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歳を重ねてきたからこそ手に入れたもの

女性だから、年を取るのは嬉しくはない。

25を過ぎた頃から、"賞味期限は切れたんだ"と、女としての価値が下がる一方だった。29目前に独身であることに焦りを感じて、「結婚」という2文字を漠然と追いかけ足掻いた。たった1年で何もできず、独身のまま30を迎える。

思えば、私が描いていた"未来予想図"とは程遠い現実。25くらいには結婚して、すぐにお母さんになって、3人くらいの子供に囲まれてバタバタな毎日だけど充実した生活を噛み締めているそんな未来計画を立てていた。

まだ結婚もしてないし、子供もいないし…。
大丈夫?わたし。

と、情緒不安定なまま30代を駆け抜けた。30も後半になってくると、歳を数えるのが億劫になり自分が一体いくつなのか分からなくなる瞬間がある。望まぬともやってくるオバサン化。

街で若者を見かけるとキラキラして見える。私にもそんな日々はあった。遠い昔の栄光に今でもしがみついている。

ここまで読んだあなたは歳を取りたくないと思っただろう。赤ちゃんとして生を受けてから、嫌でも向かっていく老いに誰もが抗えない。社会に揉まれて水晶のように純粋だった心も濁っていく。

顔にはシミが増えた、シワも。それでも生きていかなくてはならない、これからも人生は続いていくのだから。

若い頃の私は尖っていた。自分ヨガリのものさしで斜めに見て、思い通りにならないとイライラして。いつもふてくされた顔で生きていた。きっと、それまでの私は人間関係で傷つくことが多かったために人を寄せ付けないのが自分を守る唯一の術だったのかもしれない。
傷つきやすいからこそ、信念を強く持ち誰かの意見に揺るがないように必死で虚勢を張っていた。

歳を追うごとに、周りの環境は変わっていき「可愛がられる存在」から「可愛がる存在」へと役割が変化していく。尖っていた心は少しずつ削られていき、いつの間にか丸みを帯びていく。気づかぬうちに良き先輩になっていた。

できれば歳は取りたくない、若いままでいたい。

誰でもそう思う。だけど生きてきた分、経験値は上がり人間としての深みをつけていく。性格も豊かになっていくし、人を見る目も養える。歳を取るのも悪いことばかりではないなと37になってようやく思えるようになってきた。

誰かと協力して生きていくこと。強がらず弱いところも見せていくこと。時には甘えて誰かに頼ること。若い時には出来なかった。

昔よりも今の自分の方が少しだけ好きになれた。

心が豊かになり、人に優しくなれる贈り物

歳を重ねてきたからこそ掴めたもの、あなたにもきっとあるはず。

そうじゃないと、老いてまで時間を費やす意味がないよね(笑)

最後まで記事を読んでくれてありがとうございました!