【詩】御用始め

台風の目を抜け雨風は激しく吹き過ぎ
つかの間の静寂に羽を休めてゐた鳥たちは
いざゆかんと暴風雨の空に飛び立ち
凪いだ海で尾ひれを休めてゐた魚たちは
激しく寄せては引く時化に立ち向かひ
台風の備へに追はれた人ゝは
まだ癒へぬ骨を折りにゆかん