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咸肉菜飯(塩漬け肉と青菜の炊き込みご飯)の構造

前回の記事で触れた「咸肉(中国式塩漬け肉)」のレシピとしてもっともポピュラーっぽいのが「咸肉菜飯」である。タイトルのとおり咸肉と青梗菜を炊き込みご飯にしたものだが、咸肉のうまみが青梗菜とご飯に染み込んで大層美味しいと言われている。

料理の構成要素

最低限必要なもの
・咸肉
・青梗菜
・生米

好みによって入れたり入れなかったりする
・生姜
※肉の臭みを消す&香りづけのために入れるという。塩漬けにしている段階で十分臭みは消えているように思うのでなくてもいいかなと思った。入れる場合は、肉を炒める工程の前に油で炒めて香りを出す。

・塩
※咸肉の塩加減による。基本的には炊いたあとに塩気を見て足りなかったら入れるぐらいでいいのではないかと思う

・広東式香腸(广式腊肠)
※中国式のソーセージのようなもの。日本では手に入りづらいことこの上ないので省くが、現地系レシピサイトだとたまに入っている

構成要素の比率

中国のレシピサイトを見ると「適量」としか書いていないことがしばしばあり、このレシピも例外ではない。「適量」がわからんからレシピを見に来とるんやろがい、と思う。

そんな中で数少なく書いていたものを見つけると以下のような記載例があった。

<記載例1>
青梗菜 150グラム
咸肉 70グラム
米 2杯(2杯ってなんやねん)
https://m.meishij.net/html5/zuofa/shanghaixianroucaifan.html

<記載例2>
青梗菜 500グラム
咸肉 300グラム
米 3杯(3杯ってなんやねん)
https://www.xiachufang.com/recipe/104187337/

中国レシピを見ていると米に対して「杯」という単位が出てくる。これはいろいろ調べたところ140~180グラムぐらいのことらしい。だいたい1合と考えてもよさそうだ。

青梗菜:咸肉=だいたい2:1の関係にあるが米に対しての比率が2つのレシピでだいぶ違う。具材の存在感を大事にするなら少し米を少なめにしてもよさそうだ。

実際に私が作った比率としては、青梗菜:130グラム、咸肉:70グラムぐらい、生米:1.5合で作っている。 

料理の流れ

咸肉菜飯、きわめてシンプルな料理であるがネットのレシピを調べていくとどうも2通りのやり方があるように思う。「米を炒めるのか炒めないのか」である。
日本人で作ってみた人のブログを参照すると米を炒めている人が多いが、中国のレシピサイトなどを見ると米は炒めていない。途中までの流れは以下共通である。

<基本の流れ>
(下準備パート)

1.咸肉はさいの目状に切る。(カルボナーラに入っているサイズぐらいのイメージ)
2.青梗菜もさいの目状に切る
3.米を洗って水切りする
(調理パート)
4.フライパンで咸肉を炒める
5.咸肉が少し透き通ってきたら、青梗菜を加えサッとだけ炒める
※「青梗菜をあまり炒めすぎない」と全レシピ共通で書いているのでここは大事っぽい

ここから2つのルートがある。

(米炒めるルート)
6.生米を一緒に炒める
7.炊飯器に入れて水を入れ、あとは普通に炊飯

(米炒めないルート)
6.炊飯器に米&水を入れておく
7.炒めた咸肉と青梗菜を上から乗せ、あとは炊く

どちらがよいのだろうか?

米を炒めることのメリットは、(おそらくだが)ピラフなどと同様パラっとした仕上がりになることが考えられる。また、肉と青菜とお米がよく馴染みそうな気もする。反面、炒めるのに時間がかかると青梗菜がしんなりしてしまいそうなのでやるとしてもサッと炒める程度ではなかろうか。

米を炒めない方が簡単ではあるが、サッと炒める程度であれば影響なさそうと考え肉と青菜とお米を炒めて作ってみることにした。

炒めた後は炊飯器に入れ、1.5合分の水だとやや少なそうだったので水は2合分で炊いてみた。

完成!!!!

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しかし、これが

全然味がしないのである!!!!!!

ここまで理論的に完璧な作り方をしたように思ったが、全然味がしない。なお、他の料理は味がするのでコロナではない。

期待値が高すぎたのかもしれない。言われてみればベーコンと野菜と米を味付け無しで炊いているようなものなので、ご飯にどのタイミングで味がつくのかよくわからないというのはある。

ちょっと塩を足してみたところ一応塩味はついたが、別にそういうものが食べたかったわけではないのである。それなら塩にぎりでよい。

可能性としてはいくつかある。

・咸肉が自家製なので熟成度が足りず、通常の咸肉の重さで作ると咸肉の味が弱い
・米に味が行きわたる前に炊き始めてしまった(炒めが足りなかった)
・米1.5合に対して気を利かせて水2合を入れたがそのせいで水っぽくなってしまったのではないか

いろいろ考えられるが、通常の咸肉の重さよりもっと多く使うべきだったというのが一番正しそうな気がしている。正式に中国の人が作った咸肉が手に入ったらそれを使って試してみたいと思う。

参考文献・サイト

https://plaza.rakuten.co.jp/yohhohho2006/diary/200802170001/
日本人で咸肉菜飯作ってみた方のブログ。重量の詳細なども書いており、結果的に本記事のレシピはこれに近い形になっている。成功すると「とにかくウマイ」らしいのだが・・・

https://baike.baidu.com/item/%E5%92%B8%E8%82%89%E8%8F%9C%E9%A5%AD
Baiduでの咸肉菜飯の作り方紹介記事。重量の詳細などは中国レシピの例によってあまり書いていないが、「もち米と米を1対1で混ぜる」「野菜から水が出るので水はご飯がギリかぶるぐらいでいい」というようなことが書いてあり、これがもしかすると重大なヒントの可能性がある。

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