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からむし織の里

からむし(苧麻)栽培をして糸作りをしているところがあるという事で3月に、はたまた糸の勉強をしに行ってきた。
その場所は福島県大沼郡昭和村。


ネットで情報を知らべたら
道の駅からむし織の里しょうわからむしワークショップを行っており糸作り体験できたようだがコロナの影響で今は休止していた。
さてどうするか・・・道の駅に問い合わせると近くにあるゲストハウス”とある宿”さんでワークショップをやっているとの事。早速連絡した。
講師の方の予定がうまい具合に空いており予約を取り付けることができた。


聞くところによると昭和村は豪雪地帯
前日は栃木県那須塩原で用事がありそこからレンタカーで宿泊先の会津田島まで走る。レンタカーは4WD+スタッドレスタイヤ装備だ。
その日の午後、那須塩原を出てから山手に差し掛かるころ雪が舞ってきた。天気予報は晴れだったはずだが・・。国道121号線沿い道の駅たじまで小休止したら駐車場の周りは結構な雪だった。このところ晴天続きだからまあ道は大丈夫だろうと思い宿へと向かった。

道の駅たじま

会津田島の町はまあまあの積雪。地元の人によれば「2月あまり降らなかったから今は少ないよ」との事。例年どおり降ってればなかなか厳しかったかもしれない。

会津田島
路肩には雪


安心の面持ちで迎えた翌日

国道400号線を昭和村へと向かう。
あたりは真っ白だが道路に雪はない。

田島ダム周辺に差し掛かるころは会津田島に増して雪雪雪・・・。
新しくできたバイパスのトンネルを抜ければさらに雪雪雪・・・。

路面が怪しくなってきた
とある県道との分岐付近
路面も雪で覆われる


今回も2名で勉強だ。自分は助手席の人だったので撮影に専念。おかげで雪道を走る楽しさ(?)は味わえなかった。




ようやくたどり着いた”とある宿”
帰りの飛行機の予定がタイトなのでゆっくりはできない。道中の積雪話もそこそこにワークショップをお願いした。

午前8時半 とある宿到着
天気はどんより

からむし糸作り
からむし(苧麻)の茎から繊維を採って乾かしたものを細く裂いてつなげて撚りをかけて糸にする。
文字で書けば簡単だが実際の作業はなかなか根気のいる手仕事だった。

ワークショップの始まり始まり
用意してくれている繊維(からむしから取り出し乾燥させたもの)を3等分にし手に巻き取ってからはずして小分けにする。
これは水に漬けやすくするためだ。
水に漬けたのち余分な水分を取ってから繊維を爪で細く裂いて行く。
からむしの気持ちになって裂くときれいにできるそうなのだが、素人初心者にはからむしの気持ちがわからない・・。

繊維を小分けにして丸める
丸めた繊維を水の入ったお椀に入れる
タオルで余分な水分を取って・・
細く裂いた繊維を木のY字部分に引っかけていく
裂いた繊維を一旦まとめる
桶から出ているところが茎の根っこ側

ワークショップ開始から1時間ほど、やっと小さい一束の繊維を細く裂くことができた。さてここからが本番。
繊維1本の長さは大体70~80cmくらい、これを順番につなげて長い”糸”にするその作業を績む(うむ)と言う。
つなぎ方はややこしいのでここでは割愛するが、なかなか手が言う事を聞かない・・・。何回も何回もやって脳みそに新しい回路をつくる。
先生のレベルには100万年早いが、なんとかかんとか形にはなる。
出来なかったことができるようになるのは快感だ。
先生曰く、やればやるほどつなぎ目がきれいにできて糸としては良くなるのだが太い細いのある”味”のある糸からは遠くなるそうで、わざと変化をつけるのだが、やっぱり初めの頃の糸の”味”とはまた違うものだ・・と。
でこぼこの糸の出来栄えにフォローをいただく・・。

エプロン紐に繊維の根っこ部分を挟み
先の方を桶で固定してから繊維を1本づつ取って績んでいく

昼食をはさんで糸績み約3時間
ばらばらの繊維が一本の糸になった。
績んだ糸は”おぼけ”と言われる高さ直径30cmくらいの桶に入れていく。
この桶4杯でだいたい着物1反が織れる。着物ができるまでの気の遠くなる作業を今も昭和村で行っている人たちがいる。本当にすごいことだ。

”おぼけ”と言われる桶に績んだ糸を入れていく
糸だわ・・
地元やまか食堂さんのソースカツ丼
これで普通盛り
決して大盛りではない
最近ではあまり見かけなくなったオカモチが良い

作業はまだ終わらない
つながった糸に撚りをかけて完成する。
昔々時代劇で見たことのあるような糸車のお出ましである。回すと”ぶんぶん”音がするので先生は”ぶんぶん”と呼んでいた。そのままやんか・・・。
はて、正式名称はなんだっけ?

ここでもう一度糸を水で湿らせる。湿らせた状態で撚り(左回り)をかけていく。
右手で糸車を回し、左手で糸をもって撚りを感じ、右足の指で糸の行き先をコントロールする。普段やらない体制で手足使って糸を撚る。
先生はいとも簡単にやりながら説明するが我々はうまくできずに四苦八苦する。

”おおぼ”けから糸を移して水で湿らせる
糸撚り車をセッティング
糸が絡まないようにおもりを入れる
これで役にたつんだ・・
糸に撚りをかけては巻き取る作業
詳細は文字では説明できない・・
糸道を足の指で挟んでかかとを支点にコントロール
足つりそうになる
右手で糸撚り車を回し
左手で糸を持つ

無事績んだ糸に撚りをかけ終わることができた。
糸が湿っているので糸車に巻き取って乾燥させて完成となる。

糸車に巻き直して乾燥させる
ストーブがいい感じ
持ち帰り用の板に巻いて完了

まだまだ話をしたいのはやまやまだったが、飛行機の時間が迫っているで出発しなければならない・・。
途中宿の中を案内してもらったり裏の神社の話をきかせてもらったり、とても貴重な体験をさせてもらいました。
ありがとうございました。

立派な神棚
玄関の様子
お宿裏の神社の鳥居
半分雪で埋もれてる


午後、天気は回復して快晴となった。
雪と空のコントラストが素晴らしい昭和村を後にした。

いい天気だ
昭和村を通る国道400号線
旧喰丸小学校によりみち


そして無事フライト時間の1時間前には福島空港到着。
福島空港周辺に雪は全くなし。
ほんの100kmほどで別世界な日本。

福岡空港レンタカー返却場所


この後、機上の人となって伊丹空港まで・・。
今回も良い体験させてもらいました。


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