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AMEBAさんとハミシスと時々クロノス

手紙を書こうと思った。でも何を書けばいいのかわからなかったので、つらつらと、出会った頃の想いを書いていこうと思う。(※閲覧注意:1万字越えのにもかかわらず、オチがありません。遭難必至の雪山のような文章です)

2018年4月10日 邂逅

多分だけど、HAMIDASYSTEMという名前は知っていたのだと思う。
でも、全く意識していなかった。MVもピンと来なかった。
だから、初めて興味を持ったのはこのツイートだったと思う。
何気なく流れてきたツイートにちょっとした衝撃を受ける。

自撮りでファインダー見ないアイドルとか存在するのか…。
存在感の強さと反比例して本人が主張していないことが心に留まった。

どういう思考でステージに立つのだろうか。そもそもどんなステージを演じるのだろう。MV見ても、全然良さがわからないのだけど、ただものではないことだけはわかる。きっと、自分の世界を持って、深くそこに潜れる人。遠い世界を見ている人。そんな人が、アイドルという仕事とどのように、折り合いをつけているのだろうか(←完全に妄想です

そして、そのツイートを見てから20日後に、彼女が所属するHAMIDASYSTEMが、Maison book girlと一緒に出演するイベントがwwwxであることを知る。これも前日にツイッターで見て初めて気づく。

2018年4月29日 「CCC vol.01」

今見ると、ものすごいメンツなのだけど、当時はmaison book girl(ブクガ)以外、ほとんど知らなかったのだ。

2つ興味あるアーティストが出演するイベントなら見にいってみようと当日思い立ったのが全ての始まりだった。

2グループが出演するならと、見にいって運命が変わったことが何度もあった。(「たんきゅんと水カン」とか「新大陸レコーズとゆるめるモ!」とか「新大陸レコーズとdaokoさん」とか「箱庭の室内楽とブクガ」とか…。。。)
きっと、1組のアーティストだけだったら出かけていない。2組見たいから、と重い腰を上げて出かけたから、運命が始まるのだ。

初めてのHAMIDASYSTEM(以下ハミシスと呼ぶ)は。
暗い中に強いライト。そして、昏いステージに闇色の衣装。アイドル現場とは思えない静寂。それまで見たどんなアイドルとも違う深い内省と情念を伴う楽曲。そして、バレエのように、時にゆっくりと、時に激しく踊り、決める場所で、ぴたりと止めてくるダンス。これほど、緊張感を持って、息を呑んで見るアイドルは初めてだった。

なにより、楽曲が、ファンに合いの手を打たせるような間を持たせていない。観客との交流を求めていない。「我々はこちらで演る。お前らはそちらで感じていろ」というスタンスがよかった。

終演後、特典会の並び方すらわからなかったけど、とりあえず人に聞いて並んだ。最初にツイッターで見かけた、あの子の名前がわからない。「三井飴葉」がなんと読むのかもわからぬ。特にアイドルらしい色分けなどもされていない(※実はされてるけど、衣装のラインくらいでほぼわからない)とりあえず、チェキ撮ってる担当に、ショートカットの子と伝えたのを覚えている。(その日、あめーば、と読むのに衝撃を受けた覚えたある。アイドルの名前でなぜ、微生物???でも一度覚えると、似合っていたし、ずっと苗字の三井さんで呼んでいたな…。。。)
何か、何か感想を伝えたかった。その時か、後日かわからないけど、「絶対ブクガみたいにヨーロッパツアーする日が来ますよ」と言った記憶がある。

アーティストを見ていると、時々確信のようなものがある。水カンとか、daokoさんとか、ゆるめるモ!のあのさんとか、ATLANTISAIRPORTとか、見た瞬間「只者ではない。絶対くる」って思う人がいる。その成長を見届けるためにライブに通うのだ。というのがライブを見に行く衝動だと思う。HAMIDASYSTEMというグループは、久々に現れた「本質」だった。

