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一月七日。

 今日は七日なのか。
 これ、面白いな。なのかなのか。
 そんなことは如何でもよく、実家に居た頃(何十年も前だ)は、七日には必ず七草粥を振舞って貰っていた。調理が嫌いな母も、何故かおせちと七草粥は欠かさなかったのだ。
 わたしの地元の雑煮は名古屋風(出元が名古屋)で、餅菜と四角い普通の餅と、かつ節だけであった。餅は焼かずに茹でていたように思う。此の中に入れる「もち菜」。他所にはないらしい。名古屋でも、もう限られた生産者しか居らず、あまり流通していないのだそうな。
 淋しいことだ。
 正月は何をしていたかと云うと、テレビがないのでいつもと変わらなかった。おせち料理を作る気力も財力もないので、それは致し方ない。阿呆のように「とびだせどうぶつの森」を、充電しながらやっていた。
 孤独を感じていたかと謂うと、そうでもない。普段と変わらないからだ。
 常にひとりきりで居るから、世間で特別な日にひとりで居ても、如何とも思わない。
 正月、花見、ゴールデンウィーク、シルバーウィーク(なんだ、それ)、ハロウィーン、クリスマス。常にひとりである。しかし、何も感じない。いつもと同じだからだ。
 寧ろ、雑多な人びとと群れ騒ぐ方が精神に負担が掛かる。息詰まる。
 わたしは猫と共に、穏やかに過ごすのが一番、好ましいのだ。人間は煩わしい。その裡に這入ってゆくのは極力避けたい。

 ひとりが最高なのだ。否、そこに猫が居ればこそ。

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