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コルセットのイベントで世界一獲った話


ギネス世界記録™に挑戦したくなった

2023年12月9日
ひとつのギネス記録が生まれた。
「コルセットを締めて集まった最多人数」である。

2017年、私は調子に乗っていた。
8/8に「コルセットの日」という記念日を制定した流れで
アホの行動力を発揮し、ギネスワールドレコード事務局に問い合わせをしたのだ。
コルセットのギネス記録というとコルセットで締めたウエストサイズが有名ではあるし、自身もめちゃめちゃ締めてたときは同じサイズまで締めれたこともある。が、これって個人なんだよね。

「イベント中に一斉にコルセット締めあう人数世界一とかって取れますか?」

ムカデ人間のコルセットVer.である。
リファレンスが悪趣味であるのはさておき、こんな問い合わせが日夜に届いているのであろう事務局の対応される方の柔軟性に頭が下がる。
そして返答が届いた。

「コルセット締めあう世界一ではなくてコルセットを締めて集まった最多人数でしたらまだ誰も挑戦してない記録として作れます」

コルセット締めた人数を集めて記録を作ろうと思う馬鹿が私以外今のところ世界に出現していないので独自性が高い記録になる。

「初めての記録なので250人がミニマムでそこから記録成立になります」

私が開催していたSalon Corset Nightの最終回(実は諸般の事情に因り終了している)が250人のチケット完売しているのでアクティブユーザーがそれ以上いるのが確信出来る。

出来る・・・・!!!

ということで話を進めることにした。

最初の障害

「ギネス記録に挑戦するときに入場料等の参加者から参加フィーを集めるのは禁止です」

マ?

ということで2017年当時の私は鍼灸院を自由が丘に移転して割とすぐだったので申請料と会場代が入場料で回収する見込みが立たない場合、かなり厳しい。
「あざっす、ちょっと他のところも見てきますね・・・」と
金銭的な事情によりすごすごと一旦撤退せざるとを得なかったのである。

2個目の障害

先の話から3年ちょい経って2020年1月ぐらいに
「鍼灸院も忙しくなって収入も増えたし今なら予算300万ぐらい吐き出しても大丈夫!」
となったので改めてギネスワールドレコード事務局に問い合わせをし
当たり前のようにそんな項目で記録を作ろうとしてる奴が私以外いなかったので手順を踏んで手続きをし
公式認定員さんを派遣する形で契約を行ったのであった。
180万円がここで吹き飛んだ。人生で初めて海外送金した。

そして新宿にあったキリストンカフェを全日貸し切りで100万円。
頑張るぞ~。
といったところで思い出して欲しい。

2020年4月の外出自粛令を。
そうコロナ禍である。

コルセットを締めて集まった最多人数
3密そのもの
そして私のフォロワーさんたちは皆さん社会的規律を守る人たちなので参加したくてもそれ以上に外出自粛に準じるだろう

ということで本気で悔し涙しながら2020年3月時点で
ギネスワールドレコード事務局の担当してくださっている方に

「申し訳ありません。6月の挑戦ですが3密そのもので感染症の影響もあり失敗する可能性が高いので事態が収束するまで延期は可能でしょうか?」

とメールし、会場にも「すみませんキャンセルで」と送り
SNSにも「延期します」と書き
3月時点だったので楽観的に見ていた他のイベンターから「AGIさんイベント諦めるの早くない?!」と若干叩かれたもののその後3年以上に及ぶこの社会現象を結果として延期して正解だったなと今は考えています。
その間にキリストンカフェはビルごと取り壊しになり、TwitterはXになり
アラサーだった私はアラフォーになっていた。

コロナ禍の収束

新型コロナおよびインフルエンザおよび溶連菌およびその他の数多の感染症が無くなった訳ではないが、コロナ禍という社会現象が落ち着きを見せた
5月、ギネスワールドレコード事務局から「近々いかがでしょ~?」のお伺いメールが来た。
私自身のモチベーションが虫の息だったのと、
そして3年間イベントがなかったので
どれだけの人間がイベントに遊びに行くカルチャーを維持しているのかもわからない。
女性であれば特に妊娠出産を機に生活と体型に変化が相当出るのでそのあたりもどうなんだろう。
もうひたすら不安である。
不安だったので先んじてイベントを開催した。
メットガラに憧れたんで!という名目で「ちょっとガラ」である。
コルセット締めなくても着飾って遊べる人間がどれだけアクティブなのかさっぱり分からん。という不安を払拭するために開催したといっても過言ではないイベントだった。
これはこれで好評なのでまた開催したいと思う。

会場探し

イベントを開催するにあたり、Salon Corset Nightは基本的に「座れて、雰囲気がいい」会場を選ぶのが最優先事項だったのですが
250人以上を収容し、入場者数がカウントしやすく、全員が並べる会場
となると途端に至難の業となる。
体育館とかホールとかホテルのバンケットルームとか結婚式場の域である。
バンケットルーム、結婚式場に300人前後の丸一日貸し切りを12月の土日に。

土台無理な話である。
我々には想像もつかないが世の中には300人以上の訪問客が訪れるような結婚パーティをご披露されるカップルが12月の土日にはたくさんおり、問い合わせた先から「無理」と言われる日々が続いた。

