湿った夏の始まり

関東が梅雨入りしたというニュースが流れてきた。南向きの窓が大きい部屋からは、ぽつぽつと雨の音が聞こえてきて、曇りだけれど明るい。

今年、20周年を迎えるアーティストのアルバムが発売されて、昨日手に入れて一日聴いていた。明後日には、会える。夢みたいだ。

先日友人と、アーティストを応援するのは、お金を使うことがいちばんだという話になった。好きな人たちにこれからもずっと活動し続けてもらうためには、シェアすること、共感して広めること、お金を使うこと、楽しむこと。学生の頃よりも、お金を使える幅が広がって、やりくりすれば好きなだけ応援できるようになったことが嬉しい。CDを買うこと、書籍を書店で買うこと。会えるならば、会いにいくこと。それが物理的な距離が少なくできる環境に居られるのが幸せだ。

無料で曲を聴くことができるようにもなったけれど、それでも私はCDを買うし、フラゲしたとTwitterにつぶやくし、街にポスターがあれば写メを撮る。お祭りみたいなことが好きなのかもしれないな。別に深く考えなくとも、お金を払うことへの抵抗が減っていったらいい。

子供のころ美術館に遊びに行ったとき、普段は贅沢はあまりさせてくれない母から、好きなお土産をひとつ選んでいいよ、と言ってくれていたことを思い出す。きれいな色のガラスでできた写真立て、気に入った絵のポストカード、つくりものの貝殻。思えば、本を借りたり買ったりしてもらうことや、音楽を聴きに行ったりお芝居を見に行ったりすることに対して、地方に住んでいながらもたくさん経験させてもらってきた方だったのかもしれない。だから、そういう機会に対してばーんとお金を出すことの英才教育を受けてきたのかも。

これからも、応援する人たちに、たくさん応援してますと伝えよう。20周年、おめでとうございます。明後日からのツアーでたくさん笑いたい。大好きで、これからもわたしの光。

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