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ゲイとお笑い その1

  • 保毛尾田保毛男の悲劇

保毛尾田保毛男事件を憶えているか?
フジテレビの「とんねるずのみなさんのおかげでした」のスペシャルでとんねるずの石橋貴明さんがかつて演じていた保毛尾田保毛男に扮して登場した。

そしたら、ネットで大炎上した。性的少数者を侮辱しているといった批判が多かったそうだ。そのニュースを知ったオレは不謹慎かもしれないがこう思った。

「オネエタレントは良くて、どうしてタカさんはダメなんだろう」

  • 連想という”呪い”

マツコ・デラックスさんを初めてテレビで見かけた時、妙な名前のお笑い芸人だと思った。
女装にオネエ口調にふざけたような名前。滑稽な要素だらけ。
テレビに出ると絶対何か面白い事をするぞとニヤニヤしながら見ていた。
でも、この人はピン芸人じゃなくドラァグクイーンという女装してパフォーマンスをする人である。
他のドラァグクイーンの人たちもテレビで見かけたが、ただの女装じゃない。ほとんどが特撮の怪獣のような人間離れしたメイクや衣装を着ている。

試しにウィキペディアでドラァグクイーンと調べると”著名なドラァグクイーン”の欄にある日本の箇所を見れば…………

まぁ、ひどい。

全部ではないが芸人のようなおかしな名前ばかりで、そこで笑いを取ろうとしているとしか思えないのだ。
気になる方は是非とも自分の目で確かめてほしい。

更にオレは同性愛という概念を映画版のクレヨンしんちゃんに登場するオカマキャラを通して知り、ドリフの再放送や笑う犬の冒険などのコント番組の芸人が女装したキャラを見たせいで、

女装した女口調の男=ゲイ=面白い人

と連想してしまう。この呪いが頭に刷り込まれてしまった。
おかげでこの手のタレントを見ると、どこかで変な事をするんじゃないかと余計な期待をしてしまう。

でも、今は違う。
女装しないゲイは探せば沢山いるという事は知っている。なんでもかんでもテレビやネットのイメージを引っ張り出して、ゲイはこんな感じだと決めつけるのは危険だし失礼だ。

  • どうせ、みんなも笑っていたはず

高校生になるとレイザーラモンHGが流行った。
「ど~も~、ハードゲイで~す」という挨拶にピチピチの黒いレザースーツに高速腰振り。これでもかと言わんばかりにホモセクシャルの要素を強調した芸人が現れたのだ。

オレの記憶が間違っていなければ確か、「笑いの金メダル」という番組で三宅裕司さんにむかって

「自分の気持ちに嘘をつく事はできません」

そう言って唇を奪ったのだ。共演者や客席は大爆笑だった。勿論見ていた自分も。

そして、約10年たって前述の保毛尾田保毛男事件だ。

LGBT当事者を傷つけてはいけないという風潮が強くなる世間をオレは斜に見ている。

当たり前だが差別はよくない。
でも、今まで世間の皆様方は彼らを見てゲラゲラ笑っていたクセに事件が起きたら「差別は」いけないだの「オカマという言葉を無くそう」といった具合に手のひらを返してきた。まるで何かの流行に便乗しようとしているように見える。
差別が無くなれば御の字だが、まだまだLGBTを正しい意味として理解してない人が多い。もっとひどいのが…………

「私はゲイの友達が欲しい」

いう女性の存在だ。理由は毒舌だからとか、一緒にいても恋愛に発展しない、ゲイはおしゃれだからという理由からだそうだがオレにはゲイの人たちを侮辱しているとしか思えない。
人をアクセサリーのように都合よく扱おうとする考えには虫唾が走る。

本当にこの人と友達になりたいと思ったら、異性愛者だろうが同性愛者だろうが関係ないはずだ。



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