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不適切じゃないにもほどがある⁈

 3月いっぱいで、BSNラジオ「3時のカルテット 」、燕三条FM「松本愛のやっぱり夜が好き」が終了し、これでラジオの仕事は残念ながら一旦終了となってしまった。新潟日報デジタルプラス内で配信している「あいまりタイムズ」がかろうじて私の喋り手としての自尊心を保ってくれている。

 燕三条FM「松本愛のやっぱり夜が好き」最終回に、あるリスナーからこんなメールが届いた。

「放送局は【リスナーが一番大事】とか言いながら、平気で人気番組を切るじゃないか。結局金なんでしょ?リスナーが一番大事なんて綺麗事で大事なのは金なんでしょ?」

 答えるなら、NOでありYESである。「リスナーが一番大事」これは決して嘘ではない。そんな人はいないと信じたいが、もしラジオに携わる仕事をしている人でリスナーの声を蔑ろにする人がいるとしたら、そんなヤツはとっとと辞めた方がいいし、平気で番組を切るサイコパスなんて多分いない。放送は送り手の一方通行では成立しない。そんな仕組みの話だけではない。送り手は受け手に届いたという達成感があってこそ続けられる。その達成感というのは、リスナーからの反応によってもたらされるものがほとんどである。

 しかし、一方で「金が大事」というのも嘘ではない。金がすべてではないがとっても大事だ。金がなければ人件費も出せないわけで番組自体を作ることができない。企業も予算削減の必要を迫られた時、まずラジオへの出稿をストップするのではないだろうか。要するに、一連の流れの中に悪者はどこにもいないのだ。

 「時代」である。【楽しくなければテレビじゃない】は、確かフジテレビが80年代に掲げていたスローガンだと記憶している。日本経済がイケイケだったあの頃、国全体に勢いがあったのだろう。

 例えば、あるひとつの番組企画があるとする。「これ、なんか面白そうじゃん!「なんかいけそうな気がする!」という、勢いと感覚で発進できたのが80年代。根拠のない自信を支えていたものは間違いなく日本経済だ。令和の今は違う。ひとつの企画を進めるにあたって、「採算が取れる」「利益を生む」という確信が持てない限りスタートはしない。【楽しくやるにはまず予算】といったところか。

 よって、フリーランス受難の時代ともいえるが、こんな時代でもちゃんと活躍しているフリーランスはいる。彼らに共通しているのは「人間力の高さ」だ。こんな時代だからこそ試されるのはバランス感覚であり人間力。常日頃から大切に築いてきた人間関係、信頼関係がものを言う。しかも、そういう人に限ってスポンサー色ガチガチにならず双方にとって win-winの面白い番組をやる。そこにリスナーがついてくる。

 私には圧倒的にバランス感覚と人間力がなかった。この一言に尽きる。それでも応援してくださるリスナーさんには感謝しかない。

ごめんなさい、そしてありがとう。

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