ちなみにCDは、この日発売だったらしい。運命味がある…。

2018年5月12日 プラネタリウム"無音"ライブ

見始めて2回目のハミシスのライブが渋谷のプラネタリウムでの企画だった。
飴葉さんが、プラネタリウムが好きなのだとか、「物語シリーズ」という新たらしいシリーズが始まったのだとか。ヘッドフォンで聴くライブ。

『昔、渋谷駅に直結する東急プラネタリウムがありましてね。そこには日本製の五島プラネタリウムという、古いやつがありまして、私は、あれと同じタイプの古いプラネタリウムを操作することができるんで御座います。』

…なんて勿論、語ることもなく、というか、アワアワしてたら、チェキ列とか並ぶ間もなく終わってしまったという、残念な思い出が残る。(優柔不断な自分が悪いのだが)
プラネタリウムの中で、オリオン座が見えたのとてもよかった。

メンバーのことオタクのこと

それから、東京タワーまで歩く謎配信を見たり、時間があれば通ったりした。(あらためて、過去ログを見直したら、意外と通っていた。)
ちょうどCD発売でインストアライブも行っていて。
タワレコの新宿店で人が溢れているのを見た時は、本当に嬉しかった。

東京タワーまで歩こう配信
タワレコ新宿インストア

私は人の顔と名前と声を全く覚えられない。その上で、ハミシスは明確に個性の分かれた4人のメンバーで構成されていた。
めちゃめちゃ歌がうまい長谷川美途さん。ボーイッシュな吉田爽田さん。流れる髪の美しい小さな小山振夢さん。そして、言葉にできない三井飴葉さん。4人編成でセンターを作っていないのも、明確なリーダーがいない感じもよかった。アイドルらしいヒラヒラした服ではなく、シックな正装のようなビロード調の衣装も美しかった。

現場では、一人で見に行って、一人で帰っていたし、多分飴葉さん以外の認知はなかったし。むしろそれでよかった。ライブの余韻で帰る夜道はいつだって美しかった。

そのうえで、ハミシスのオタクのことはきっと随分好きだった。
年齢も、男女も、幅広い層がいた。ライブを見るスタイルも様々で。コールも聞こえた。(最初意味わかんなかったけど、慣れるとそれがない日はちょっと寂しくなった)彼らがそれぞれの立場で仲が良さそうなのが良かった。

一言で言うと、どんなスタイルで見る人も許される。それでいて治安の良い、雰囲気の良い現場だったのだ。

2018年6月22日「ハミシス cafe」

好きなアイドルがカフェイベントをやる。この天国的発表と現実の重さ。
…行けるわけがない。知り合いなんて誰もいないのに(それはそう
オタク同士がワイワイしている中で、地蔵のようになっている自分が容易に想像つく。他のひとに先んじてアイドルと話すことなど、ままなるまい。そもそも歌を歌わないのだから行く必要などあるまい。

…そんな100の言い訳を払いのけて、勇気を出して行ってみた。
隣の席の人が話しかけてくれたが、アウアウしてしまった。ごめん、あのなおさん(←ここに壮大な伏線があるのだが、その時は知る由もない。
終始アウアウしっぱなしで、あまり覚えていないのだが、とにかく推しは素敵だった。ステージとは真逆の明るくふんわりした空間だった。

好きなものを好きと言えること

その昔、「Kanaさんは、アーティストを神聖視しすぎる」と、たぶん誰も知らないインディーズのバンド系のアーティストにぶった斬られたことがあって、その言葉はとても辛かったのだけど(後日「Kanaさんが神聖ししてたアーティストはみんなメジャーになったね。」と言われたけど)。今、ライブをみて、その感想を素直に伝えて、今日のライブ最高だったと、言える相手がいることが本当に嬉しかった。見るたびに最高を更新してゆく、楽曲と技術が素晴らしかった。ライブを見にいく価値とは、成長に感動することに等しいと思う。
私は、すばらしいものに声を大にしてすばらしいと言って、忠誠を誓える相手に出会いたかったのだ。
チェキ券は、アイドルに会いに行く通貨であり記念品だけど、私にとっては、感謝を伝えに行くためのチケットだったような気がする。

