【詩】豆

あの小さな豆が持ち上げられない石のやうに
無限の質量を秘めてゐるかのやうに見へ
あの一粒の豆には 生命の神秘が濃縮され
核爆弾にも似たエネルギーを宿してゐる
あのみなぎる生命力に何故か畏怖の念を抱き
豆を恐れる鬼の気持ちがわかる気がする
豆爆弾に濃縮されたエネルギーは膨張して
今にも核爆発を起こしさうに昂つてゐた
土に埋めたなら 天まで届く木になりさうだ