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DJ SODAさん、日本ライブで性被害に遭う

DJ  SODA(ディージェー・ソダ)さんの事件が話題。

8月13日のフェスに出演したDJ SODAが翌日、SNSでセクハラ被害を告白。公演中、舞台下のファンの近くに降り立ったとき、男女複数の観客が胸を触るなどの行為を行ったという。

DJ SODAさんは韓国出身で、日本でも人気のあるDJ・歌手・モデル。
インスタのフォロワーは500万人。

日本の大阪ミュージックサーカスフェスティバルで公演を終えましたがその時に凄く悲しい出来事がありました。ファンの方々ともっと近くで楽しんでもらうために、私が公演の最後の部分でいつものようにファンの方々に近づいた時、数人が突然私の胸を触ってくるというセクハラを受けました」

その後、ライブの主催者が声明を発表。実際に、現場を押さえた映像はネットに出回っている。

これに対し、『MUSIC CIRCUS’23』を主催する「トライハード」は15日、「MUSIC CIRCUS’23で発生した性暴力事件について」と題した声明を発表。「DJ SODA様がパフォーマンス中に数名の観客から胸などを触られる事件が発生しました」とし、「このような行為は性暴力、性犯罪であり、断じて許すわけにはいきません」とコメント。
そして、「このような卑劣な犯罪行為を行った犯人を特定し、損害賠償請求や刑事告訴など、民事及び刑事の法的措置を取る所存です」とし、さまざまな角度から犯行現場をとらえたの映像があることを記した上で、「犯罪行為に及んだ方は、すみやかに警察署に出頭し、また当社にご連絡ください」と呼び掛けた。

ライブでの性犯罪。国際的に人気のある有名人に「こんなひどいことをされたのは、10年DJをやっていて初めて」と、日本でのライブで言わせてしまった私たち…。同じ日本人として、身につまされる事件でもある。

日本人、性犯罪に対する意識が低すぎるのでは…?」などと、日本人のイメージを悪化させかねない事件。実際に、以前からジェンダー問題などの分野では日本は遅れてるって言われてます。男尊女卑的な雰囲気も抜けきらず、女性の社会進出も海外に比べると少ない。

さらに、犯罪こそ少ないと言われるものの、それゆえなのか、いざ巻き込まれた時の対応に関しては、日本人の私たち、確かに不慣れすぎるイメージがある。被害に遭った時、怖くて情けなくて恥ずかしくて震えていても、「これは犯罪。同じ被害者を出さないためにも、自分の人権を守るためにも、許してはいけない!」と、泣き寝入りせず声を上げる人が多いのは海外の人が多い気がする。相当陰湿な犯罪レベルのイジメに関しても「イジメられる方にも原因があるのでは」などと関係のない人たちに言われるなど、被害者よりも加害者を守りかねない偏ったコメント・意見は昨今、インターネットでも問題になっている。

(「今後イジメられないために、どんな対策を取ればいいか」と考えるのは被害者側であって、部外者が責任の所在を勝手に決めるのは暴論過ぎるし、あまりに無責任。そんなことを言って傷ついた被害者をさらに追い詰める権利なんかない…)

海外では、学校のイジメなども、加害者側に心理的な問題があるとして、イジメた側にカウンセリングを受けさせる国もある、という。確かにそう。特に子供の場合は、親との関係や家庭の問題などの影響も顕著に受けそうだから、その子の将来を考えると、大人以上に大切だろうと思う。

さらに今回の事件は性的なもの。仕事柄、他人事ではないなぁ…と思わされたのです。同じ女性という点で、被害者の辛い気持ちも分かる。一方で同じ日本人という点では申し訳なさも覚える。加害者側の心理的な問題点も分析しなければいけないのでは…と。

これ…メンエスでの犯罪とシチュエーションがよく似ている気がする。こういう事件を起こす人って、メンエスでセラピストに過剰要求をしたり、嫌がられても無理やり自分の要望を押し通そうとする人たちと同じ層の人たちに思えてならない。

・「別に、これくらい少々良いだろ」と思っている。犯罪なんていう意識はサラサラない。(まさか、訴えられるなんて思っていない)

・自分は大勢の観客(ファン)の一人に過ぎないから、と気が大きくなっている。「は?俺だけじゃないだろ」

・「ちょっとくらい良いじゃん、有名税だろ」「そんな仕事をしているのが悪いだろ」などと責任転嫁する。さらに極端な人は「むしろ見られたくて(触られたくて)、その仕事選んだんじゃないの」とか「いや、自意識過剰。お前なんて触りたくない」など的外れなことまで言う人もいる。

・電車での痴漢も同様で、そういうターゲットにできそうな気の弱そうな人を常に探している。

ファンが全員悪いわけじゃないし、せっかくライブに来てくれたのに中止にしたくないし…と、その場では平気なふりをした。と言う。すごく分かる。プロだ。切ない。

そうやって、プロだからこその大人な対応をしてしまった結果、「あの子は笑っている。これくらい平気なんだ」と思われてしまう。

え…じゃあ、その場で分かりやすく怒れば良かったの?
いきなり泣きだせば、辛さを皆に分かってもらえたの?