余談:私はよく、渋谷のライブの時は、ちょっとしたかわいいお菓子とか持っていっていたが、ともすればライブが終わって逃げ出すように帰る自分に、「これ渡さないと帰れませんよ」という制約をかけていたのだ。どこまで人が苦手なのか。

写真のこと

最初の頃は時々、カメラを持って出かけた。ダンスが綺麗でキメどころが明確で、慣れるとすごく良い写真を狙えるアーティストだったと思う。

2018年夏の頃はちょうどライブに行けないタイミングが多く、その分ツイッターのみんなの情報を見ていたけれど、数人のカメラ専門のオタクが、本当にセンスいい写真をツイッターにアップしてくれていたのは嬉しかった。
その時、自分で撮るよりも、上手い人たちが撮ってくれるなら、任せようと思えたので、逆にライブは真剣に見ることができた。(ここにあげてないけどハミシス〜クロノスで推しのカメラオタクが6人ほどいる)


12月17、18日 2DYASワンマン「黎明の貴方」「黄昏の君」

2018年末の、WWW2daysのワンマンライブはこれまでのハミシスの集大成のようであった。2つの日を対比に組まれたセトリ、
特にこの時、発表された「黎明の貴方」「黄昏の君」は物語性とその対比、演出と歌詞と、2曲続けて歌うことを全体とした構成、一つの舞台を見ているようで。アイドル曲の枠を超えてきた!って思った。

この2曲はアイドルの音楽史に残る楽曲とコンセプトだと思う。

この勢いでいけば、来年には、海外遠征まで行けるぜ!!って確信していた。捨て曲のないアーティスト。どの曲でも戦える。そして、どんどんステージが狭くなってゆく。新曲でるたびに素晴らしい。イギリスやドイツのライブシーンで見せつけてやりたいぜ…

2019年 1月7日 解散発表

そんな希望しかない2019年年明けに、突然の解散が決まった。そして容赦のない新メンバー募集の告知。
ツイッターが阿鼻叫喚になったし、自身も阿鼻叫喚になった。
楽曲を作っていたsayshaineさんの「これからも彼女たちとグループをどうにか守っていく」というツイートが希望だった。

飴葉さん生誕のこと

先にも書いたが、Kanaさんは現場にオタク友達がいない。作りたくないわけではない。作れないのだ。そして、推しに認知されていれば十分だと、どこかで思っているのだ。そんな私に、ツイッターでDMが来た。解散発表の頃だ。
「3月の飴葉さんの生誕のデザイン手伝ってくれませんか?」

メッセージをくれたのは、なんと、勇気を持って行ったカフェイベントで隣に座った人からだった。その時私が「デザイナー」って名乗ったことを覚えていてくれたらしい←ありがとう。本当にありがとう。

2019年 1月12日 大阪遠征のこと

解散発表から1週間後、ハミシスの大阪遠征があった。
解散までのライブが数えるほどしかないので、なるべく全てを見ておきたかった。

せっかくの大阪なので、みんなのチェキを撮るなど。
BEETさん、意外とツイッターに対してツッコミをくれる。涙

遠征先の特典会の時「そのカバン僕も持ってます。」と声をかけてくれた人がいた。それから、「ああツイッターで、いつもFavしてくれるKanaさんや」すぐにみんなと仲良くなれた。解散に対するみんなの思いなどを聞けた。ハミシスを見にいき始めてから、9ヶ月が経っていた。

ツイッターでハミシスのことを呟く人を軒並み、イイネしていたので、「運営のサクラかと思った」って言われた。人の認知とは不思議だ。知らないのに知っている人たちがいる。

