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「君たちはどう生きるか」を見てきた

なにも初日の朝一番の回に行かなくてもよかったのだが、たまたま身体があいており、皮膚科でも行くか、くらいの感じだった中「そういや今日からだったな」と布団の中で調べてみると、朝の回は少し安いし席もわりと残っていて快適そうだったので、その場でチケットを購入、風呂に入って劇場へ向かったのだった。便利な世の中になったものだ。

以前もここに書いたと思うが、私はあまり映画を見ない、だいたい予告編を見て嫌になるからだ。最近はとくに予告編の最後に必ずと言っていいほど挿入される「ここ笑うところですよー」的なコメディタッチだけど全然面白いわけではないシーンがとってもムカツクお年頃なので、もう本当に見ない、おまえらがそれをやめるまで俺は映画を見ない!とさえ思っていた。

が、ここへきて大仁田厚ばりにすぐ引退宣言をするでおなじみの宮崎駿監督の最新作が、全然宣伝をしない、どんな内容なのかまるでわからない、といった方針をとったので、私としてはこれに賛意を示すためにも見に行くしかない。

とか書くと、別に好きでもないのに見に行ったみたいだが、そんなことはなく、わー!ジブリ大好き!猫バス乗りたい!、みたいな人は嫌いだが、ジブリそのものはわりと好きなので(猫バスは痒くなりそうなので乗りたくない)、わりと見に行っていたりする。

で、せっかく駿が内緒にしていたのに細かい内容をここに記すのは野暮だと思うのでよすが、感想を書こうと思います。一言で書くと、ちゃんと宮崎アニメだった。

吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」は子供の頃に読んだ。塾の国語の先生に読まされた、というのが正しいか。そういえばあの先生は元気だろうか、たぶん宮崎駿と同じくらいの年齢なのではなかろうか、そこらへんの年代に爆発的にヒットした本だと聞いているし、名作なんだと思う。そしてそれらの人々に影響を与えた本であり、宮﨑駿もあの国語の先生と同様に、若い者たちにこれを伝えたかったのではないだろうか。

お気付きかと思うが、今、私は、宮﨑と書くか、宮崎と書くか迷っている。結果、表記をわざと揺らしている。検索してもどっちも正解のようで、ネットの記事でほどんとがそうなっている宮崎でいいようにも思うのだが、なんかさっき見たスタッフロールで宮﨑と書いてあったような気がしてならないのだ。まあそんなわけで、ここからは適当に書くのであまり気にしないでいただきたい。

で、宮﨑アニメだったとはどういうことなのかというと。特にもののけ姫以降くらいから、宮崎駿の作品は、絵と演出とキャラクターで楽しく最後まで見れるし、なにが起きているのかもはっきりわかるし、ストーリーもつかめるのだけど、よく考えてみると、よくわかんない理解不能なことが大量に含まれていると思うのですよ。え?子供も楽しめている作品たちが理解できないの?バカなんじゃない?、と思われた方は「おめえはそれでいいや(アントニオ猪木が中西学に言い放った言い方で)」なんで、それでいいんですけど、まあ、ぶっちゃけた話、全然意味わかんないところあるじゃないですか、特にポニョとか千と千尋とか。わかんないのが面白いし、じゃあ何も残ってないかというと何かが残っているし、そういう簡単に言葉にできないことを伝えたくてあんな作るのが面倒くさいアニメーションなるものを作っているんだと思うわけです。そういった意味で今回も完全なる宮崎アニメでした、そしてもちろん子供も楽しめそうな作品でした。

今度こそ本当に引退するのかなあ。年齢も年齢だし、正直見終わって、これって世界中の子どもたちへの遺書なのかなあ、と少しだけ思いましたね。とか思わせておいてまた新作作っちゃうのが宮崎駿な気もしますが。

吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」にインスパイアされたというだけで、スタッフロールには「原作・脚本・監督 宮﨑駿」と書いてあったので、関係ないっちゃ関係ないんですが、吉野源三郎のほうを読み直してみようかなあ、何にも覚えてないし、と思いました。

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