多くの人が関わってくれて成立しているライブ中に?圧倒的な数のお客さんが来てくれて、(直接的には)問題のないファンの人の方が多いのに?

平気なふりをするか、心のままにその場で泣きだすか。そんな大きな判断、咄嗟にはできない。我慢して、恐怖を押し殺して、無難な方を選んでしまったという気持ちも痛いほど分かる。

「今まで、ライブでこんなことされたことない」と彼女は言う。それはファンのことを信頼していたってことだ。その気持ちを裏切ったのだ。今までに経験がないからこそ、対策も考えていなかった。周りのスタッフも防げなかった。純粋にファンの近くでパフォーマンスをするというサービスをしたかっただけなのに。だから傷ついて困惑して、後で泣いた。

「ファンと交流するのが好き。近い距離で感謝を伝えたいしハグはしたい」そんな風に思ってくれているのに。

ハグと性的な接触は別。そんなの当たり前だ。腕を強引に掴まれ、胸を触られる。そんなの好意的な交流なわけがない。しかも男性だけでなく女性もいたと言う。有名人を困らせるという行為を面白がる人なのか、同性が性的な対象なのか、女装していた男性なのか、目的は不明。

今後、「ファンが怖い」となって、ライブをする時は観客から距離を取って、なるべく遠くで…となっても良いの?純粋なファンからすると、迷惑でしかないし、寂しいし、辛すぎる。

で、これはメンエスでも一緒。本当に一緒。私たちはアーティストでも有名な芸能人でもないけれど、問題はそこじゃない。むしろ容姿ですらない。

・自分たち(客)にどこまで許されるのか、という境界線を間違えていること。
・相手が平気なふりをしているから、傷ついていないのだ。と勘違いしていること。
・それ(許可なく性的に触る)が、訴えられたら有罪判決を受けるほどの犯罪だという自覚がないこと。

私たちセラピストも、お客さんに対して精一杯施術します。せっかく来てくれた人たちを癒そうと、楽しませようと、近い距離で交流します。メンエスって、そういう所だから。それを求めてくる人が多いから。

だからって、勝手に触っていいわけじゃない。
露出が多いから、そういう仕事をしてるから、距離が近いから。誘惑する女性が悪い。それは勝手すぎる理屈です。

犯罪です。訴えられてもおかしくない行為です。警察があなたの家に来るってことです。周囲を巻き込むので、当然、家族にも会社にもバレる可能性は高い。「あなた何やったの?」「え、お前何やったの?」って話。事情聴取だけでは終わらないでしょう。性的な罪を犯した犯罪者っていう前科が残る、ってことです。

知ってますか。あなたが軽い気持ちでした行為に対して、警察や弁護士や検察官…色んな人が時間をかけて聞き取りをし、調書を作成する。何度も何度もその日の言動、動機を確認されます。何月何日何時何分、あなた、ここでこんなことをしたんですね?って、聞いて、書類に書かれるんです。あなたの名前が残されます。周囲の人に聞き取りにも行くでしょう。本当に色んな人を巻き込みます。否定すればいいって問題じゃない。一生忘れられない出来事になるでしょう。

そんなつもりじゃなかった?
悪気はなかった?

そんな言い訳、通用しません。犯罪って、そういうことです。今まで同じことを何度もやって大丈夫だった?だから許されると思った?

いやいやいやいや…
お話にならない。

そういう問題です。これは。

「私がどんな服を着てもセクハラと性的暴行は正当化できない。私は触ってほしいから露出した服を着るのではない」

DJ SODA

ホントに、そう。正当化してはいけない。裸で外を歩いたわけじゃなし(それでも触るのは別問題だけど)、自由なファッションで生きる権利が私たちにはあるし、「セクシーな体型だから」「魅力的だから」などの言い訳も同様。犯罪をして相手の人権を傷つけた方が悪いのです。今回の事件の部外者である私たちも、女性も男性も、そういう意識をきちんと持たなきゃいけない。



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おさらい

この記事のテーマ

「・露出が多い(タンクトップ・へそ出しコーデ)恰好をしている
 ・人前に出る仕事をしている
 ・男性ファンに支えられる業種
    そういう女性は性犯罪に遭っても文句は言えない。自業自得」
という意見について、夜職の私が思うこと。

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ありがとうございます、また書きます。思い出したら、また読みに来てください✨