランスシートをうまく活用できず文化・技術の承継ができていない。寺社仏閣から料亭・呉服屋まで基本的には個人商店であり、メンテナンス投資と運転資金にしか目が向かず、採用・育成・承継ができない。

加えて、参入してくる若手もインスタなどの新メディアの登場で表面的な「映え」を意識し、作家気取りで基礎的な技術を丹念に習得することを嫌う傾向にあり、産業が廃れつつある。

(次回に続く)


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