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デフォルメ技法による風刺表現:細い足が意味する階級構造と社会批判

 BSさんから『チャップリンとか、ビゴーの風刺画とか(モンキー・パンチの絵と似ていません?)😊✨✨』との質問をいただいたので、これらの何が共通点なのか解説します。

#チャップリン 、19世紀の #風刺画 #モンキー・パンチ の漫画の共通点は、足の細さの #デフォルメ です。

 チャールズ・チャップリンはバギーパンツと、不釣り合いに大きめの靴を履いて足の細さを強調するという手法を取っています。

 ジョルジュ・フェルディナン・ビゴー(Georges Ferdinand Bigot:1860~1927)は、フランス生まれの画家、イラストレーター、風刺画家で、主に日本で活動しました。彼の風刺画は、明治時代の日本社会を外国人の視点から捉えた作品として知られており、ビゴーの風刺画は、私の世代だと中学校の社会科の教科書に載っていました。

 19世紀の風刺画で貴族や金持ちや上流階級の人物の足を細く描くことは、当時の社会的・経済的な格差や階級差を風刺的に表現する手法の一つでした。このような描写は、彼らが肉体労働をせず、裕福で快適な生活を送っていることを強調することで、細い足は身体的な労働から遠ざかっていること、およびその結果としての身体的な『弱さ』や『儚さ』を象徴しています。この表現方法は、上流階級の人々が社会的には高い地位にありながらも、道徳的、肉体的な『堕落』や『虚弱さ』を内包しているという皮肉も込めています。

 それから、モンキー・パンチ #ルパン三世 の漫画版が発表されたのが1967年です。この時代はロック音楽やモッズ文化が世界的に大流行して、ルパン三世や #次元大介 のようなスリムパンツが格好良いとされていた時代の影響を受けています。

#武智倫太郎

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