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近未来麻雀小説(14)新中華麻将テーマパーク

これまでのあらすじ

 遠山金太郎の #第二交代人格 の萬田金次郎が #メタバース の新中華麻将テーマパークを完成し、マチルダを花形雀士として、 #麻雀 トーナメントに参加させることを企んでいた。

 このトーナメントには噛ませ犬として、顔は見るからにツキに見放された落ちぶれた町奉行のような人相に急変した最弱雀士のような遠山金太郎の #第三交代人格 の『ハコ割れの金さん』が勝負に参加することが、新華強北町のみならず、広東省深圳市全体のSNSで大きな話題となっていた。

広東省深圳市全体のSNSで大きな話題

新中華麻将テーマパークからの招待状

#ツンデレ 雀士の『哭きの青猫』の雀士名で知られるマチルダが、充電のために四畳半一間のアパートに帰宅すると、部屋の中には見覚えのない雀卓の上にMAJAN GAME事務局という謎の組織から黒い封筒に金色の文字で、MAJAN GAME THE FIRST STAGEと書かれた招待状と100万PayPayポイントが置いてあった。

MAJAN GAME THE FIRST STAGE招待状

 マチルダが招待状を開くと以下の内容が書いてあり、これはどう考えても、 #甲斐谷忍 原作の #ライアーゲーム #パロディ としか思えなかった。

マチルダ様

おめでとうございます。
あなたはこのたび10万分の1の確率をくぐりぬけ、見事MAJAN GAME TOURNAMENTENTRYされました。
ご検討をお祈りいたします。

MAJAN GAME事務局

新華強北町・新中華麻将テーマパーク・MAJAN GAME事務局

新華強北町・新中華麻将テーマパーク

 このゲームは参加しないと200万PayPayポイントの年貢が徴収されることになっており、年貢を納めるのが嫌なら参加せざるを得ない条件になっていた。

 年貢を納めるのが嫌だったマチルダは、これが新華強北奉行所の謀略だと知りつつも、『ふん、勝てばいいんでしょ。勝てばね』とツンモードになって、マチルダのスタンドの♬Have a Cigarを出して、見覚えのない雀卓にイカサマ機能が仕込まれていないか確認してから、雀卓についていたコードを首の後ろのソケットに、まるで #攻殻機動隊 #草薙素子 のように突き刺した。

マチルダのスタンドの♬Have a Cigar

 その雀卓は新中華麻将テーマパークに接続してあり、マチルダの目の前に映し出された新中華麻将テーマパークの事務局長でディーラーの新華強北奉行所麻将奉行からルール説明が行われた。

『新中華麻将トーナメント参加目出とう御座る。拙者がこのゲームのディーラーで御座る。これよりこのゲームのルールを説明いたす。ゲームは旧日式麻雀東風戦・アリアリアリアリアリアリアリ~。アリーヴェデルチ!(さよならだ)ルール。ゲーム参加者に渡してある100万新華強北町債(地方債)を見事、200万まで増やせば年貢100万、それ以下だと、例え199万でも年貢200万で御座る。面子はこの麻将奉行が決める。本日の第一トーナメントは、ハコ割れの金さん、マチルダ、北町十八羅漢第一小隊、モリエホンと致す』と宣言すると、ゲーム開始を意味する銅鑼の音が鳴り響いた。

 十八羅漢の機能を知り尽くしているモリエホン元伍長は、マチルダに向かって『こりゃぁ、かなり旗色が悪いぜ。十八羅漢小隊が連動して #スワームロボティクス 打ちをすると、俺やあンたじゃ、とても歯が立たねぇ。奴らは九龍城戦線で台湾陸軍の #マッド軍曹 (サージ)を打ち負かしている兵どもだ! ここは俺とコンビ打ちで戦わないと、ハコ割れの金さんを潰したところで、俺たちでは勝ち目がないぜ』と共同戦線を持ちかけた。

 マチルダはモリエホンに電脳暗号通信で、『あンた、いまハコ割れの金さんの人格が変わったのに気が付かなかったにゃ? あれは、遠山金太郎の #第四交代人格 で、裏プロ生活で一世紀無敗『将鬼』と呼ばれていた積み込み名人の桜乃金一にゃり。旧日式麻雀東風戦で一番要注意なのは、十八羅漢小隊じゃなくて、桜乃金一にゃり』

 東風戦の序盤、静かなバーチャル雀荘の電脳牌を切る効果音だけが響くなかで、四人の雀士が集中している。対局はまだ始まったばかりだが、既にそれぞれの戦略が繰り広げられていた。

 緊張感がバーチャル雀荘を包み込む中、マチルダは静かに手牌を眺めていた。彼女の手は確実に形を成していく。【一筒】【二筒】【三筒】の順子が完成し、彼女の眼差しは、次の一手を模索していた。バーチャル雀卓に積まれた牌の山から、彼女は静かに【四筒】を自模った。筒子の清一色・一気通貫を狙っていたマチルダには完璧な引きだった。マチルダは【一萬】を捨牌した。

 次に手番が回ってきたのは下家の桜乃金一だった。彼の眉間には思索のしわが寄っている。彼の手牌は複雑な形をしており、どの牌を引いても、どの牌を捨てても、リスクがあったが、迷わず【五萬】をポンと哭き、この一手は、彼の慎重さと状況判断の鋭さを表していた。

 ゲームは更に続き次々と牌が捨てられ、山は少なくなっていく。そして、突然、静かなバーチャル雀荘に『自摸!』の一声とともに【9索】を晒し、親の羅漢壱号が勝負を決めた。

 羅漢壱号軍団の手牌は【1索】【1索】【1索】【2索】【2索】【2索】【3索】【3索】【3索】【7索】【8索】【9索】【9索】自模【9索】で、清一色(6翻)、三暗刻(2翻)、三連刻(2翻)、自摸(1翻)の11翻で、親の三倍満の36,000点だった。『12,000通し』

 この点数の数え方が正しいかどうかは、ゼロシグマ師匠に確認してもらわないと、まだ、旧日式麻雀の点数の数え方が解っていない作者の俺には、これ以上、話を進めることができなかった。

つづく…


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