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「にじロック」に救われた話

元ロキノンのお兄ちゃん こと あごひげ20cmです。

2021年10月30日(土)、にじロックのライブイベント『NIJIROCK NEXT BEAT』が開催されます!!!

今回は、以下の記事を見て、自分も「にじロック」を語りたい!と思い筆を執りました▼


「にじロック」は、2019年夏・冬にYouTube上で生配信された、にじさんじライバー7人による邦ロック歌リレーです。

思い返せば2019年といえばまだ感染症のなかった世界で、リアルのフェス会場では人々がマスクをせずにモッシュやらダイブやらしていた時代です。思えば遠くに来たもんだ……。

2年も前のイベントで新鮮な感想は出てこないので、にじロックを聴いてフラッシュバックした思い出を語るスタンスで書いていきます。よしなに。


0. 海外で、にじロックを聴いた

自分は、「趣味は?」と訊かれれば「フェス参戦です!」と答えるくらい、フェスが大好きなキッズでした。1年で6つのフェスに全日程参加していたほど。
しかし、2018年から海外に長期滞在することになり、友人たちが日本のロックフェスに参戦する様子をSNSで羨ましく眺めるだけの存在になりました。

自分が「にじさんじ」にハマったのは2019年1月。まだ海外にいた頃。
舞元力一、OTN組にハマった流れで、SEEDs一期生/二期生を中心に沼に入っていきました。特によく視聴していたのは、ジョー・力一雨森小夜の両名。「ロキノンのお兄ちゃん/お姉ちゃん」という呼称は小夜ちゃんのもの。

▼そんな中、緑仙からこんな告知が。一年前に荒天で全日程中止となった京都大作戦が、初の4 Days開催を大成功に収めたばかりの頃でした。

海外にいてずっとフェスに参加できていなかった自分にとって、オンライン上で参加できる『にじロック』は救いの光に見えました。

(フェスの賑やかな空気を味わえるだけでも嬉しいな……)

視聴前はそれぐらいの期待感でしたが、そんな期待は大幅に飛び越えられました。ボコボコに打ちのめされたほどです。

選曲の一つ一つが、これまでの音楽体験や参戦してきたフェスを想起させるものだったからです。そして、そんな選曲をしたライバーたちの一曲一曲への思い入れを強く感じたからです。

自分の思い出とライバーの思い出が重なったような気がして、心震えるものがありました。インターネットを介したリアルタイムな関係に過ぎないはずなのに、【ロック】を通して過去の空気感や感動が共有されたような、不思議な感覚


それは、リアルフェスに負けないほどの喜びでした。


海外にいる自分にもこの楽しい時間を届けてくれた「にじロック」には感謝してもしきれないほどです。2年も前のイベントですが、本当にありがとうございました…!

ようやく本編。
自分の音楽体験を振り返りながら、にじロックで歌われた楽曲をピックアップして語っていきます。第一回にじロックに焦点を置きながら、ときどき第二回の楽曲も拾っていきます。


1. 邦ロックにハマりはじめた頃|Surfer King (雨森小夜), 陽炎 (緑仙) / フジファブリック

2009年のクリスマスイブ、フジファブリックのボーカル志村正彦が急逝した。自分が邦ロックを聴きだして、フジファブリックに猛烈にハマりはじめた矢先の訃報だった。

志村さんは、大半の楽曲の作詞/作曲を手掛けていた。ふざけた歌詞の明るい楽曲から心を揺さぶるしっとりとした楽曲まで、幅広く歌いこなす魅力にあふれていた。どの曲もフレーズが鮮烈で、耳にも心にも残るバンドだった。

志村さんが亡くなってからも、自分はmp3で流れてくるフジファブリックの中に志村さんを求め続けた。聴けば聴くほど「この人はもう何処にもいない」という事実に打ちのめされたが、それでも聴き続けた。
(いまでも命日には『タイムマシン』という曲を聴くようにしている。必ず泣く。)

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そんな思い出のバンドがにじロックで歌われました。第一回の中で2曲も。

そして小夜ちゃんも緑仙も、志村の名前を口にしました。ひとりは懐かしむように、もうひとりは亡くなってから出会ったことを後悔するように。

小夜ちゃんが歌った『Surfer King』はフジファブリックの中でも飛びぬけておちゃらけた曲。緑仙が歌った『陽炎』は幼少期の夏を思い出させる、エモさに一直線の曲。
まったく違うテイストの曲ながら、どちらもフジファブリックらしさが詰まったものでした。二人の志村さんへの愛情が感じられる歌声に、自分は胸を刺されました。