心のどこかで、ずっと話してみたかったのだ。ハミシスの素晴らしさを、今の状況を、この先の未来を。ファンのみんなと知り合えたことで、すごく世界がクリアになった。色々な思いを知ることができた。よりハミシスを好きになることができた。大阪に行って良かった(このあと、もう一度大阪に行った。…その時も本当に楽しかった。人生の思い出に残るほど楽しかった。

2019年2月28日 MITSUI AMEBA 生誕ライブ@MARZ

そこで、みんなを知れたことで、生誕のお手伝いは安心して進めることができた。お手伝い…のわりに、がっつりイラストとか作らせていただいた。宗教画っぽいのをやりたい、と言っていたので、宗教画っぽいのを作った。それまでの数年。水カンや打首の仕事に加わったことはあったが、多分…デザイナーになったのは、飴葉さんの生誕を手伝うためだったのだと思った。
心の中で、飴葉さんの生誕のデザインやりたいって、ずっと持っていたので

飴葉さんが、横断幕見て「ソフィーの世界」と言ってくれたのが嬉しかった。私の思う「飴葉さんらしさ」を、彼女自身がそう表現してくれたことが。ここで私のデザイナー人生終わってもいいなと思った。

出会う前に、飴葉さんはアイドルという仕事とどのように同折り合いをつけているのだろう?と思っていたのだが、むしろ、彼女の世界観に沿って、HAMIDASYSTEMという世界観は存在していたように思えた。この世界観以上に彼女を輝かせるアイドルグループは存在し得ないと思った。

2019年3月23日 ラストライブ

最後のライブの1回前にSODAさんの生誕があった。その時、SODAさんのチェキ列に並んだ人を全員を捌ききれなかったことをメンバーが気にして、ラストライブ前にメンバー主催でオフ会をやってくれた。(行けなかったけれど)そういうメンバーの気遣いなどが本当に美しかった。

ラストライブは撮影禁止、コール禁止、サイリウム禁止、と三拍子揃っていた。「とりあえず、目に焼き付けろよ」という運営の強い意志を感じた。ラストライブでも、さらなる進化を見せつけてくる飴葉さんに、震えた。

「人の身で…よくぞここまで練り上げた」みたいな、技や呼吸が、今日で失われてしまうことがとても悲しかった。

2019年4月1日 「新ユニットクロスノエシス始動」

BEETさんは学業のため卒業、残り3人+新メンバー1名で新ユニットクロスノエシス(初期は英語表記CROSSNOESIS)始動。まさかのブクガと同じekomsという事務所に入った。

当初のティザームービーを見ていて、そこに映る、白い衣装を見ていて、最終的に2023年の解散時、あの形に帰結するとは、当初思っていなかったし、本人たちも思っていなかったと思う。

2019年5月27日、初ライブ「tsukidepart vol.7」@月見ル

初のライブ1曲目の楽曲「CROSS」は、最初意味がわからなかった。
正直、このレベルの曲をやり切れるようになるのか?と思った。表現力を求められる曲の数々。アイドル初挑戦のLAKEさんを含めた4人で、この曲を乗りこなせるのだろうか。というのが初回の印象だった。

ハミシスの最後の楽曲、黎明と貴方、黄昏の君、あの楽曲の世界観を延長したような雰囲気だった。ハミシスが内省がテーマであるとしたら、神秘やスピリチュアルな方向に向かったと思う。不協和音やノイズっぽさも増えた。美しさと不穏さが同居する世界観。…ただしMCはいつものゆるさで、そのギャップが好きだった。

結局…アイドル初挑戦のLAKEさんが、一番MCうまかったの、オタク上がりだけはある。

クロノスの日々

ブクガのツアーの郡山でのオープニングアクトにクロスノエシスが出演するというニュースに震える。。
ハミシスを見にいった理由が、ブクガとの共演だった。あれから1年。紆余曲折あったが、一歩ずつ上に向かっている。と感じた。
多分ハミシスに通っていた時より、多く通っていた。
私にとって、ライブは風のようで。気持ちの良い風を浴びるために通っているような気がした。

