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FCRキャブセッティング

エピソード27

令和3年5月

慣らしが終わったのでキャブのセットです
慣らしはマージンを見て、MJを去年の夏のセットより5番濃い170番でやったんですが
全開で1万回した時、空燃比11.5でした
かなりポートを広げた上に気温も去年の夏より低いのにMJが大幅に下がりそうです
これは流速が上がったと言う事です

キャブの口径を大きくすると流速が落ちるのでジェットは大きくしなければいけません
口径を小さくするとジェットは小さくなります
ジェットの大きさとパワーは比例しません
SNS等でMJが俺の方が大きいからパワーが出てるかのように自慢する人がいますが間違いです

MJは大きすぎても小さすぎてもダメです
最適な空燃比にしなければいけません


メーターを見ながら全開走行は怖いので、使わなくなったスマホをハンドルに括り付けてA/F計を動画撮影です(笑)

空燃比とエンジン回転をデータロガーで記録してパソコンで確認するようになるのはまだ先の話です

MJは全開時にA/F計を見れば、1発で決まります
今回は私が狙う空燃比の13.5には#140で決まりました
チューン前の79馬力の夏期セットは#165だったので期待が持てます

FCRの同調ですが、FCRのマニュアルには2通りの方法が書いてあり、1つはスロットルバルブの開き具合で合わすように指示されています
しかし、疑問が湧きます
エアスクリューの開き具合や各気筒の圧縮圧力の違い、その他様々な要因にてバキュームゲージの数値は変わります

たとえばエアスクリューをいじるとバキュームゲージの数値は変わります
つまり、エアスクリューの開き具合がバラバラなら (目視で開く回転を合わせてもスクリューの変形や穴の詰まりがある)
それで同調を取るとスロットルバルブの開き具合がバラバラになると言う事です

と言う事はアクセル開度がアイドリング域を離れた後、空気の吸い込み量が多少は変わると言う事です

ですから私はキャブを取り付け前にテーパーゲージでスロットルバルブの同調を取り、エンジンに付けた後はスロットルバルブの調整は一切しません

1目盛0.1mmです

スロットルを固定して全て同じ所で測ります
1目盛が0.1mmなので写真を撮ると0.03mmぐらいまでの精度で調整できます

バキュームゲージを付けての吸気の同調はエアスクリューで行います
もちろんA/F計を見ながらアクセルのツキが良くなるようにセットします

よくSNS等でFCRの同調がすぐ狂うとか言うのを見ますが、スロットルバルブが動いて狂うのでは無く振動でエアスクリューが動いたか、大概は自分で調整の為にエアスクリューを触ってると思います

昔の4輪のソレックスやウェーバーの時代は走ってると振動でスローが狂うのは良く有る事でした
もちろん各バタフライの開き具合の同調を取ってからスクリューで吸入の同調を取るのは言うまでもありません

今回、初めてエンジンに火を入れた後にA/F計を見ながらアクセルのツキが良い所でスクリューを大体合わせてます
SJの変更は無しでいけました
バキュームゲージでの微調整はヘッドの増し締めをする時にまとめて行います

最後にニードルのセットですが1番やっかいです
最初の頃、FCRのスロットル開度の特性を知らずに難儀しました

ニードルのストレート径の変化領域、クリップ段数で変化する領域、テーパー角度で変化する領域がデータを取ってグラフにしても変更箇所と思った結果にズレが有りました

FCRはスロットル開度とスライドバルブの開度が比例していません
観察力が足りませんでした
スロットルを開けて行くと最初はゆっくり開き途中から開くスピードが早くなります
つまり半分開けてもまだ1/3位しか開いてない状態で2/3ぐらいで半分、そこから一気に全開になります

これが分かればこっちの物です
しかし、欲しいニードルの在庫が無いとか、定番ラインナップ以外は注文は20本からで納期が3ヶ月とかでは話しになりません
そこで4輪でFCRをやってるショップからニードルを沢山借りてきました
定番ラインナップ以外のニードルも数種類借りて来てのセットです

定番ラインナップ以外のニードル

インジェクションのような完璧な燃調は無理ですがある程度満足の行くセットは出ました

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