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ロックはいつも生きる力をくれる【NIJIROCK NEXT BEAT】

ロックを愛してやまない あごひげ20cmです。

10月30日、NIJIROCK NEXT BEATに現地参戦してきました。
にじさんじに所属するVTuber7人が3Dの体で生バンド演奏に載せて邦ロックを歌い尽くす、最高のフェスイベントでした!

感想を書くにあたって、アンコールの選曲に込められたメッセージに気付いてどうしても考察したくなってしまい、そちらに重点を置くために全員を紹介するのは割愛しました。紹介できなかったライバーのファンの方々には申し訳ありません。

その代わり、ソロパートで自分が心揺さぶられた3人をピックアップしてセトリを深掘りしようと思います…! よしなに。


0. 概要|「にじロック」の歩み

「にじロック」はもともと7人のライバーによる邦ロックの歌リレー配信という形でYouTube上で企画されたものでした。

第1回が2019年8月2日、第2回は同年12月27日の開催でした。
歴史は2年前に始まった…!

▼ロックを愛してやまない自分が2年前の感想を振り返った記事はコチラ。


当初からロックフェスの再現を志向していた企画で、YouTube配信でありながらTシャツやステッカーなどのグッズ販売も併せておこなっていました。

そんな配信もあったよね……と、楽しかった記憶の一部として収められていた「にじロック」。それが満を持して全員3D化してのライブイベントという形で帰ってきたのが、今回のNIJIROCK NEXT BEATです!

日程|2021年10月30日(土) OPEN/16:00 START/17:00
会場|ぴあアリーナMM(横浜市)
出演|加賀美ハヤト/雨森小夜/ジョー・力一/三枝明那/緑仙/轟京子/夢追翔



1. 3D初お披露目|序盤パート

今回のイベントで3D初お披露目となったのが、轟京子(以下、ロキさん)と雨森小夜(以下、小夜ちゃん)でした。

1曲目『Salamander / ELLEGARDEN』で出演者全員が登場したかと思うと、2曲目『フルドライブ / KANA-BOON』で京子ちゃんが、3曲目『きらきら武士 / レキシ, Deyonna』で小夜ちゃんが姿をたっぷり見せてくれました。

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▲フルドライブは、夢追翔(以下、ゆめお)とロキさんのコラボで、2人ともギターを抱えての登場。
ガツンと盛り上げるぞ!という意気込みが感じられるパーティーチューンで、自分は座りながらツーステップを踏んで小躍りしていました。
ロキさんの3Dモデルは、初期衣装ではなく3周年記念でお披露目した衣装でした。「この衣装で来たか…!」と、良い意味で予想を裏切られて嬉しくなりました。


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▲きらきら武士は、ジョー・力一(以下、りきちゃん)と小夜ちゃんのデュエットで、2人とも扇子を携えての登場。
年齢不詳おじさんとナウでヤングな17歳が扇子を横に振って踊る姿は、豪華な光演出も相まってジュリアナ東京のお立ち台のようでした。
扇子を精いっぱい大きく振る小夜ちゃんの姿がとにかくキュートすぎて、自分は心臓を射抜かれました。(その後の曲にてさらに拳銃で撃たれます。命がいくつあっても足りません。)



2. 緑仙|個別パート Pick Up ①

1. 東京 / きのこ帝国
2. 絶対的な関係 / 赤い公園
3. Suitability / Brian the Sun
4. おやすみ泣き声、さよなら歌姫 / クリープハイプ

緑仙のセトリあるある、と言えば。
1つは、MCをできる限り削って曲数を増やして詰め込んでくる。
もう1つは、選曲や曲順にストーリーやメッセージを込めてくる(と自分は勝手に解釈してる)。

