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かりぬい

かりぬい (仮縫い)
…服を仕立てるうえで、本縫いの前に出来上がりと同じように、しつけ糸で仮に縫い上げること。

初めまして
鷺森  アグリです
"求愛"をコンセプトに人の感情へアプローチしながらさまざまな物作りを手がけています
ここ数年は作品が多岐に渡っていて、完成品を見せるだけでは混乱させることも多く、作品同士の繋がりが見えるようなものが必要かなとおもい始めました
と言いつつも、自分のパーツを自分で撫でたいという気持ちが大きいのです
日記帳に書く記憶よりも少しだけ外側のお話です

私は完成品を世の中に発表することを生業にしていますが、
私が愛している欠片はいつだって完成するまでの過程にありました
作り抜くまでは、私の拙い言葉で作品の可能性を制限することを恐れて断定しないように意識していますが、
ふと最近、制作過程で動いた心のグラデーションの中で見つけたものは何歳になっても大事にしていることに気づきました
言葉は不得意ですが形に残らないものを少しずつ掬い取っていければとおもいます

お洋服から始まった私のクリエイションの旅
プロダクトになる前のかりぬいは、まだまだいかようにもなる一番自由な時間でした
お洋服の形になったかりぬいトワルに鋏を入れながら、フレアを足したり、ギャザーを増やしたり、1-2mmずらしただけでシャープに見えるシルエットを掴んだり、切り替え線を入れてみたり、レースを挟み込んだり、ドレープがでる素材を入れてみたり、模様を描き入れてみたり、全然うまくいかなくって全てやめることだって選べる時間です

トワルに鋏を入れている

全ては(仮)のお話
不確実で儚いものしかありませんが
私だけの遊び場をちらりと覗き見してください

前シーズンでのドレスとシャツを解体して、ドレスに作り替えているピン打ちのトワル


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