画像1

おにぎりの味

中谷宇吉郎
00:00 | 00:00
青空文庫より、
中谷宇吉郎の「おにぎりの味」
を読みました。

《ふわっとあらすじ》

おにぎりの思い出。

北陸の片田舎で育った私にとって
おにぎりはかかせないものだった。

学校のお弁当には
梅干し入りの、
とろろ昆布でくるんだ
大きなおにぎりなどを
持たされたものだった。

しかし
一番のおにぎりの思い出は
ご飯を炊いたときにできる
お焦げで作ったおにぎりである。

女中が朝早くから、
大きな釜でご飯を炊き上げる。
私と弟は時々、
お焦げのおにぎりが欲しくて
女中のいるかまどの部屋にいく。

炊きあがったばかりのご飯を
釜からおひつに移すと
お焦げが底に残る。

そこへ塩をバラっと振って
しゃもじでこそげ取り、
無造作に小さく握って
私たちにくれるのだ。

50年前のおにぎりの思い出だが、
その後大人になっても
これ以上の温かく健やかな食べ物は
他にはないように思われる。

都会で育った私の子供たちには
とうてい分からないだろう。


《語句解説》
紺絣:紺地に白を主体として
   かすり模様を織り出した綿織物。
筒っぽ:和服で袂がない筒型の袖。
粗朶(そだ):薪に用いる木の枝。
リアライズ:現実化すること。


~・~・~・~・~・~・~

音声配信アプリstand.fmにて、
「しんいち情報局(仮)」の
「朗読しんいち」を
担当させていただいています。

しんいち情報局(仮)
広島県福山市新市町の情報をお届け!
https://stand.fm/channels/623f0c287cd2c74328e40149

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?