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ハイカムとバルブタイミング

エピソード23

令和3年4月

ヘッドを乗せ終わりトラブルも復旧できたのでバルブタイミングを取って行きます
(トラブルの内容はエピソード22で)

実はZZR600のカムを乗せるのとバルタイをとる為には重要な作業が有ります



一つはZZR600カムはリフト量がZRXに比べてハイリフトなのと、ほんの少し1気筒内のカム山どうしが広いので、ヘッドに干渉する部分が有るので削らなければいけません

IN側のカムの角がリフターを押し下げた時に丸の部分に当たります
ほんの少しかする程度です
私の場合は16ヶ所のうち、4ヶ所かすりました
しかし、材質により膨張率が違うので全て削って対策しました
写真は対策後の物です

もちろん逃げ加工は前もってやってます


後1つはバルタイを取る為に、カムスプロケットの取り付け穴を長穴加工する事です
長穴加工する事によりバルタイを変える事が出来るようになります
308° 292°のハイカムなのでバルタイをいじらない手は無いです
トヨタ伝統のサンマルヨン、ニーパッパよりも大きいカムです🤩

ネットの拾い画

長穴の大きさはネットでたまに見かける上の写真のようなカムチェーン3コマ分程もいりません
ノーマル位置から前後に1コマずつ調整幅を持たそうと言う考えだと思うんですが、チェーンを掛け直せばいいだけなので1.5コマちょっと有ればOKです

しかし、スプロケの予備が沢山あるのとチェーンを掛け直すのが面倒くさいので最初は3コマ分の長穴加工したスプロケを組みました

慣らしが終わりバルタイが煮詰まれば、ヘッドボルトの増し締めと同時にスプロケも交換します

Q    なぜスプロケットを交換するの?
     広い長穴が便利だしいいじゃん?

A    それはNGです

理由はスプロケが2本のボルトで止まっているからです
最低でも4本は欲しいです
4輪でアフターパーツのスライドスプロケなど8本ボルトの物も有るくらいです

と言うのもオーバーレブしてしまった時に (シフトダウン時のレブ) ボルトが緩みバルブを突くのが怖いからです

ですから私はバルタイが決まるとカムチェーンの回転方向とは逆側にドン付けで固定できるようにスプロケを新たに加工します(ドン付け出来なければ最小で)
ヘッドの高さが変わっているのでバルタイ調整は必須です

自作ロッド

コンパクトなエンジンなのでバルタイを調整するのは非常に困難です
自作のロッドを使いカムの隙間を狙い、何回もダイヤルゲージを据え変えます
しかもスプロケのボルトが狭い所に有るので、バルタイが決まってボルトを締めたら、1つ外してネジロックを塗り、アダプターを使いトルクレンチ、それからもう1つを外してネジロック、トルクレンチと言う具合で面倒くさいです


以前の記事で紹介したZZR600のバルタイのデータがありましたのでZZR600のノーマルバルタイを基準に始めました
最初はオーバーラップを広めに取って乗せましたが、慣らしが終わって試走したら、欲張り過ぎて下が無くなったので最終的に決めたバルタイで削った物はこれです

約1mmずつの拡大です
実際はドン付けにならず、少し空く事になりましたが、緩んで滑ってもブローしない対策です

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