見出し画像

嘘の武勇伝032

2020年7月5日(日曜日)

僕は子供の頃から勝負事の時は凄く緊張するんです。

ましてや今回は久しぶりに、比喩表現じゃない方の“命懸け”の戦いのなのでスーパー緊張してるんです。

子供の頃は周囲の大人(主に親)に「緊張するな!リラックスしろ!」とプレッシャーをかけられ、それでより心理的コンディションが悪くなる事があったけど

大人になって、自分の経験則から得た価値観に「緊張してて良い」というものがありまして、というか勝負事に挑むのだから「緊張するのが当然」「リラックスなんてする必要がない」という事なんです。

勝負事に挑む際に「リラックスしろ!」なんて言葉を言える人間は、人生の中で一度も“本当の勝負”をした事のない人間なんだと思う

リラックスして戦える戦場なんてこの世には存在しないのだから

で、少年から聞いた話だと、過去5回の僕はロボヒグマがテレポートして来る位置から数メートル離れた所で待機し、ロボヒグマが出没すると一気に距離を詰め、戦闘を開始していたらしい

つまりは格闘技の試合の要領で

でも、今回は“眼球長押し13秒”に行動を限定してるので、予め近い位置にいた方が良いだろうと判断し、もうロボヒグマの出没スポットのど真ん中で待ち受ける事にしたんです

テレポートの科学的メカニズムが分からないのでなんとも言えないけど、もしかしたら僕が邪魔でロボヒグマが出没スポットの座標を変えて来るかも知れないし、あるいはテレポート場所に僕がいるのにロボヒグマが転送されて来て、僕とロボヒグマが合体融合してしまうかも知れないし、最悪の場合テレポートして来たロボヒグマと入れ違いに僕の肉体の一部がロボヒグマの転送元に送られて、戦う前に僕がただの肉片になってしまうという可能性もあるけど···

そこはトライアルアンドエラーの一つのパターンとして試すだけ試す事にしたんです(ダメだった場合は僕が死んでロボヒグマ退治は次回の僕に任せる事になるけど)

で、正午ジャスト!

映画などでは、閃光が走ったり、煙りが出たり、空間に水面の波紋の様なモノが現れたりしてテレポートして来ますが、実際はそんなエフェクトはなく、何の予兆もなく、いきなり目の前に獣毛が

ボン!

って表れて

まぁ獣毛と言ってもロボだからフェイクファーなんだろうけど

で、瞬時に状況把握をする僕、実戦ではコンマ何秒の遅れが命取りになるのでその辺の判断は迅速なんです。

どうやら僕の身体はロボヒグマと融合したらしい

これにより“眼球長押し13秒作戦”の一番の問題点だと危惧していた「ロボヒグマに振り払われ離されてしまう」のリスクが無くなった訳です、なんせくっついてるので

で、すかさず僕はロボヒグマの眼球を人差し指でプッシュ!

そのまま押し続けると

びこーん!

と電子音がなり

カーナビの女性的な声で

「残り10秒です」とアナウンス

そこから「9」「8」「7」···

とカウントダウン

もうくっついてるから何の苦労もなく長押し継続

「2」「1」

びこーん!

「お疲れ様でした。」

アナウンスの音声が終わると同時に周囲の景色が変わる、見慣れた札駅ではなく、鈍い光沢を放つ茶褐色の壁に囲まれた円形の部屋の中だ

ロボヒグマと一緒にテレポートされたらしい、くっついてるので

僕はこの壁の材質を嫌という程見た記憶がある、しゃべる犬と一緒にアトランティスニベアを求め、体感時間にして1200年余りさまよい続けたアトランティス文明の遺跡と同じ素材···アトランティス粘土だ

と言う事はこのロボヒグマタイムリープバトルの首謀者は、アトランティス王家の末裔の連中だな

※アトランティス編はまだアップしてませんが、このnoteにその内書く予定の話です。アトランティス人はタコみたいな外見(昔のSFに出てくる火星人的な)で地球の先住民なんだとか、我々人類の方が地球外の惑星から入植して来た外来種らしいです。

で、案の定アトランティス人が現れ

「くっついちゃった?とる?」と流暢な日本語

「とって」と僕

アトランティス人はすべての個体が記憶を共有してるので、今僕と話してるヤツが初対面かどうかはわからないけど(外見もみんな同じなので)おそらくアトランティスニベアの件で僕の事を知ってるだろうし、覚えてるはず(アトランティス人の脳には人類と違い「忘れる」という機能が備わってないので)

「まだニベアある?」とアトランティス人

「もうない」と僕

「いる?」とアトランティス人

「ちょうだい」と僕

「フォーメン?」とアトランティス人

「青缶」と僕

で、無事ロボヒグマと分離して貰い、お土産にアトランティスニベア(青缶)も貰って、テレポートで帰宅。

技術的な理由で6月29日に戻されるとのこと

※アトランティス人は全宇宙のあらゆる言語に精通してるが、どの言語でも話し方がボクトツとしてるのが特徴で、何となくアトランティス人と話す時は僕もそのペースに合わせて話す癖があります。

で、帰宅したのが6月29日(月曜日)の0時なので、僕も一週間はタイムリープした事に、という事は一週間分の労働を二重に働く事になった訳で

何か損した気分

まぁニベア貰ったし、ロト7を少年と山分けするし、良しとするけど

続く。