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のんびり地学基礎 #22 火成岩①[深成岩・火山岩]

火成岩とは、
マグマが冷えて固まった岩石
のことでしたね。

今回は、
マグマの固まり方の違いで
2つに分類します。

①、深成岩しんせいがん


マグマが地下深くで
ゆっくりゆっくり冷えて
固まった火成岩を
深成岩といいます。

え!?
マグマって地下深くで
固まるんですね?
地球の中では
永遠にどろどろで
存在してるものかと、、、


マグマが冷え固まる時に、
結晶がちらほらできてゆきます。

ゆっくり冷える場合、
冷えるまでにたっぷり時間があるので
どの結晶たちも同じように成長できます。

こうしてできた深成岩は、
ほぼ同じ大きさのさまざまな鉱物が
隙間なく並んだ組織になります。

このように
等しく成長した結晶同士が
組み合わさった組織を
等粒状組織とうりゅうじょうそしきと言います。


②、火山岩かざんがん


マグマが火口近くで
急激に冷えたものや、
地表近くの浅い場所で
早くに冷えて固まった火成岩を
火山岩といいます。

すぐに冷えてしまうので、
結晶が大きくなる時間がありません。
そうすると
細かい結晶やガラス質で構成される
石基せっきという部分ができます。

石基の中に、
マグマだまりなどで結晶になった
粗めの粒( 斑晶はんしょう )
ところどころに入ってきます。

このように、斑晶の周りを
石基が取り囲んでいる状態を
斑状組織はんじょうそしきと言います。

マグマって何でしたっけ?

マグマは、、、、
そうそう、
マントル(かんらん岩)がどろどろに
溶けたものでした。

冷えるとまた岩石に戻る。

卵が先かひよこが先か、
みたいな話ですね。

マグマはかんらん岩が
溶けたものって言いますが、
岩石が溶けるって
イメージがわきにくいですよね。

岩石が融けるとは?

岩石が溶けるのは、
ロウソクやチョコレートが、
熱で融けだした状態に
似ています。
英語では「melt」ですね。
全部が融けるのではなく、
氷の融けていく様子が
しっくりくるかもしれません。
表面がぬるっと融けたものが
マグマになります。

コーヒーに角砂糖を入れると
溶ける、というような状態
「dissolve」ではありません。

素朴な疑問ですが、、、

マグマと溶岩って同じもの?

マグマと溶岩、
日本語と英語の名前の違い、
だと思っていませんか?

実は、かなり多く方が
勘違いしているそうです。

マグマとは、
地球の内部で
岩石が溶けている状態
です。

火山の噴火で流れ出て、
まだ流体であれば
それもマグマと呼びます。
必ず溶けている状態です。

時間が経って
固まってしまったら
マグマじゃありません。
溶岩です。
または火山岩ですね。

てことは、溶岩とは
マグマが固まったもの??

それだけじゃありません。

マグマが地表に現れたもの全般
を、溶岩と呼んでいます。

火口に溜まっているマグマも
溢れて流れだしたマグマも
地表に顔を出しているので
液体でも溶岩と呼びます。

なので、
「地下の溶岩」とか
「地球内部の溶岩」
という表現は間違いなのです。


ちなみに、
マグマが流れるときに、
完全にバラバラにならないもの

溶岩
と呼びます。
なので、噴火で粉々になって
空気や水などと混じり合って
移動したもの(火砕流も含む)
堆積岩の分類の、
火山砕屑岩、火砕岩です。

どうもややこしいですね(^^;)


次回は、
火成岩の性質の違いで
細かく分類していきます。
「火成岩②」です。

謝辞~星屑の子供たちへ~

人類は地下深くには潜れないので、地球内部がどのようになっているか見たことがありません。しかし私たちは、地下に何があるのかを知る手掛かりの一つとして、地表に現れたさまざまな岩石の状態を調べ、予測し、理解することができます。岩石さん、いろんな情報をありがとう。

Geo Radio「のんびり地学基礎#22「火成岩①」


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