バッドエンドの就職活動

 僕は今、大学四年生の就活生だ。厳密に言えば、就活生だった。
 結果から先に言うと、第一志望には落ちた。

お祈りメールとともに僕の就職活動は幕を閉じた。まさにバッドエンドの就職活動だった。どちらかと言えば、楽観思考の自分でもその日は少し気分が下がって、コンビニで缶ビールとチャミスルを買って何も考えず欲望そのままに呑んだ。

就職活動の辛いところは、なぜ落とされたのか説明してくれないところ、そして、たった15分の面接で自分の22年間の人生を否定された気持ちになるところだ。

お酒を飲みながら、自分の人生をもう一度振り返った。
”やっぱり好きだな、僕の人生”
素直にそう思えたことが嬉しかった。

家族に愛されて甘やかされて育った幼少期。
プロ野球選手になると確信していた小学生。
好きな人以外の全てに対して反抗していた中学生。
将来の夢なんて捨ててしまった高校生。
個性的なことがしたいと飢えていた大学生。

魅力的な出来事なんてなにも無い。面接で興味を引くような話題なんてほとんどない僕のこれまで。それでもその時その時を自分を表現したくて大切に生きていたこの人生は、やっぱり好き。

あの面接官には届かなかったけど、自分は自分のこのくだらないストーリを抱きしめていこう。

ほとんどのドラマは、不幸なことから紆余曲折を経て、ハッピーエンドになっていくものでしょ。


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