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炊飯器は買わず、ペン先を買った

 昨今の値上げと増税で、買い物の取捨選択には真剣になる。一時欲しくて入手しても、あんまり使わず死蔵…なんてこともありうる。(身に覚えが何度もある)本当にギリギリを切り詰めたら、自分が生きていくのに最低限必要なモノとはそれほど存在しないのかもしれない。悩んだ末、今冬買ったモノ、買わなかったモノについて。

炊飯器


 同じ袋から分けた米のはずなのに、母の炊いたご飯と自分で炊いたご飯に格差がある。母のご飯は美味しいのに自分ご飯は美味しくない。炊きたてでもカタイ、しっかり時間をかけて浸水させてもカタイ、炊くときの水量を増やしてもカタイ。何故…。スーパーのお弁当ご飯のほうがよっぽど美味しいので、ここ数ヶ月は飽きるほどスーパー弁当を食べて生きていた。昔は自分ご飯も普通に美味しかった筈なのに。
 今ある炊飯器は何年前に買ったのかうろ覚えだが、5年は経っているだろうか。昨今の電気機器は寿命が短いそうだから、もしや買い替え時なのかもしれない。いやいや、しかし余計な出費は抑えたいし、かといって安価な炊飯器を選ぶとまた寿命が短そうだし…グズグズ悩んでいるうちにひとつ良いことを思いついた。土鍋でご飯を炊いてみよう。
 友人が昔、1人用の小さい土鍋をプレゼントしてくれたことがある。ここ数年は料理する気も滅多に起こらなくて棚の奥にしまいこんでいたが、取り出して軽く洗いつつ、容量の確認をする。2合以下ならいけそうだ。
 米をさっと洗い、土鍋の中で水に漬け込む。米の浸水の間に、土鍋ご飯の炊き方をネット検索してみると「浸水は土鍋でやらないこと」と書いてある。土鍋は吸水するので、長時間の浸水は土鍋が水分を吸い過ぎてしまい、加熱時の温度変化で割れやすくなるおそれがあるらしい。すぐ米と水をボウルに移し替えた。危ない、危ない…炊いてる最中にもし割れたら、目も当てられない大惨事になる。検索したいくつかのレシピに書いてあるのを参考に、何度か土鍋でご飯を炊いてみて、自分なりに落ち着いたのが下の方法。(2合炊き)せっかく土鍋で炊くのなら、自分好みの仕上がりになるように今後も調節していきたい。

①洗米後の米2合をボウルで浸水させる
(約30分〜1時間、冬場は時間を長めに)
②米をザルにあげて水気を切る
(水量を計るため、ちゃんと米の水気を切る)
③②の米と、水400〜450mlを計量して土鍋に入れる
(水量はご飯の柔らかさに繋がるので個人のお好みで。自分は、米2合・水430mlぐらいで炊いた柔らかさが好きみたい)
④中火にかけて沸騰させる
⑤沸騰したら※弱火にする
⑥約15分後、音が止んで鍋肌でふつふつする泡が見えなくなったら※火をとめる
⑦蓋をしたまま10分蒸らす
⑧完成!
 ※蓋を開けて確認しても大丈夫。その場合、温度が下がるので火にかける時間を少し長めにしたり微調整する。

 土鍋炊飯は初回でも、予想以上に上手く炊けた。美味しかった!鍋底には香ばしいおこげ部分が出来ている。炊飯器には無い、土鍋の特典だ。炊きたて熱々土鍋ご飯は、おかず無しのご飯だけでもご飯が進む。
 残ったご飯はラップに小分けし冷凍。おこげは美味しかったが、こびりついて洗うとき面倒臭そうだなぁと思っていた。しゃもじで刮げる分は取り除き、土鍋に水をはって少し時間を置いて、スポンジで擦ればキレイに落ちた。土鍋は大きさの割に重量があるが、感覚的には炊飯器の御釜を洗うのとさほど大差は無い。(自分の土鍋は小さいから扱いやすいのだが、大きな土鍋だと億劫になるだろうな)
 おコメが美味しいとそれだけでゴキゲンになる。ちなみに小分け冷凍ご飯は、翌朝レンジで温めて昼飯用のおにぎりにして職場に持って行ったが、冷めてもカタくなってない、やわらかく美味しいおコメが味わえた。
 炊飯器の「食べたい時間に合わせて予約して、炊けるまで放置」というような便利さは無いが、しばらくは付きっきりの土鍋炊飯を続けてみる。火で炊くと部屋も暖かくなるし、今の季節には丁度良い。というわけで、炊飯器の購入は保留とした。

ペン先

 ペン先とは、つけペンのペン先である。アナログ時代の漫画には当たり前に使われていたが、デジタル時代の現在ではもはや骨董品扱いである。
 自分はアナログで絵をかくが、その道の仕事人でもない自分にとって「ブタに真珠」状態なのに、購入した。偶然見つけた古道具屋のHPで見つけてしまった。ブタに、真珠を使ってみたいという欲望が湧いたのだ。
 というのもこれは、プロの漫画家先生方が大絶賛する逸品で、もう50年以上前に絶版となっている貴重なペン先なのだそう。記事の引用させて頂こうかと思ったが、ペンの使い心地に深く関わる内容で、書き始めるととても長くなりそうなので後日改めて。
 そんな貴重品なのにお値段は「古道具」だからなのか、現在市販されているペン先より断然お安い。1グロス(一箱)に、自分が一生使う分以上と思われる本数が入っている。この出合いは運命か🐷買いだブ~!

エレガントスプーンペン 1グロス144本
本体¥1,980 送料¥185
※2023年12月購入時点


外装はレトロで古びているが、中身は新品ピカピカ。
うふふ、ブヒブヒ…🐖

 古道具屋HPの購入注文ページは、ちょっと不安になるほど簡素な造りになっていたが、入力して送信すると即座に対応してくださった為、品物が届くのも早かった。支払い方法は、注文の品が届いたら指定の口座に振込むという、こちらの正義や道徳心を問われるかのような方法となっている。そのような支払い方…もしかすると品物だけ受け取って代金を支払わずに消息を絶つ良からぬ輩もいるのではないかと、逆にお店が大丈夫なのかと心配になり、品物を受け取った日の勤務後に、慌てて振込みに行った。


 見出し画像はエレガントスプーンペンで土鍋と茶碗をかいた。ちょっとフチの欠けたマイ茶碗をかきながら、思えばこの茶碗は自分が学生時代に寮生活を始めるとき母に買ってもらったものだったなぁ、随分長い付き合いになるなぁ、今更だけどハチワレ猫柄じゃんコレ…としみじみする。
 社会人になり、ある程度お金を自由に使えるようになってからというものの、つい色々なモノを買い過ぎてしまう時期があった。モノが増えすぎると管理しきれなくて散らかるし、生活しにくくなる。これから何年か先の将来、いずれ自分が独力で片付けられない状態になったとき、誰かしらに片付けさせることになる。申し訳ない、必要最低限で暮らさなければ…いやいやまぁ言うてもそんなのはまだ先やろ…多分。
 なにはともあれ、世間はクリスマス。たまには(?)自分を甘やかしてもいいのではないだろうか。

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