高度な楽曲を短期間で乗りこなし、どんどんものにしていった。

アーティストは「出会った瞬間が最高」説を唱える私は、大体、メンバー変更や路線変更で、世界を隔ててしまうのだけど…クロノスは…アイドルだからとかではなく、成長してゆくアーティストとして目を離せないでいる自分がいた。

9月にはミニアルバム「chronicle」発売。中でも、AMEBAさん作詞の残夜は珠玉のできであった。
ただ、ただ難を言えば、CDパッケージのセンスが全然わからなかった。今でもそこだけは納得がいっていない。

ハロウィンの頃、タワレコでRAYと一緒にインストアライブを行った。いい。あとは、世界をもっと広げていけばいい。と思っていた。

2019年12月21日、1stワンマンライブでのSODAさんの脱退

誕生から、半年後に事件が起きる。一番人気と言っても過言ではない、SODAさんの脱退発表。
クロノスの1stワンマン。この晴れの舞台を、どんな気持ちで迎えればわからないまま、当日を迎えた。
推しが、とかではなく、多分みんなが、クロスノエシスを今後どうすれば、盛り上げれるのか、延々考えているのではないかと思った。
3人の新衣装がブクガっぽすぎて…、魂まで売り渡したか。って若干憤っていた。

魂を売り渡した新衣装(売り渡してはいない

2020年の幕開け

年明けの三人体制はやはり動員も少なかったし、自身も仕事が忙しくて行けなかった。新メンバーが増えても動員につながるのだろうかという一抹の不安があった。そのころ、コロナウイルスの話題が、急速に広がり、1月後半から、飲食やライブハウスにうっすらと不安が広がり始めていた。

でも年明けの、クロノスが強かったのは、これからやってくるメンバーや未来に対して強い自信があったからかもしれない。

Twitterで見る、写真撮るオタクたちのレベルがどんどん高くなっていて、いつもライブ見たいなぁと思いながらツイッターを眺めていた。

2020年2月23日 新体制発表

syashaineさんに「新メンバー決まってもうすぐステージが四人体制にフォーメーション戻ると安定感高まりますね。」と言ったら、「増えるのは一人とは限らないからね(ニヤリ)」って言われて、鳥肌が立った記憶がある。(夢かもしれない。)
ティザームービーが発表されて、オタクたちが「まさか…まさか」とツイッターで騒いでる時のワクワク感を覚えている。

そして発表された新体制。ハミシス解散の時脱退したBEETさんがLISAさんと名前を変えて戻ってきた。もう一人アイドル経験者MAIさんと共に。

なにこの、少年漫画的展開。仲間のピンチに、かつての仲間が、強力な味方を引き連れて帰ってくる感じ。
3人から5人になったクロノスの強さ。この時、心の中で、「今度こそ、ハミシスで叶わなかった夢。海外まで行けるかもしれないって」って思った。

2020年の生誕の話

ちなみに、すこし生誕お手伝いさせてもらった。AMEBAさんと、LAKEさんの等身大パネルとか作ったりした。生誕ができてよかった。このあと、コロナで軒並み、色々なことが出来なくなっていったので。ワンマンは2回ほど伸びた。8時以降のイベントができなくなり、ライブはオンラインなどになった。終わってみると忘れてしまうけれど、本当に色々なことがあった。(その流れでチュール型おせんべいとか、AMBA神聖水とか作ったのは秘密だ)

2020年 オンラインライブの時代

コロナ禍でライブが厳しくなるにつれ、月見ルなどが本格的な機材を導入して、オンラインライブが徐々に定着していった頃。特にnuanceとの対バン(?)のdubrise2は圧巻だった。
クロノスとニュアンスが交互に登場するのだが、その繋ぎ方の妙。また、観客席に人がいないので、その登場や退場の履け方も自由で。「配信という画角の中でできる演出」というのを徹底して考えられていた。