今回のセトリ、自分は知らない曲ばかりでした。それでも緑仙の歌に心を揺さぶられたのは、歌われた4曲に起承転結のストーリーを感じたからです。

あなたに出逢えた この街の名は、東京
  ― 東京 / きのこ帝国
絶対的な関係に しなくっても構わないの
ただ中の人を 知りたいと思うだけの私

  ― 絶対的な関係 / 赤い公園
優越感ただ描いたせいで 君の言葉を見失って
真実論じず背を向けて 振り向き方を忘れた

  ― Suitability / Brian the Sun
最後の4小節 君の気持ちが動く さよなら
  ― おやすみ泣き声、さよなら歌姫 / クリープハイプ

出逢いから始まり、腹の探り合いをしながら距離を詰めていく時期があって、成就した2人の関係性に葛藤する時期があり、結局は別れてしまう……という物語が見えてきませんか?

しかもどの曲にもドラマチックな展開があって、重いパンチを喰らわせてくる。知らない曲ばかりで歌詞に注目していたぶん、1曲1曲に感情が入ってしまい4曲目の「さよなら」では涙がこぼれました。

怒涛の勢いで曲を詰め込んだからこその感動だったと思います。最高でした。

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3. 雨森小夜|個別パート Pick Up ②

1. 透明少女 / ナンバーガール
2. キャンディ・ハウス / THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
3. ゲット・アップ・ルーシー / THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
4. TEENAGER / フジファブリック

小夜ちゃんは、敬愛するアーティストの楽曲にたっぷりの愛とキュートさを詰め込んで魅せてくれました。可愛さが限界突破していた。

『透明少女』と『TEENAGER』は自分にとっても思い入れの深い曲だったので、イントロが流れた瞬間に「Foo…!」と声が漏れてしまうほど嬉しかった。
ナウでヤングで掴みどころのない17歳が『透明少女』と『TEENAGER』を歌うことの破壊力と言ったら…!

彼女は「すずしい」と 笑いながら夏だった
  ― 透明少女 / ナンバーガール
それでもいつも物足りない とにかく君に触れられない
  ― TEENAGER / フジファブリック


何より、あの小夜ちゃんが3Dの体で拳銃をぶっ放したんです!!!!!
小夜ちゃんをずっと追ってきたファンの1人としてこれほど嬉しいことはありません。

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小夜ちゃんはにじさんじの中で比較すると配信頻度が少ない方です。それでも1回1回の配信で、衝撃的なストーリーやVTRを披露してくれて視聴者を楽しませてくれてきました。

その最たる例が銃をぶっ放すです。普段、バーチャル網走刑務所に収監されているのも銃刀法違反のせいであるとかないとか。余罪が色々あってもう覚えてない。
▼2.0お披露目配信でもライフルをたくさんぶっ放してました。

このように、3年間の活動の中でたびたび銃が出てきた実績があったんです。
それに加えてナンバーガールの向井秀徳が観客に向かって拳銃をぶっ放すパフォーマンスをするという文脈も、小夜ちゃんの拳銃には込められていました。

今回、現地に来て良かった!!と強く思えるのは小夜ちゃんに拳銃で撃たれたからです。それぐらい自分にとって喜ばしい出来事でした。
あらためて3D化おめでとう!



4. ジョー・力一|個別パート Pick Up ③

1. サンフランシスコ / 筋肉少女帯
2. CIRCUS / 布袋寅泰
3. サーカスナイト / 七尾旅人

にじロックでは毎回なんらかのストーリーを練り込んで観客を魅了してきた、りきちゃん。
第1回では機材トラブルに巻き込まれた野外フェスを、第2回ではステージ移動型の室内フェスを魅せてくれました。

(今回はどんな感じで来るのか…)と身構えていたところ、彼は見事に会場全体をサーカスに変えてしまいました。1万人が詰めかけた大きなサーカス小屋です。

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りきちゃんは持ち時間を完成度の高い“ステージ”へと昇華させることに於いては、間違いなく天下一品です。自分はこれまで何度も、その選曲センスとパフォーマンスの妙に感動させられてきました。