2. MONSTER BASH 2010の思い出|HIT IN THE USA (加賀美ハヤト, 雨森小夜) / BEAT CRUSADERS 

自分が初めて参戦したロックフェスはMONSTER BASH 2010。高校生の夏休みに、親を説得して1人で2 DAYS参戦した。

当時はメジャーアーティストでもMVをYouTubeに上げているのは少なくて、CDを買う/レンタルするしかない時代。せっかくフェスに参戦するのだからと意気込んで、色々なバンドのアルバムを借りてきてiPodに入れて予習した。

予習の中で出会ったバンドの1つがBEAT CRUSADERS。覆面バンドだし英語詞だしでとっつきにくいかと思いきや、メロが抜群にキャッチーで一番聴き込んだ。
なお、「翌月に散開(=解散)する」と発表していたことはフェス会場で初めて知った。

フェスで見たBEAT CRUSADERSは、MVやTV出演のときとは違って覆面のないすっぴん状態でひどく混乱した記憶。
それでも、ライブ音源通りの「おま○コール」に高校生だった自分は大はしゃぎだった。会場が「まんのう園」だったこともあり、周囲のボルテージも最高潮の「おま○コール」になった。なんちゅう思い出や。

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にじロックで加賀美社長と小夜ちゃんがデュエットした『HIT IN THE USA』は、賑やかな原曲にカッコよさと可愛さを同時にブチ込んだ最高の仕上がりでした。

聴き惚れるというよりは、フェス会場で観客全員で合唱しているような気分で自分は聴いていました。男性も女性も、大人も子供も、好きなバンドの前に集まって歌ったり踊ったりして盛り上がる。そんなフェスならではの光景が目に浮かぶような一曲でした。


3. RADIO CRAZY 2013の思い出|深夜高速(ジョー・力一) / フラワーカンパニーズ

大学生になって、多くのフェスに行くようになった。iPodが少しずつ廃れ、iPhoneで音楽を聴くようになった時代。

RADIO CRAZY 2013というティーン~20代の観客が多いフェスの中で、活動25周年ベストを出したばかりのフラワーカンパニーズは(ほぼ同世代の奥田民生やスカパラとともに)少し浮いていた。

予習中、自分の目を奪ったのはトリビュート『深夜高速 -生きててよかったの集い- (2009)』だった。なんと13組のアーティストによる深夜高速カバーのみを集めたアルバム。聴けば聴くほど深夜高速という名曲の愛されっぷりを感じて、自分も次第に好きになった。

実際に会場で聴いた『深夜高速』は、予習で何度も聴いたとは思えないほど新鮮に胸を打った。「生きててよかった」の大合唱。繰り返しているうちに心にあたたかい火が灯るような感覚があった。

その後、免許をとって全国のフェスに行くようになってからは運転中のプレイリストに必ず入れるようになった。街灯が後ろに流れていくだけの高速道路の寂しい夜景にピッタリな雰囲気の曲で、また胸に沁みた。

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力ちゃんがセトリの最後にこの曲を持ってきたとき、車中で何度も聴いた思い出がドッ!とよみがえりました。それだけでも万感の思いがあったのですが、アカペラで歌われたぶん歌詞がストレートに飛んできて涙をこらえることができませんでした。

年の瀬のRADIO CRAZYで聴いた深夜高速を6年越しの年の瀬にまた聴くことができたという縁もあり、力ちゃんが歌ってきた楽曲の中でも特に思い出深い一曲です。


4. SWEET LOVE SHOWER 2014の思い出|1984 (三枝明那) / andymori

免許をとって行動範囲が広がった自分が、初めてレンタカーで遠征したのがSWEET LOVE SHOWER 2014

andymoriは初日のヘッドライナーに抜擢されていた。2009年にオープニングアクトを務めて以来、毎年出演していた縁の深いフェス。しかし、この出演をもってバンドを解散することを宣言していた
当初は2013年9月の武道館ライブでの解散を予定していたが、ボーカルの小山田さんが河川に飛び込んで重傷を負ったこともあり、解散が延期されていた形だ。

「いよいよ解散してしまうのか…」という思いで、会場には多くのファンが詰めかけていた。あんなに1つのバンドTシャツがフェスで揃っていたのは、後にも先にもなかった。

衝撃的だったのは、歌い終わった小山田さんが「もうちょっとこのバンドでやりたいなぁ」と改めて武道館でのラストライブを提案したことだ。正直、解散を覚悟して駆け付けたファンの中には複雑な感情を抱いた方もいたと思う。

だが、その提案に会場は湧いた。終演後も、嬉し涙と歓声が飛び交っていた。

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アッキーナはMCで「一番大好きなバンドで、いまはもう解散しちゃったんだけど…」と紹介しました。上述したような紆余曲折があったぶん、思い入れが強くなるのは分かる気がします。

『1984』は自分の一番好きな曲で、懐かしさと寂しさが曲全体を支配している感じがツボです。アッキーナの優しい歌声はその寂しさを良い感じに増幅していて、本当に好きなんだということが伝わってきました。


