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ひろゆきの無知問題:社会にどのような影響を与えるか

AI無知倫理学に学ぶ、ひろゆきの『無知』リスク

ひろゆきの『人生を変えた本・ベスト3』とは?
1位:ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』
2位:マルク・レビンソン『コンテナ物語 ーー 世界を変えたのは「箱」の発明』
3位:コーラン

 ひろゆきのこの主張は、 #ジャレド・ダイアモンド の著書『 #銃・病原菌・鉄 』で提示された『 #地理的決定論 』に基づいているようです。但し、ひろゆきの『無知』に起因すると思われる誤解や、ひろゆき独特の簡略化があるため、彼の発言を無批判に受け入れている #情報リテラシー の欠如した、 #エコーチェンバー現象 の泥沼から抜け出せない方々には、 #無知感染リスク があります。
 
 ひろゆきのこのTwitter情報だけを鵜呑みにしてしまうと、どのような無知感染リスクが潜んでいるかについて以下に指摘します。
 
(1) 南米の家畜に関する誤解:主張では南米にはアルパカしかいないと述べていますが、実際には南米には他にも家畜化された動物が存在します。例えば、アルパカに近縁の動物であるリャマも家畜化されており、アンデス地域で運搬や毛皮、肉の供給に利用されています。
 
(2) 地理的要因と文化的要因の関係の簡略化:主張では、ユーラシア大陸の東西方向の長さと、そこに存在する穀物や家畜がヨーロッパ人の覇権を握る理由であると述べています。しかし、地理的要因だけで歴史の結果を説明するのは簡略化しすぎであり、文化的要因や政治的要因も重要な役割を果たしています。例えば、技術革新や政治組織、宗教、哲学などもヨーロッパ人が覇権を握る要因となっています。
 
(3) 人口増加と発展の因果関係の簡略化:主張では、ユーラシア大陸の人口増加が発展の速さに直接関係していると述べていますが、これも簡略化した見方です。人口増加は発展に影響を与える一因ではありますが、他にも技術革新や資源の利用、貿易、文化交流など、さまざまな要素が発展に関与しています。
 
 このように、ひろゆきの主張には誤解や簡略化が含まれており、歴史の結果を地理的要因だけで説明しようとする考え方には限界があります。歴史の理解には、地理的要因だけでなく、文化的要因や政治的要因、さまざまな要素の相互作用を考慮することが重要です。
 
ひろゆきの『無知』問題の発生要因の分析
 
 ひろゆきの『人生を変えた本・ベスト3』を彼が、どのように解釈し、どのように理解しているかは、AI無知倫理学的なアプローチでは解りません。また、解る必要もありません。なぜなら、この学問の目的は、ひろゆきの無知そのものを分析することが目的ではなく、ひろゆきのような人物の無知が、社会に対してどのような『無知問題』を引き起こしているかに重点が置かれているからです。
 
 それで、一般的なプロファイル手法を用いて、ひろゆきを分析すると、彼は国際的な視野を持ち、知的好奇心が高く、社会や技術革新への関心があり、精神性への探求も大切にしている人物であると推定できます。この3冊は、異なる分野やテーマを網羅しており、ひろゆきが幅広い知識や異文化理解を追求することに価値を見出していることが伺えます。
 
 一方で、ひろゆきの発言は、特に独創性があるものではなく、単に異なる分野の国際的なベストセラーから得られた、底の浅い知識をひけらかしているだけだという、底の浅さも露呈しています。さらに、これらの書籍を『人生を変えた本・ベスト3』に選んだ、ひろゆきの読書傾向のみの情報に基づき、AI無知倫理学的観点から分析すると、ひろゆきには以下のような無知が潜んでいる可能性があることが分かります。
 
(1) 現実的な問題への無知:幅広い知識や異文化理解を追求することに価値を見出す一方で、日常生活や現実的な問題に対する理解が疎かになる可能性があります。たとえば、個人の健康、家庭問題、地域社会の問題など、具体的で日常的な課題に対する知識や関心が不足しているかもしれません。
 
(2) 自己認識の不足:知的好奇心が高く、多くの分野に興味を持つ一方で、自分自身の価値観や感情、行動パターンに対する理解が不足している可能性があります。自己認識の不足は、自分の弱点や限界を認めることが難しくなることを意味することがあります。
 
(3) 専門性の不足:幅広い分野に興味を持つことは良いことですが、その一方で、ある特定の分野に深く没頭し、専門的な知識やスキルを習得することが疎かになる可能性があります。これにより、専門的な知識を必要とする状況において、自分の無知に気づかないまま過ごすことがあるかもしれません。
 
(4) 他者とのコミュニケーションの難しさ:知識や異文化理解が豊富な一方で、他者とのコミュニケーションや共感能力が不足している可能性があります。他者の視点や感情に寄り添うことが難しく、自分の知識や経験を押し付ける傾向があるかもしれません。
 
 このような見落としがちな無知に気づくことで、自己の成長や他者との関係の向上に役立てることができます。自己反省や他者との対話を通じて、自分の無知に気づき、それを克服する努力を続けることが大切です。

AI無知倫理学的観点からの問題提起

 本稿は、ひろゆきの『無知』を分析するのみならず、情報・AIリテラシー上のバイアス問題や、プライバシー問題も同時に提示しています。
 
(1) 情報・AIリテラシー上のバイアス問題:本稿の筆者は、ひろゆきの日頃の言動や、彼の著書などを調べずに、彼が『人生を変えた本・ベスト3』として取り上げた情報と、Twitterの情報といった限られた情報で、彼をプロファイルしているため、本稿自体が非常にバイアスのかかった原稿になっている可能性があります。
 
(2) プライバシー問題:犯罪捜査のプロファイル手法や、AI無知倫理学的手法を用いると、たった三冊の愛読書の情報だけで、かなりの精度で人物像が浮かび上がってきます。このことは、ウェブの閲覧履歴、SNSで発信した情報、ネットで購入した商品履歴、検索履歴といった断片的な情報だけでも、人物像をプロファイルすることが可能であることを示唆しており、AI社会においては、特に個人情報保護が重要な課題として、取り上げられている背景でもあります。

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