見出し画像

各部品の重量バランス取り

エピソード16

令和3年3月

腰下のパーツの重量バランスを取っていきます
バランス取りするのは
ピストン
ピストンピン
コンロッドです

4気筒なので4つのパーツの重量を揃える事により、バランス良くなりスムーズにエンジンが回ると言う事です
4つのパーツを計測し1番軽い物に他を揃えます

ピストンは合わすピストンピンと一緒に計測して、削るのは裏側のピンボス部分の強度に影響の無い所を削っていきます


コンロッドは使う予定のボルトとナットを一緒に測るのはもちろんですが、大端部と小端部を個別に重量合わせします

まずコンロッドキャップを測り、これも1番軽いやつに重量を合わせて削ります


小端部をフリー状態で固定して、治具を挟んで重量を合わせたコンロッドキャップを締め付けて、治具の先端がはかりのセンターのマーキングの同じ位置にあるか確認してから測ります
削って合わせるのは大端部側です


最後に全体で測って今度は小端部を削って合わせます

この方法は私のやり方です
①が合ってると②の計測差は①以外の大端部の重量差です
②を合わすと③の計測差は小端部の重量差と言う事になると思います
③まで合わすとコンロッド(ボルト,ナットを含めた)の重量はもちろん、大端部と小端部も大体合ってるという事です
はかりのテープのマークや貼り付けたガイドははかりの真ん中に計量物の重心を持ってきて同じ位置で測る為の物です


コンロッドキャップ

軽量目的ではなく、あくまで重量合わせですからこの程度の研磨です
巣穴も残ってます
軽量目的なら贅肉を切削して研磨し、凸凹や巣穴を取り除き、角をRにし鏡面までします
なぜかというと応力集中を回避し強度を出す為です

小端部はオイル穴を加工してます
これは少しでもオイルを受け取る為です
ちなみにこれは1番軽いやつなので削ってない物です

ZZR600のコンロッドは最大で4g程の重量差がありました
ほぼ大端部です。コンロッドキャップは形その物が目で見て分かるくらい違いました

昔の4輪のエンジンなんかは10g近く違うのはざらでした
しかしシビックのEF3が登場しZCエンジンを開けた時には重量差が物凄く少ない事に驚き、ホンダの凄さにびっくりした物です
きっとホンダのスーパースポーツのエンジンも凄い事になってると思います
今のカワサキのスーパースポーツのエンジンは分かりませんがZZRやZRXのエンジンはまだまだです(笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?