緑仙が「曲に込められたメッセージを紡ぐように歌い繋げる」とするならば、りきちゃんは「曲の世界観を、自身を表現するための武器に変える」ことに長けていると思います。

『サンフランシスコ』と『CIRCUS』なんていう癖の強い曲を歌っても、その強さに負けるどころか、猛獣を乗りこなすように自分のものにしてしまう。
原曲MVの「増殖する布袋」なんてキワモノを、いつかの配信でやった「増殖する力一」で呑み込んでしまってクレイジーさに磨きをかける。

そうかと思えば、楽しい時間が終わってしまう寂しさを自らの孤独な姿に重ねながら『サーカスナイト』を歌い上げる。


こんな感じで、りきちゃんが大舞台のために選ぶ楽曲はどれも「ジョー・力一」の人間性やキャラクター性を含んでいて、彼の表現力豊かな歌声とパフォーマンスがその要素を増幅して届けてくれるんですよね。

りきちゃんのことを知れば知るほど、歌われる楽曲の中に「ジョー・力一」を見つけてしまい、ますます魅力的に見える。愛しく見えると言ってもいい。

そんなことを思った夜でした。



5. アンコール|選曲に込められたメッセージ

1. ジェットにんぢん / GO!GO!7188(轟京子, 緑仙)
2. 深夜高速 / フラワーカンパニーズ(三枝明那, 夢追翔, ジョー・力一)
3. ぶっ生き返す!! / マキシマム ザ ホルモン(加賀美ハヤト, 雨森小夜)
4. BABY BABY / 銀杏BOYZ(全員)

セトリを見返していて、最後の3曲に共通点があることに気が付きました。

その共通点とは、3曲とも「生きる」というテーマを歌っている点です。
(『ジェットにんぢん』は…………残念ながら………………笑)

生きてて良かった 生きてて良かった
生きてて良かった そんな夜を探してる

  ― 深夜高速 / フラワーカンパニーズ
もういっそ俺に生まれたなら 君をぶっ生き返す!!
  ― ぶっ生き返す!! / マキシマム ザ ホルモン
永遠に生きられるだろうか 永遠に君のために
  ― BABY BABY / 銀杏BOYZ


自分はロックを愛して、時にはロックに励まされ、生きるための力をロックからもらって過ごしてきました。そんな自分に、この選曲に込められたメッセージは強く刺さりました。

「恋愛」だとか「別れ」だとか「未来」だとか「過去」だとか、世の中には色んなテーマの楽曲があります。様々な思想的バックボーンによって派生したジャンルも無数にあります。

その中でも自分が一番愛したのは、【生きていくうえでの衝動】をストレートに表現し【生きていることを無条件に肯定】してくれる青春パンクでした。

『深夜高速』で歌われる、生きている実感への渇望。
『ぶっ生き返す!!』で、とにかく生き返してやる!と注がれるエネルギー。
そして『BABY BABY』の、好きな人を想って胸がはち切れんばかりの、走り出したくなるような初期衝動。

これら以外にも、今回は歌われませんでしたがサンボマスター10-FEETガガガSPWANIMAなど、自分の好きなバンドの多くが「生きること」を明るく奏でて未来を指し示してくれていることに気付きました。


NIJIROCK NEXT BEATで自分は、どうしてロックを好きになったのか、その根源的な部分を認識させられたのです。

「知っている曲が多くてノれたから感慨深い~」とかいう浅い理由じゃなく、自分のロック愛の原点をピンポイントで突き刺されたからこそ、今回のイベントが最高にロックで最強なフェスだったと強く思えました。

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こんなに素晴らしいイベントが第2回、第3回……と続いていくことを願ってやみません。
スタンディングで体を自由に動かし、声を出してレスポンスできるような形で帰ってきてくれたらなお良しです。

その時は、みんなで今回のTシャツを着て行って(あなたもここに来てたんですね…)とお互い感慨深くなるっていう「フェスあるある」をやりたいものですね。

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