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心のなかにスイスイさんを棲まわせる

スイスイさんを知ったのは、cakesの連載記事がTwitterのタイムラインに流れてきたから。”メンヘラ・ハッピーホーム”なんだかすごい連載タイトル。相談文をクリックしたら、元メンヘラで史上最強の元カノになりたいという、スイスイさんのお悩みに対する回答は、「あなたの本当のお悩みってどういうことだっけ?」と相談者さんにとことん憑依して、寄り添って、そして読むわたしたちの心も整理してくれるものだった。

書いて!並べてみて!自分を観察してみて!

連載でも、noteでも、そして今回発売された本のなかでも、彼女は繰り返す。そして、具体的にそれってどういうことなのか、どうしたらいいのかを、とっっってもわかりやすく示してくれる。相談者さんからしてみれば、厳しいのかもしれない、本当のことを言っているから。でも、言ってしまえば赤の他人にここまで向き合って、意地悪な回答もできるのに、いいところを照らして、ハッピーに向かって送り出す。相談文を読みながらいわゆる世間の批判の目を向けていた自分自身が、洗われていく感覚は、毎回心地よかった。

私が本のなかで、真似しよう!って特に思ったところをまとめてみる。

◼︎解決癖をつける
この世には、悩んでいる状態が好きな”愛悩家”もいる。でも、解決癖をつけたほうが生きやすいと思うなら、むだに悩むのでなく、真の悩みが何かを把握する癖をつける。自分の本心に関係ない悩みだと気づけたら、そもそも解決する必要も悩む必要もなくなる。
◼︎自分を観察する
日頃から自分の何気ない選択を観察して、なぜそれを選ぶのかを考え続けること。自分の地球は何を中心に回っているのかを知る。それは、世間的に誇れることじゃなくても、まず知る。なりたい自分を暴き出し、最新の欲や具体的にすべきことと向き合う。

スイスイさんは、押し付けない。悩んでいる状態の自分が好きな人もいるし、人生のなかでそういう時間があってもいいと肯定する。その人が選んでその場所にいるならば。でも、苦しい、解決したい、と本当に思うのならば、そのために行動せよと背中を押してくれるのだ。答えは自分のなかにしかない。どの回答も、本のどの部分も、「あなたはどうですか?」と問いかけてくる。だから私は、読みながら何度も考える。わたしは、本当はどう思っているのだろう。

そして、印象的だったのが、メンヘラ時代を経て、リア充(死語かもしれないけどあえて使っているそう)の今、本の後半に書かれていたこと。
”自分以外の誰かを幸せにしたいという欲が叶ったときの充足感が、何物にも代えがたい幸せだと知ってしまった”
”自分一人の意見じゃなく、他の人の意見も取り入れて考えるってこんなに可能性を広げるんだと気づけた”
押し込まれて今の場所にいるのでなく、自ら望んで、世間とかを気にしているわけでなく、自分で選んでそこにいることが伝わる。

この選択が、占いで不幸しかないと断言されたとしても、それでも選びたいか?誰にもわからないと思うけどまあやるわ、みたいな強さが備わってしまって、迷わなくなった。

心のなかにスイスイさんに住んでもらおう。迷うとき、メンヘラ側にスイッチを入れて暴走したくなるとき、「因数分解して!」と淡々と自分に伝える。仕事でモヤモヤするとき、パートナーに理不尽に怒ってしまいそうなとき、伝えたいことを感情的でなくできるだけ論理的に伝えたいとき。
本の出版、おめでとうございます。noteのマガジン、cakesの復活連載、小説、インスタの更新もTwitterも、ぜんぶ楽しみにしています。大好きです。言葉にしてくれて、ありがとうございます。

(巻末のお悩み相談、壮大だった。読んだことがあるものも含めて、改めてずどーんと胸を打たれる。私は、自分ルールに縛られない/マルチ夫信仰から目を覚まして、って話が好きだ。常識っていらないものは、どんどん剥がしていこうって決めた。)

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