今回使用した会場はゴスロリマーケットで利用されているところに遊びに行って会場スペックを見たときにここならキリストンカフェと同じぐらいの金額で利用が出来るし、アクセスもいいのでこちらとした。
2020年6月にオープンして一番タイミングがかわいそうなホールだなとも思っている。
イベントの主催は基本的にこれぐらい苦労して会場探しをしているのでイベントに遊びに行って「いいな」と思ったときは主催にありがとうは言うべきだなと思っているのですが今の今まで言えずじまいなのでこちらで御礼申し上げます。ゴスロリマーケット開催してくださり本当にありがとうございます。

ガイドライン制定

コルセットのレギュレーションが二転三転していたのは長く見てくださってる方なら「いつちゃんと決まるんだ?」と苛々させてしまっていたと思います。
このレギュレーション制定が非常に大変でした。
ギネスワールドレコード事務局から来た最初のレギュレーションが
「市販品で伝統的な胴体を覆い、補正するもの」というふわっとしたもので
「市販品証明はレシート、購入履歴が確認出来るモノ」という追加もあり
現在日本で入手できるコルセット、大体レシート出ないものばっかりだったので「こらヤバい」となり
コロナ禍も相まって「レシートも読めなくなったり紛失してたりお店もなくなってるからタグで判別しません・・・?」という提案をした私をとても褒めて欲しい。

「胴体を覆うもの」という文言もふんわりしており、
人によっては「ロングコルセット、オーバーバストコルセットだけでは?」というもの。
「伝統的な」の文言により、バスクとフックだけなのかジッパーもいいのか分からない。
ということで混乱しており、私も個人的に「これはコルセットとして認めて欲しくない」みたいなエゴもあり(編み上げキャミソールは違うじゃん)

ギネスワールドレコード事務局のガイドラインを作るところに
私自身が今現状コルセットとして販売されているもののバリエーションを全て集めてガイドラインの前提資料を作成し送る。
という新しい項目を作成してるわ・・・と一番思ったことを行いました。

結果として市販品のコルセットとして販売されている留め具で留めて編み上げで調節されるもので、医療用・体に添わないものは適合しない。
というコルセットのレギュレーションが設定されました。
このレギュレーションは次に挑戦される方がいれば、全世界このレギュレーションで挑戦することになります。

3個目の障害

監視員・証人を用意する。
というガイドラインに従って参加者50人につき1名の監視員を用意しないといけないのですが
「挑戦者に連ならない第三者であること」が条件としてあり

私が知らない第三者を私がどうやって知ることが出来るんだろうか・・・?
と宇宙猫になったあとに「ほかの挑戦者の方はどうやってクリアしていらっしゃいますか?」とお伺いし
「人材派遣会社かシルバー人材センターか学生さん」を動員されているとのことで
これで第三者問題が解決しました。

人生で初めてシルバー人材センター利用した

渋谷のシルバー人材センターの問い合わせファームから問い合わせして5営業日が過ぎたぐらいのところで何も返事なかったので(最近よくある問い合わせして返事が来なくてあるのかないのか分からん奴)
電話凸して「いかがですかー?!」ってダイレクトに聞いて話が進んだので
これは電話するの面倒くさがらなくて本当に良かった。

正直これから使う人はメールしてから電話したほうが話が早いので頑張って欲しい。大体全部の動きが2週間ずつ掛かると思ったほうがいい。

10人4時間拘束で交通費込々で6万円ちょっと。
思ったより安くてとても助かった。

シルバー人材センターの担当者さんからは
「募集はしますけど『どんな人来ますか?』って聞かれてます」

それはそう。
「極めて協力的な穏やかな人たちなので見た目は派手ですかご安心ください」とどこぞの少数民族を紹介するが如き文言になってしまった。

男性と女性、どちらでも大丈夫ですし、どちらか選んで募集も出来ます。
と言われて男女雇用機会・・・と頭に過ぎるものの
「えっちな恰好しとるね!」って誉め言葉で言い出しかねない人が来ても
正直困るから女性だけでお願いした。
これが考えすぎなら私が怒られ案件なんだけど
「あー、ありそう」って事前に相談した人から全員言われてるので
この現実がこれから変わってくれるといいなぁと考えてる。

4個目の障害

イベント直前で経営してる鍼灸院のスタッフ2人が入院。
私のやりたいことをブリーフィングしてバイトリーダーみたいな形で立てたかったのに一気にその人数が半分になるのはめちゃめちゃつらい。

が、命のほうが大事なのは当たり前のことなので
私が頑張ることにした。

コーディネートどうしよう

私は主催である。
日本で行うし、性的好意を利用しないで得た資金を運用したくて足掻き倒している鍼灸院女性オーナーである。
他人の下半身の性的嗜好は果てしなくどうでもいい。
コルセットがクラシックなだけのものではないし
BDSMだけのものでもないし
ゴスだけでもロリィタだけでもない
変な人のためでもない

人が着るものである

っていうのが物凄く今回は主催として示したいな~。
っていうのが全部合わさった結果
日本のクリエイターが出しているアパレルブランドのキメラに
Vivienne westwoodのロッキンホースバレリーナを合わせるパンクルックになったのは原宿という場所においてもよかったんじゃないかなと考えている。

実際に開催してみた

ガイドラインがしっかり決まってSNSで
ドレスコードについて若干の喧嘩をしつつ
開催を迎えた当日の話はまた後日。

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