見出し画像

お酒をやめたら読書力が戻って来た。

町田康の「シラフで生きる」の後、同じく町田康の「私の文学史」を読み始めた。

驚いたことに、スイスイ読めて、だいたい頭に入っていく。完全に掴んでいる感じではないが、普通に笑ったり、驚いたりしながら楽しんでいる。

ここ何年も、そうではなかった。

10年ほど前から、どっぷり編み物にハマって、編み針にかかっている目の数を読んでばかりいたら、読書欲が退化してしまった。

しかし数年前から編み物は休憩しており、それならと思って積読の本を取り出してみたものの、全く字を追う気にならず、全て途中で投げ出していた。

集中力が続かないのも、体力と気力が更年期障害によって、削られているのかと思っていた。

これもまた、お酒の弊害だったのか。

今は、ちょっとした時間に本を開くのが楽しみになっている。

「私の文学史」は、文字通り町田氏が幼少の頃からどんな本を読んで、何を感じて人生を送って来たかを話している本だが、その中で「若い頃に読んだ本を今読み返してみると、自分がこういう人生になったことが腑に落ちる」のようなことを語っていて、興味深かった。

中学高校の頃に読んでいた、太宰、三島、谷崎、村上春樹、サリンジャー、アーヴィング、などなど、まだしつこく本棚にどっしり残っている。

私自身は病気をして辛いことの多かった青春時代だが、読書は私の大事な友だちだったし、誰でも読んだ本の栄養は、人間形成の礎になっているのではなかろうか。

せっかく読めるようになりつつあるので、順番に読んでみようかな。

続く

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?