(aan,w012,音声動画) 兎と陸亀 / THE HARE AND THE TORTOISE
✅英3回+和1回セットです💙画質720p推奨💙
✅このお話の教訓は?(ルビ無)
現代小説や漫画、映画などで最もモチーフ(題材・主題)にされているイソップ寓話のひとつの「ウサギとカメ」です。
ここでは一般的な解釈ではなく、もう少し深く踏み込んだ現代的な読解をしてみましょう。
ここに登場する陸亀さんは、普段から兎のことを良く見ていたのですね、特に何でも先に終らすべき事を後回しにする事とか、怠惰で直ぐに寝てしまうとか、そして、一度寝たら起きる迄どの位の時間なのかも知っていたのでしょうし、もちろん陸亀自身の脚の遅さが客観的にどれ程なのかも知っていたのでしょう。
そう、2500年前に孫子(中国の春秋時代の武将、孫武の尊称)が残した『彼を知り己を知れば百戦殆うからず』、『敵情(敵の様子)を知り、また自国の実情も良く知っていれば、何度戦っても負けることがない』と云う格言と同じ事を、イソップ氏は2000年前に寓話にして語っていたと云う事なのです。
※ このお話には多くのバリエーションがありますので、ここに書いた教訓が好みでない方々は別の人のお好みの解釈をお選びください。
■ 英文&翻訳和文(ルビ無)
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THE HARE AND THE TORTOISE .
A Hare one day ridiculed the short feet and slow pace of the Tortoise .
The latter , laughing , said : “ Though you be swift as the wind , I will beat you in a race . ”
The Hare , deeming her assertion to be simply impossible , assented to the proposal ; and they agreed that the Fox should choose the course , and fix the goal .
On the day appointed for the race they started together .
The Tortoise never for a moment stopped , but went on with a slow but steady pace straight to the end of the course .
The Hare , trusting to his native swiftness , cared little about the race , and lying down by the wayside , fell fast asleep .
At last waking up , and moving as fast as he could , he saw the Tortoise had reached the goal , and was comfortably dozing after her fatigue .
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兎と陸亀
兎が或る日、其の短い脚と陸亀の遅い動作を嘲笑すると、
陸亀は、笑いながら言いました、
「喩え貴方(兎)が風の様に早かったとしても、競争でならば私(陸亀)が貴方に勝つでしょう」と。
兎は、陸亀の主張が単純に不可能だと看做していたので、其の提案に賛成しました。そして、彼等(兎と陸亀)は狐がコースを選ぶ事とゴールを決める事に同意したのです。
競争の為にと約束された其の日其の時間に、彼等は一緒にスタートしました。
陸亀は一瞬(いっしゅん)たりと留まる事無く、しかしコースの終着点に向かって真っすぐに、ゆっくりとしかし一定のペースで進み続けました。
兎は、彼(兎)の生来の脚の速さを信じて居ましたので、競争の事は全く心配して居らず、だから道の脇に横になって直ぐに寝入ってしまったのです。
漸く目が覚めて、そして彼(兎)の出来る限りの最速の速さで走って行くと、ゴールに到着し、そして彼女(陸亀)の極度の疲労の後の心地良さげに居眠りしている姿を、兎は見る事と相成ったのでした。
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✅逐語訳&構文解説はこちら
■ このお話の教訓は?(ルビ有)
現代小説や漫画、映画などで最もモチーフ(題材・主題)にされているイソップ寓話のひとつの「ウサギとカメ」です。
ここでは一般的な解釈ではなく、もう少し深く踏み込んだ現代的な読解をしてみましょう。
ここに登場する陸亀さんは、普段から兎のことを良く見ていたのですね、特に何でも先に終らすべき事を後回しにする事とか、怠惰で直ぐに寝てしまうとか、そして、一度寝たら起きる迄どの位の時間なのかも知っていたのでしょうし、もちろん陸亀自身の脚の遅さが客観的にどれ程なのかも知っていたのでしょう。
そう、2500年前に孫子(中国の春秋時代の武将、孫武の尊称)が残した『彼を知り己を知れば百戦殆うからず』、『敵情(敵の様子)を知り、また自国の実情も良く知っていれば、何度戦っても負けることがない』と云う格言と同じ事を、イソップ氏は2000年前に寓話にして語っていたと云う事なのです。
※ このお話には多くのバリエーションがありますので、ここに書いた教訓が好みでない方々は別の人のお好みの解釈をお選びください。
■ 発音記号付き英文&読み仮名付き和文
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THE HARE AND THE TORTOISE .
A Hare one day ridiculed the short feet and slow pace of the Tortoise .
The latter , laughing , said : “ Though you be swift as the wind , I will beat you in a race . ”
The Hare , deeming her assertion to be simply impossible , assented to the proposal ; and they agreed that the Fox should choose the course , and fix the goal .
On the day appointed for the race they started together .
The Tortoise never for a moment stopped , but went on with a slow but steady pace straight to the end of the course .
The Hare , trusting to his native swiftness , cared little about the race , and lying down by the wayside , fell fast asleep .
At last waking up , and moving as fast as he could , he saw the Tortoise had reached the goal , and was comfortably dozing after her fatigue .
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兎と陸亀
兎が或る日、其の短い脚と陸亀の遅い動作を嘲笑すると、
陸亀は、笑いながら言いました、
「喩え貴方(兎)が風の様に早かったとしても、競争でならば私(陸亀)が貴方に勝つでしょう」と。
兎は、陸亀の主張が単純に不可能だと看做していたので、其の提案に賛成しました。そして、彼等(兎と陸亀)は狐がコースを選ぶ事とゴールを決める事に同意したのです。
競争の為にと約束された其の日其の時間に、彼等は一緒にスタートしました。
陸亀は一瞬(いっしゅん)たりと留まる事無く、しかしコースの終着点に向かって真っすぐに、ゆっくりとしかし一定のペースで進み続けました。
兎は、彼(兎)の生来の脚の速さを信じて居ましたので、競争の事は全く心配して居らず、だから道の脇に横になって直ぐに寝入ってしまったのです。
漸く目が覚めて、そして彼(兎)の出来る限りの最速の速さで走って行くと、ゴールに到着し、そして彼女(陸亀)の極度の疲労の後の心地良さげに居眠りしている姿を、兎は見る事と相成ったのでした。
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