5. 京都大作戦2016の思い出|ともに (轟京子) / WANIMA

大学を卒業して、数百キロ離れた大学院に進学した頃。それまでの人間関係がほとんどリセットされたときに爆ハマりしたのがWANIMAだった。

突き抜けて爽やかな曲で背中を押してくれるWANIMAの楽曲に、自分はたくさん助けられた。別れを肯定してくれる曲が多かったからだと思う。

さよならが教えてくれた 離れるのは距離だけと
   - THANX / WANIMA
分かれ道に立つ友に歌う 重ねた日々は変わらず残る
   - ともに / WANIMA

ken yokoyamaのレーベルPIZZA OF DEATH RECORDSと契約したWANIMAは、2015年から多くのフェスに出演しはじめた。異例の勢いで売れだした翌年にはメインステージに抜擢されることも多くなり、京都大作戦2016では2日目のオープニングアクトを務めた。

大学の頃の友人たちと会場で再会しながら聴いた朝イチのWANIMAは、どこまでも明るくて爽快だった。別れの寂しさを埋め合わせるためではなく、心の底から楽しむためにWANIMAを聴いたのは初めてだった。WANIMAのことがますます好きになった瞬間だ。

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ロキさんの配信は普段から「自分もリスナーも楽しもうよ!」という心意気が強く感じられます。にじロックでそんなロキさんの『ともに』を聴いたとき、京都大作戦で楽しんだ思い出がよみがえりました。

余談ですが、SEEDsの中で(おもにOTN組で)散々ネタにされていたWANIMAをまっすぐに元気に歌うロキさんの姿に嬉しくなったという面も。オタクくん(やしきず)の合いの手には笑っちゃったけど。


6. 海外生活の思い出|星丘公園 & 拝啓、少年よ (緑仙) / Hump Buck

海外で生活していたころ、サブスクやYouTubeで邦ロックをDigるのが週末の楽しみだった。

そんなときに出会ったバンドのひとつがHump Back。サブスク配信してなくて、5日間しかなかった一時帰国の際にCDショップに駆け込んだほどハマった。

ボーカル林萌々子さんが愛犬との別れを歌った『LILY』や、夢を追いかける少年に熱いエールを送る『拝啓、少年よ』など、心を揺さぶる曲ばかりが詰まったアルバムを何度も聴き返していた。海外滞在中に一番再生したアルバムだと思う。

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2019年秋に帰国して、Hump Backのライブに行きたいと思いながらもタイミングを逃していた頃、第二回にじロックで緑仙が2曲も歌ってくれました。選曲に頭を悩ませて、ほぼノンストップで曲を詰め込んできた中の2曲。しかも1曲目とトリ。

1曲目の『星丘公園』は、泣いている相手に対して自分の無力さを感じつつもロックンロールを届けようという曲。

きみが泣いた夜に ロックンロールが死んでしまった
僕は飛べない

きみが泣いた夜に ロックンロール鳴りやまぬように
うたを歌おう

   - 星丘公園 / Hump Back

一方、トリの『拝啓、少年よ』は、泣いている相手に対してより積極的に応援の言葉を投げかける曲。

あぁ もう泣かないで
君が思う程に弱くはない
あぁ まだ追いかけて
負けっぱなしくらいじゃ終われない

   - 拝啓、少年よ / Hump Back

緑仙がセトリに込めたストーリー性/メッセージ性を感じて、Hump Backのファンとして嬉しくなります。未発表の新曲だった『イツライ』をトリに置くこともできたのに、そうしなかった。Hump Backへの愛を感じました。


ちなみに本記事を執筆時点でまだHump Backのライブには行けていません。
2020年8月に万全な感染症対策を掲げて開かれたOsaka Music DAYS!!! THE LIVE in 大阪城ホールのチケットには当選し、初めて見るチャンスに期待していました。しかし、所属機関から県外への移動自粛を強く要請されて泣く泣く諦めたという経緯。

早くライブやフェスに(安全に)行きたい!という気持ちを強くしながら、VTuberの配信やライブに救われている今日この頃です。


終わりに

『ソラニン』や『世界はそれを愛と呼ぶんだぜ』など、他にも思い出深い曲は多々あったのですが、エピソードが特に印象的な曲に絞って紹介してきました。またどこかで書きたいですね。


ともあれ、2021年10月30日『NIJIROCK NEXT BEAT』まであと2週間を切ってます!ありがたいことに自分はチケット当選したので、現地参戦がいまから楽しみです…!

現地に行かれる方も、ネット配信を見られる方も、過去の「にじロック」を見返して士気を高めましょう~~~!!!
もしもこの記事が「にじロック」を見返すきっかけになっていたら幸いです。

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