この頃、オンラインと、現場というのが、入り乱れており、私は現場に行っても、誰とも会わずに帰ったし(特典会にも行かなかった)。仕事をしながらオンラインライブを見ていた。自身もコロナにかかり、あっという間にその年は終わっていった。

2021年の生誕のこと 

この年も生誕を手伝えた。私が手伝えた最後の生誕になってしまった。オンラインでコメントを集めて、ライトな宗教勧誘パンフに見立てた狂気のアルバムなどを作ったが、それは、ライブ会場に会場に人々が来れないことを意味する。オンラインで、募集した結果100人くらいコメントとアンケートをいただき、それをフル活用するために30ページくらいのアルバムになったのはなかなかハードだった。
(それを作るために、その頃はライブに行けなかったの許さんぞう笑

AMEBAさんLAKEさん合同生誕だったので、LAKEさんのアルバム制作委員は、文庫本のような美しい書籍で表現していた。それはとても美しかった。特に本の帯に見立てて、上下で色分けしてるところか。自分にはできないものを見せつけられた。

でも、その生誕で一番強かったのは…自前の祭壇を用意してるAMEBAさん自身なわけで、盛り塩。。。何度でも推せるって思うわけで…


2021年〜2022年変わってゆくもの。

オンラインが主流になってくると、見せ方が変わってゆく。観客も変わるし、求められるものも変わってゆく。
私はAMEBAさんが本当に好きだったが、クロノスから少しづつ足が遠のいていった。

オンライン配信だと、ライブ以外も求められる。
「踊ってみた」などで、ファンにも振り付けを伝える。
声出しができないので、現場ではファンが踊る。手拍子が起きる。

そうすると、よりダンサブルなものが求められるようになってゆく。
ファンと一緒に盛り上がるための、楽曲が受けるようになる。

振付師は、より複雑で激しい、ダンスを作り上げてゆく。
歌詞は抽象的ではあるが深みは失ってゆく。

出会った頃、ハミシスに私が彼女たちに衝撃を受けたのは、「ステージの上で勝手にやっている」という距離感だった。その断絶や媚びなさが好きだった。各々が別々に動き、歌い手より、歌っていない人に意味があったり、その歌詞の機微やダンスの表現は一つの「舞台」をみているようであった。。手拍子などしている余裕のない、集中してみなくては見落としてしまう繊細な緊張感が好きだった。

コロナ禍において世間で求められたものは、むしろ、見えない「つながり」であり「絆」であった。クロノスの楽曲の中に、そういうものが増えていくことが、すこし辛かった。

私にとって、最後のインストアライブが「awake」の錦糸町だった。
わかりやすいリズム、前向きな歌詞。キメどころのある激しいダンス。そして「私たちを見ろ」という力強いメッセージ。
もはやそれは、自分が見たいものではなかった。
だが、今、現場にゆく、多くの観客が求めるものはそれだった。
いたたまれなくなり、ライブを見終わったら、そのまま会場を後にした。

これは、完全な持論だけど、毎度ライブのたびに、体力の限界を迎えるような、体を痛めるレベルのダンスとかやらせるなよ運営。って思っていた。
あちこちのアイドルの振り付けやってる振付師にやらせて、クロノスを凡庸なものにしないでくれと、本気で思った。(今でも思っている。)

2022年12月19日 エコムスアイドルフェス2022@Zepp Haneda

エコムス主催のイベントということで、久しぶりにクロノスを見にいった。会場は盛り上がっていたが、私の心には響かなかった。たまたま郡山で一緒にクロノスを見たエコムスのオタクが「初めて5人体制のクロノスみたけど、なんか全然別物じゃん」と驚いていた。
それが全てだなぁと思った。

