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編集者から見た「一緒にお仕事をしたいライターさん」とは?

先日、編集者のお仕事について書きました。

今日は、ライターの仕事について語ってみたいと思います。
ただ、私はライターではないので、あくまでも「編集者から見たライターというお仕事」についてです。

会社によって、媒体によって違いますが、紙でもWEBでも編集者が企画をして、ライターさんに執筆を依頼することが多いです。
ライターさんの一番のお仕事は、文章を書く事です。
「私は文章が得意です」ということは素晴らしく、そのような方に執筆を依頼したいのはもちろんです。ただ、ライターさんのお仕事はこれ以外にもたくさんあるのです。
今回は、編集者から見た、「一緒にお仕事をしたいライターさん」についてお話してみます。

ライターと言っても様々!

私が雑誌編集者になったのが2006年ぐらいです。この時、SNSはmixiと個人のブログぐらいしかなかった。情報を発信する媒体は雑誌かフリーペーパーかホームページかブログか…と、今よりも何かを発信する機会が明らかに少なかったです。
今は、SNSの発展により、誰でも情報を発信することができ、インフルエンサーになることも可能です。そのため、ライターの意味合いも少し変わってきていると思います。
今回は、雑誌や企業が作成するWEBなど、編集者からの依頼で文を書く、ライターさんについてお話をします。

まず、掲載ネタを探す

私は、観光の記事を作ることが多かったので、その観点でのお話になります。
雑誌は企画が全てです。読者の課題があり、その課題を解決するためにどういった切り口で紹介するか。これは全てのジャンルにおいて言えることだと思います。編集者が企画を固めて、記事の内容が決まったら、ライターさんに依頼をします。
例えば編集者が「●●観光地の最新の遊び方特集」という企画を立てたとします。編集者はライターさんに、企画概要を説明します。
ここで大切なのは「最新の遊び方」の概念についてです。これは、編集者が固めないといけない。人と触れない密にならない遊び方、NEWオープンスポットをめぐる遊び方、SNSで人気の場所を遊ぶ遊び方、など「最新」といっても人によって解釈が違います。そこをしっかりライターさんに話します。
編集者がある程度の掲載スポットは探していますが、ここからライターさんに、企画に合う掲載スポットを探してもらうこともあります。
そして、それを編集者が見て、掲載スポットを確定させます。
これは、観光の場合ですが、例えば美容であれば企画に合うコスメ、街ネタであれば企画に合う飲食店、ファッションであれば企画に合う洋服、など考え方は全て同じだと思います。
大切なことは、企画の趣旨を理解して頂けるのかということです。

取材に行く

掲載スポットが決まれば取材に行きます。取材のアポ入れを編集者がするか、ライターがするかは会社によって、業務依頼によって様々です。私はお願いすることもありましたし、自分ですることもありました。業務を受けるときに業務範囲の確認をすることは大切です。
取材は、ライター、カメラマンは必ず行きます。編集者は記事を何本もまわしていることが多いため、全ての取材に同行することはできないのが現状です。
取材で大切なことは、「企画趣旨に合った取材ができるか」
企画が「最新」なのに最新でないものばかり聞くと、企画趣旨とずれてしまいます。
どれだけ最新の情報を聞き出せるか、企画趣旨にあった「最新」が聞けるかがポイントです。

ライティングをする

取材が終わるとライティングをします。
文字数が決まっていることが多いので、大前提として、文字数内で情報をおさめることが必要です。雑誌は情報を読者に伝えないといけません。
飲食店であれば、金額、オープン時間、場所、定休日。コスメであれば、金額、どこで買えるか、どんな人にいいか…など、読者は情報を知るために雑誌を手に取ります。有益な情報をどれだけ詰め込めるか、そして、何度も言いますが「企画内容に合った」ライティングができるか。これもとても大切です。
どんなに素晴らしい文章を書いて頂いても、企画内容とずれていたら、残念ながら記事としては失敗です。
その後、契約内容によってはライターさんに取材先に原稿を出して頂く先方だしをお願いすることもあります。

他にも細かいお仕事はありますが、こんな感じです。

一緒にお仕事をしたいライターさんとは?

記事は、編集者だけでは作れません。ライターさん、カメラマンさん、デザイナーさんがいないと作れません。ですので、編集者にとってライターさんは本当に大切な存在です。

私は今、ライティングもしますが、基本的にディレクターの仕事が多いので、ライティングは自分の企画で手が足りないときに自らする、という感じです。
文章力、表現力はとても大切ですが、上記を踏まえて私が感じる「一緒にお仕事したいライターさん」についてお話します。

一番は、何度も話している、企画趣旨に沿って取材、ライティングをしてくださること。
これは、今までお仕事をした方皆さん、企画趣旨に沿ってライティングをしてくださったので、私は困ったことはないのですが、私はこれが一番大切なことだと思います。どんなにすばらしい文章を書いてくださっても、企画趣旨とずれると、企画が成り立たなくなります。
編集者がいかに自分の企画の熱意を伝えるか、が大切にもなってきます。

そして、納期を守ってくださる方。
当たり前の事ですが、クリエイティブの仕事は沢山の方が関わるので、何かが遅れると全てが遅れてしまいます。ですので、納期というのはとても大切です。

文章力については、あまりにも難しい表現や凝った言い回しをされるよりは、私はシンプルで分かりやすい文章を書いてくださる方が嬉しいです。
ただ、これも企画趣旨によって変わってきます。
以前、文章の書き方について書いてみたので、参考にしていただければと思います。

まとめ

今は、自分の表現を発表する機会は沢山あり、ライターさんのお仕事も多岐にわたっています。今回はあくまでも情報を発信する雑誌についてお話をしましたが、編集者の熱意が全てに関わってくるので、私も「伝える」時には気を付けて伝えています。
楽しく、企画を盛り上げていけるライターさんとお仕事をするのはとても楽しいです。

結局、大切なのは「想い」ですね。
あくまでも一例ですが、参考にしていただければと思います。


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