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偏愛文具|直液式ボールペン

いえーい!みんなー!文字、書いてるー!?

日頃noteを執筆しているみなさまには愚問と思いますが、この場合の「書く」とはタイピングあるいはフリックのことではありません。ペンや筆などで己の手で文字を書いているかいということです。

おれは、仕事も私事も関係なく文字を書くことが多くてですね、メモ書きからアイデアフラッシュまで様々、一日中何かを書いたりしているわけなんですが、会社のコピー用紙というものは、何かを印刷するために用意されているものですよね。おれの場合は、会社のコピー用紙をたくさんちょろまかしてノート代わりにしています。いい年なんだからノートくらい持ちなさいよと言われたらそれまでなんですが、罫線が入っているノートが最近あまり好きではなくて、無地のノートを持っていた時期もあったっちゃあったんですが、それだったらコピー用紙のほうが早くね?と思って、そうしています。

それから、手帳などは基本的に持ち歩いておらず。ふだんスケジュールを書かないといけない時は壁とか道に落ちてるおまんじゅうとかに書いてるので、道に「10:30ミーティング」と書いてあるおまんじゅうが落ちていたら、それはきっとおれが書いたものなんでしょうね。あれはおれのメモなんで食べないでくださいね!

思えば、小学生のときはカドケシ、中学生の時はクルトガが発売されるなど、様々新しい文具が毎年のように発売されていた平成時代に学生をやっていたわけなんですが、当時使っていたシャープペンシルもいつだったか学校の先生からプレゼントされたものでしたし、あるいは先端を火であぶって炭にした棒切れでもって勉強をしていましたから、もちろん夏は蛍の光、冬は窓に積もった雪あかりでもって照明としていました。

さて、そんな感じでオフィス用品あるいは文具などにはさほどこだわりなく使っているおれなんですが、唯一ボールペンだけはたいへんなこだわりを持っていて、これじゃなきゃ文字なんて書きたくない!と思って選んでいるボールペンがあります。それがPILOT社から発売されているV CORNです。

無駄のないデザインなのに、お値段たいへんお求めやすい100円そこらということ、また勉強をする際に校庭に生えている木の枝を捥いで火であぶる必要もないということで、学生時代からこれを喜んで買っていたわけなんですが、この真価を大いに味わったのが大学時代です。当時コピーライターになるための塾に通っていたもので、アイデアを書いて考えることが多かったんです。頭の中に浮かんでは消えていく泡のような考えを取り逃さないよう、文字を書くスピードをことばが頭に浮かぶスピードに限りなく近づけたいと思っていたのですが、そのへんに売ってるボールペンなんかだと書きはじめにインクがつぶれてしまったり、文字の濃さが不ぞろいだったり、時にはインクが出ないなんてことがよくありますでしょう。

そもそも市販の油性ボールペンは、ペン先に粘度の高い油性インクを付着させた小さなボールを回転させることで文字が書けるものなんですが、例えばうっかり必要以上に空気を含んでしまったりするとカスレの原因になったり、あるいは書く際にペンを寝かせてしまうと、ペン先のボールを掴んでいる部分が紙の表面に当たってしまい、当然この部分はインクを付着させるつくりにはなっていないですから、これもカスレの原因になってしまうということです。一方でこのV CORNは粘度の低い水性タイプのもので、直接ペン先にインクが伝わるのでこういったインクのツブレ、カスレがインクがなくなるまさにその時までほとんど起こらないというのです。

それで話を戻すんですが、とにかく書き味がなめらか!書いてるとスラスラという効果音が、比喩とかじゃなしに本当に聞こえてくるよう。頭に浮かんだ面白い考えやことばというものを、頭に浮かぶスピードに最も近く書き写すことができるのが、このV CORNというボールペンなのです!

たいへん優れたボールペンなのですが世の中でこれを使っている人をあまり見かけません。こんなにも良いボールペンの書き味をみんなにも味わってもらいたい!スラスラと文字が書けるこのボールペンでみんなの生産性を一段階アップさせたい!そんな風に考えているおれは、別に誰に頼まれたわけでもないのにここ10年近く、このボールペンの普及推進活動をひとりで行っています。

友達になにか書くものを貸してくれと言われたときに差し出すのはもちろんV CORN。ペンケースにはV CORNが大量に入っていますから、書き味を気に入ってくれたようであれば別に返さなくてもいいから、と譲り渡していますし、会社で社員が自由に使える共用物ペンが挿してあるペン立てには、常に数本V CORNをこっそり忍び込ませています。インクが切れていたら差し替えます。毎月AmazonでV CORNの箱入りの10本セットを買い求めていますが、自分のために使うのはその半分にも満たないでしょう。もはや普及活動のために買い求めていると言っても過言ではないという、一種変態の域に入っているのですが、つまりそれほどおれがV CORNに惚れ込んでいるということなのです!

そういえば、年末にこんな記事を書きました。

その後結局なにを贈ったのか書かずじまいでした。実はパーティ前日の夜に生ハム原木が5,000円くらいで売られているのを見つけまして、直前までこれを贈るつもりでいたのですが、友人に相談したところ結論考え直したほうが良いということで、最終的にモレスキンのノートと合わせてV CORNを数本包んでプレゼントにしたのです。

このプレゼントは結局社長の手に渡ったのですが、V CORNが数本入っていたこともあり、パーティに参加していたチームメンバー全員に一本ずつこのボールペンが行き渡りました。パーティの最中、「100円のボールペンをチョイスするなんてお前はなんてせこいやつなんだ」と言われたりもしましたが、年が明けるとどうでしょう。あの日V CORNを譲り受けたチームメンバー全員がV CORNを使い続けていて、「さんしさん、あのボールペンヤバいっす!」と太鼓判を押しているのです。全員プランニングの業務に従事している人たちです。たしかに、ことばが頭に浮かんだスピードに限りなく近く紙に書き写すことができますと、彼らはみな口をそろえてそう言うのです!

というわけで、今度にボールペンを買い求める機会があればぜひこのV CORNを買い求めていただきたいということなのですが、このV CORN、新品にはキャップにバーコードと値段が書かれたシールが貼られているのですが、これを剥がしてから使い始めるのがV CORNユーザーのお作法です。これはPower Pointで資料を作り始める際にシートの大きさをA4サイズに設定すること、あるいはテレビ業界でスポンサーに配慮して飲み物のラベルを剥がしてゲストにお配りするのと同じくらい重要なお作法ですので、ぜひ覚えて帰ってください。そんな感じです。


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