2023年2月21日  無期限活動休止発表

最初「なんでだよ」と思った。路線変えて、新しいファン層も構築して、技術も極限まで高めて、なぜ今なのだ?と思った。
一皮剥けたのだから、あたらしい世界で咲き誇ってくれよと心の中で叫んだ。そのためのダンスだろう?(←完全に拗らせたオタクの思考

同時に、絶頂で辞めるのは良いことかもしれない。とも思った。
アイドルを青春時代の6年という時間をかけてきた。本来そこで学ぶべきものを捨て、すべて練習と舞台に費やしたのだ。
人の世界に戻るのは、早いに越したことはない。
まだ今なら、人の世界に戻れる。
とずいぶんおこがましいことを思ったりもした。

2023年3月7日MV「atmosphere」の衝撃

このMV発表された時、またこのような曲をやってくれるのかと思った。
なぜ。今こんな。なぜ今。初期っぽい、この「俺の夢見たクロノス」そのものな曲を出してくるのだ。方向変えたなら、最後まで力強く踊っててくれよ(嗚咽 どこか前世を彷彿とさせるようなMVはもう…』と、散々ツイッターに書いた。

このあとに出していた、Lost momentも、その前に出したstableも素晴らしいし、激しいダンスなどなくても、その世界観は大いに伝えられるのだ。激しく踊らなくてもいい。丁寧に世界観にあった振り付けで、歌い込んでほしいのだ。
もし、解散するクロノスに対し、一つだけ後悔があるなら。atmosphereのライブを見れなかったことだろう。

2023年3月16日 may in film主催「mayday vol.12」@渋谷MILKYWAY

may in film主催ライブにクロノス出るからと友人に誘われて見にいった。
久しぶりのクロノスが、ちょうど初期の曲を中心に組んでいた。
オープニングがseedで、in the darkとインカーネーションという(arkも良かった)。古式ゆかしい、自分の見たかったクロノスがそこに居て
ふつうに泣いた。どれだけ好きだったのかと。
でも。現場が盛り上がるのは、後半の2曲。 full moonとawake…。。わかるんだけど、わからん。それが、自分の場所では無くなったってことなのだろうなと。どこか納得してしまう。 仮にコロナ禍がなければ、もっと深い世界に行ったかもしれない。集客するためには、広く世界に届けなくては行けない。(楽曲自体を否定しているわけではない…。優れた楽曲であることはよくわかっていうr

それは、力の入れどころの話で。
ダンスを選んだことで失われたもの。
そちらにクロノスの本質があったんじゃないかと、今でも思っている。
ダンスを選んだからこそ、コロナ禍から、ここまで、やってこれたのでは?」と問われたら、その通りだなとしか言えないのだけど。

ライブに誘ってくれた人に、促されて、後悔なきよう推しに挨拶した。
AMEBAさんに「忙しかったですか?」と尋ねられた。
曖昧に笑って、また来ますね。と言った。
私はAMEBAさんもクロノスも本当に好きで。今日も変わらず優しくて素敵で。
好きだから、通えなくなることもあるのだと、そんなことを思った。

2023年5月20日クロノス 4th anniversary one man live「plant」@ LIQUIDROOM

最初にAMEBAさんに出会ったのが2018年4月…あれから5年の月日が経ったのだ。今日が最後の日。クロノスのワンマンは…2回行った。

古いオタクの心に巣食う、ハミダシステムの亡霊を吹き飛ばすような、クロノスここにあり、という圧巻のラストライブだった。

これは何度でも書くが、最初の5曲の組み立てにクロノスの貫禄があった。 1曲目stableの立ち上がりから、すでにライティングはバキバキで。2曲目の神曲。翼より、3曲目の古の、薄明…そして、それに被せて代表曲のcross、そこから名曲のインカーネーションとVOICEに繋ぐ、最高のセトリ。彼女たちの代表曲がそのあたりで本当に嬉しかったし、そこから…息を継ぐ間もなく続けていく覚悟を感じた怒涛の20曲。



