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注文の多い料理店(前編)

宮沢賢治
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青空文庫より、
宮沢賢治の「注文の多い料理店」
を2回に分けて読みました。
その前編です。

《ふわっとあらすじ》

2人の若い紳士が、
猟をするために山へ入りました。
そこはかなり深い山奥で、
案内の猟師とは
迷っているうちにはぐれてしまい、
互いに連れていた白熊のような犬も
泡を吹いて死んでしまいました。

しかも、
獣も鳥も一匹もおらず
収獲は全くありません。
2人はお腹がすきました。
もう帰ることにしましたが、
帰り道が分かりません。

ふと後ろを見ますと
山猫軒という立派な西洋造りの
レストランが建っていました。

これで食事にありつけます。
2人は喜んで中に入りました。

しかし、そのお店は
案内の看板や家の造りが、
少し奇妙でした。

扉を開けても進むと次の扉、
そしてまた扉、といった風です。
そして、かかっている看板は
扉の前にも後にもありました。

まず、玄関の看板には
「注文の多い料理店ですから
ご承知おきください。」とありました。
2人はこのお店が大変流行っていて
支度に手間取るのだろうと話しました。

各扉の看板の内容は
なんとも不思議なものでした。
「ここで髪をとかして、
靴を綺麗にして下さい」やら
「鉄砲と弾をここに置いて下さい」やら。

2人は、
よほどえらい客が来ているのだと思い
扉を進むたびにある看板の指示通り、
帽子も外套も靴も脱ぎ
財布や眼鏡、カフスボタンも
金庫の中へしまいました。


《語句解説》

イギリスの兵隊
   のかたち:帽子と外套に猟銃を持った
        いでたちのことか。
二千四百円、
二千八百円:当時の二百万~三百万程度なことから
      2人は大げさに言ったと思われる。
十円:大正時代の1円は現在の1080円程度。
   一万円ほど買って帰るつもりだということ。
山鳥:キジ科の日本特産の鳥。
白い瀬戸の煉瓦:煉瓦のように長方形をした
        磁器のタイルのことか。
髪をけずる:髪をくしでとかす。
帯革:獣の皮で作った帯。
金気:金属類。金物類。
下女:雑事に召し使う女。女中。


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音声配信アプリstand.fmにて、
「しんいち情報局(仮)」の
「朗読しんいち」を
担当させていただいています。

しんいち情報局(仮)
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