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おやすみプンプンを読み返して思ったこと

浅野いにおの「おやすみプンプン」が七夕1日限定で無料公開されていた。なんやかんやあって9日までに延長されたようなのだけど、まあその告知で作者本人が「甘酸っぱい青春ラブストーリー」などと書いており、いやいやそんなんじゃなかったでしょ、めっちゃハードなやつだったでしょ、豪快に嘘ついたなーおもれー、と思って。なんとなく、最終話とか、あと鹿児島らへんのところとか、ちょこちょこつまんで読んでいたら、ちゃんと読みたくなってきて、全部読んだ結果「なにか書かなきゃ!」という気持ちになったので、noteを開いて書き始めたのだけど、そんなことしてる暇があるなら9月の公演の脚本書けよ!俺!いや、今書いちゃダメだろ!(うちの劇団は愉快で楽しい気軽に見れる演劇をやる団体なので)というわけで、やっぱり思ったことなどをnoteに書こうと思う。

実はうちに全巻あるのでいつでも読めるっちゃ読めるはずなのだけど、はっきりいってどこにあるのかわからない。1巻のTシャツ付き限定版のシャツの箱だけ発見できたので、それの写真だけ載せておきます(記事の一番上)。

当時、1巻から最終巻まで全て発売日に買っていた。プンプンどうなっちゃうのよ、と思いながら、何年かかけて読み続けて、ラストを読んだ時に、これはすごい漫画だ、と思ったことは確かなのだが、すぐに全巻読み返すということはできなかった。しんどくて。でも、そのうち読み返すつもりで、全巻セットにして袋につめたところまでは覚えているのだが、その後友達に貸したんだか、どこか普段は開けない押入れとかに収納したんだか。友達には貸してくれと言われていたけど、そいつはあんまり好きじゃなさそうだな、つまんなかったとか言われたら嫌だな、と思って結局貸してないような気がする。

まあそんなおやすみプンプンをあれからだいぶ経った今読んで思ったのは。もしかしたら、これは、作者はマジで青春ラブストーリーを描いたつもりなのかもしれないということだった。青春ラブストーリーと聞いて一般的に想像するであろう話では絶対にないのだけど、「青春ラブストーリーを描いてみよう」と思った浅野いにおが真剣に考えたらこうなった、ということはありえるのではないか、という意味で。あと、それこそが作家性というやつなんじゃないか、とも思った。

さまざまな伏線も綺麗に回収されたりするし、物語の進め方も巧みなので、わりと王道な感じで評価されたりもするんだろうけど、本当にやりたいことはそこじゃないのだろう、もしくはそこだけじゃないのだろう。登場人物の南条幸の葛藤のその先をやっているのがこの作品なんだろうし。

プンプンに感情移入するのがキツすぎるおかげで、最終的にはこれを描こうと思った浅野いにおに感情移入して読んでいたような気がするので、感想としてはだいぶズレているとは思うが、個人的には、自分は自分が見たい芝居を作りたくて脚本を書いているしずっとそれを追いかけるんだろうな、とか思えたので、なんか不思議な感覚だった。

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