私は、ダンサブルなクロノスを好みはしないが、このライブの熱量は、エネルギーは、今の練り上げたクロノスでなくては生み出し得ないものだなというのがよくわかる。 これがクロノスなのだと。見せつけてくるようなライブだった。リキッドのステージが狭く見えた。

おまえが、見にこなかった間に、私たちはここまでの高みに昇ったぞ、そう言われているような気がした。

ラストを感じさせるseed。そして、最後の曲をlost momentにしてくれたのは良かった。MY LAST DANCEだと、そのバイバイが余韻を残しすぎてしまうから。

ワンマンごとに、新衣装を披露してきたが、このワンマンのためだけに、新しい衣装を用意してきたのが、クロノスらしいと思った。

これは、個人的な解釈だけど、黒白の衣装はあったけど、黒ベースの衣装ってなかったのは、前のハミシスの衣装との絡みがあったからではないかと思っていた。だから、黒ベースの衣装はちょっと嬉しかった。

特典会は全員回れた。sayshineさんと記念写真が撮れなかった。1枚使いきれなかった券は持ち帰った。

LISAさんに、「久しぶりじゃん」って言われて、思わず「時々は見てるんですよ」って言ったら、「知ってるよ」とニヤリとされた。
…こういう絡みが最後なのが辛かった。

えんえん泣き顔のFLAMEさんに、この5年は私の青春だったよ。と伝えた。
MAIさんにあなたがクロノスに来てくれてありがとうと伝えた。
LAKEさんに、最高のクロノスを見せてくれてありがとうと伝えた。
AMEBAさんと何を話したのかはあまり覚えていない。今までありがとうと、さようならを伝えたのだと思う。

終電前まで、タコ公園で、オタクたちと本質を語り。
彼らとも5年の付き合いなのだ。そして、彼らが、走り出した頃のハミシスとクロノスを支えたのだ。感覚も価値観も推しもちがうけれど、同じ音楽を楽しみ、同じ時間を過ごした。それぞれ違う道(アイドル)をゆくけれど、時々現場で会えるといいな。

物語のおしまいに

AMEBAさんが、「ハミシスが最初のアイドルで、クロノスでアイドルは最後だ」と「やりきった」と誇りを持って語っていたことが、私には嬉しかった。

アイドルは音楽の中の一つの手法だと思っていて、ロックや、ヒップホップ、ゴシックやビジュアル系…。色々なジャンルをモチーフにしやすいが、
ハミシスやクロノスは「自分だけの表現」にこだわっていたと思う。自分たちだけの表現をどう昇華してゆくか。

私は、AMEBAさんという推しの存在を通して、それを見ることができた。(もちろんメンバーひとりひとりにリスペクトがあり)

何者かになろうとしている人がいて、その人を輝かせる世界があって、そのチームが目指す世界観は、自分の心にとても響いた。
たぶん、誰に話しても、伝わらない。見たものにしかわからない。響く人にしか響かない。
それでいいのだ。私は、その時、そこにいたし、私たちは出会えた。
その頑張りや成長を見届けることができた。そのステージから吹いてくる強い風を感じることができた。
私は心の底から、誰かを応援することができた。
それは、それは私の誇りであり、一生消えることのない心に灯る光の断片だ。

オチ

AMEBAさんの通販で最後のチェキを頂いた。「かなさん幸せに生きて!」という最後の一文見て、昔好きだった人が結婚すると報告をしてきてくれた時、別れぎわに言われた一言と同じだなぁをと、そんなことを思い出した。

笑い話だけど、今ならわかる。それは、精一杯の本当の気持ちだったんだと。

私はAMEBAさんに会えたことが幸せだったと思う。
忠誠を誓った相手の最後の一文。ちゃんと守っていこうと思う。

おしまい


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