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ペコの気胸体験記⑦

7th story

H24,8 前向きになれた束の間

翌朝はお腹がすいているのか、吐き気なのかよく分からなかったが、
肺の痛みには徐々に慣れてきた
(人間の自然治癒力ってホントにすごい!)
術後一番厄介なことは、痰が絡むから咳が傷口に響くことくらい
お昼にはやっと久しぶりの御飯が運ばれてきた
おかゆ定食だけど、一日ぶりに食べる御飯はすごく感動する!
一人で起き上がれず、ベッドの上半身部分を起こしてもらい、
スプーンですくって食べる
おいしい!!(涙)
慌ててかきこんだから咳きこんで、吐き気が上がってきて、
食べたいのに半分で終了した・・・
それから・・・
夕方点滴が終わる
尿管も本当は昼に外してよかったのだが、
自分一人で体を動かす自信がなかったので、翌日に外すことにした
翌日には一人で体を動かせるようになっていて、ドレーンの機械を操作して歩けるようになる
(充電式だから、移動する度にコンセントを抜かないといけない)
お風呂には当然まだ入れない
私「先生、これいつ外れるんですか?お風呂に入りたいです。」
H先生「明日レントゲンを取って、それから・・・ですね。前回ドレーンを早く外したので、今回は様子を見ながらにしましょう。」
先生も再発とあって、用心深く処置したいのだろう

翌日レントゲンを撮った後、H先生は夕方に来た
H先生「ドレーンを一旦止めます。また明日のレントゲンで判断しましょう。」
そう言って、ドレーンのコンセントを抜いていった
(レントゲンの結果、悪かったのかなぁ・・・先生の表情もなんか暗かったし・・・)
なんかそう思うと、すごく気になってきた
そういえば、内側に新たに出来たブラは、今回の手術で切除してないって言ってたなぁ・・・
手術の時、カメラで見たら、内側に入り込んでて全く見えなかったので、それは気にしなくて大丈夫でしょうって・・・
・・・本当に大丈夫なんだろうか・・・?
手術をした肋骨下が次第に痛くなる
イタタタ・・・え?なんで痛いの!?これって肺が縮まってた時の痛さと似てる!?
夜中も気になってしょうがない
微妙な体内の音がすべて「ブクッ」て言ってるような気がするのだ
しかも、内側から言ってる気がするから、これは取りきれなかったブラが破裂したのか!?とか考えてしまう悪循環
ずっと恐怖感で寝れない
夜中、電気の消えた病室に看護師さんが懐中電灯を持って見回りにくる
私のところに来て、ドレーンを照らす
目が一瞬ビックリした目になったような気がする・・・
(え!?何!?何!?漏れてんの!?)
立ち止まる時間の3秒間がとても長く感じられた
結局、不安になりすぎて寝れず、睡眠薬をもらってなんとか寝れた

そしてまた翌日
朝の看護師さんの検診
看護師「はい、咳してみてください。」
ゴホンッ
私「どうですか?泡出ましたか?」(空気が漏れている場合、泡が出るらしい)
看護師「今、一つ出ました・・・。」
私「えぇー!!??」
ドレーンを覗きながら、もう一度咳してみる
ゴホンッ
ポコポコ・・・・(出たぁー!!!!!涙)
泡が3、4個出てきた・・・
(うわぁ~ 空気漏れてるよぉ~!!どうしようどうしよう・・・)
看護師「先生呼んできますね!」

心配したH先生がすぐ来てくれる
私「先生!!ボコボコ言うし、空気ぬけてないですか!?」
H先生「咳してみてください。」
ゴホンッ
H先生「はいはい、大丈夫です。これくらいは。漏れてないですね。」
???
H先生「肺がまだ完全に膨らんでないから、スペースの出来た部分を空気が移動したりするんです。
漏れている人はもっとボコボコ続けてたくさん泡が出ますよ。」
私「そうなんですか・・・?でも痛いし、ブクッて言うんですけど・・・なんでですか!?」
H先生「ちょっと、気にしすぎじゃないですか?」にっこりと笑う
私「先生~・・・ホントですね!?信じますよ!?(涙)」
H先生「はいはい。(^^)じゃあまた明日のレントゲンで・・・。」
H先生の言葉でひとまずはちょっと不安が解消した(H先生はおっとりして、とても優しい先生なのだ)
私がこのように気にしすぎたせいで、ドレーンとの共同生活は延び、
結局術後5日間ドレーンを付けて生活した
それからやっとドレーンが抜け、穴を糸で縫われて、記念にH先生と写真を撮って(笑)、退院した
今回も10日間程の入院だった
一週間後にまた病院に行って、抜糸
レントゲンを撮った結果は、左肺が正常に上まで膨らんでいた

手術をした傷口の違和感は、きっとまた半年くらいかかるかな
左手の痺れは少しずつ取れてきているが、これも1カ月くらいかかると思う
気胸という病気は100%の完治がなく、今後も気をつけていかなければならない
でも、気にしすぎが一番よくない病気でもある
あんな恐怖の手術を2回もやったんだし、
もう本当にこれで治った!!絶対再発しない!!と強い気持ちでいきたいと思う
でもこれで終わりじゃなかったんだな・・・・

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