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letter|June 18,2021

やっと東京は梅雨入りが発表されましたね。お元気ですか?そろそろ梔子の季節なので、外を歩くときに株をみつけるとうれしくなります。旬が短いからこそ、楽しみです。

大豆田とわ子と三人の元夫、どこまでも坂元裕二さんワールドでしたね。久しぶりにドラマを追いかけて、SNSのタイムラインを追いかけるのが楽しかった。ドラマを繰り返し観たくて、サブスクリプションに加入したので、これまで観たことがなかった「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」「問題のあるレストラン」を観ていました。痛くて、続けて観ることが苦しいドラマでもあって、それでも、物語の中の登場人物たちは強くて、凛としていて、発せられる言葉に何度も救われる思いでした。あのシーンよかったよね、と誰かと話すこともめっきり減ってしまったけれど、手紙なら余韻も含めて届けられるからいいですね。

6月も折り返し地点を過ぎ、夏バテ気味なのか、元気とやる気を消失してしまった私は、なんだかぼんやりと生きています。こういうときに、仕事があってよかった。仕事をやること、役割があること、新しいことができるようになること。今は転職したばかりで頼ってばかりだけれど、早く一人前になりたいなと焦る気持ちと、着実に粛々と、という気持ちが交互に訪れます。パートナーと働き始めた会社の雰囲気について話したとき、私にぴったりだねその職場、と言ってくれたのでなんだか嬉しかったです。英語ができるようになったらきっと見えるものも広がると思うし、綺麗なことばかりじゃないものも含めて働きたいので、やる気を失っているばかりじゃなく勉強も本腰を入れたいです。でもきっと、5月の2週間は頑張りすぎていたんだと思います。自炊も、英語も、複業も、と”やらなきゃ”を詰め込んだ結果、ぷしゅーと穴が空いてしまいました。割り切って休む期間を設けたり、ひっそりと街に出かけて買い物をしたり、分厚い小説を読み漁ったり。ひとりきりでいることに慣れたつもりで、疲れてしまったので、頑張り過ぎずにやりたいことを続けていこうと思っています。

自分になんにもないな、と思ってしまうとき、名古屋港水族館のペンギンたちを眺めます。ペンギン水槽は南極に合わせた照明のため24時間灯りがともっていて、いつ見ても真っ暗じゃありません。夜になるとじっとして動かない子もいますが、1匹だけぷかぷか泳いでいたり、歩き回っていたりすることもあるので、見ていて飽きません。南極ではない地、でも、なんだかのびのび生きているようにみえる彼らが、たくましい。いるな、とただ思うんです。一人暮らしだと、その感情がほしいときがあって、言葉で代えられないものがあるんだよなと不思議な気持ちになります。いつか猫と暮らしたいと思っているのも、彼らの強さやしなやかさが羨ましく、ただいつまでも見ていたいからかもしれません、たぶん。

そういえば、もう遠い日のことみたいだけれど、先週、1年以上待っていたライブに行くことができました。赤い幕がおりて、スポットライトが当たって声が耳に届いた、その瞬間は言葉をなくしてただ立ち尽くしていました。この舞台を見るために、生きなくちゃと、大袈裟かもしれませんが思いました。ちゃんと1対1で届いた、ほんものだ、って。バンドメンバーも、お客さんも、みんな幸せそうで、夢みたいな時間でした。もう少し先になるかもしれないけれど、また声をあげられるライブを心待ちに、生きる。久しぶりに会えた友人も、元気そうで変わらなくて、それも嬉しかったです。人生が動いても、変わらないでいられること、稀有だからこそ大事にしたい。

なんだか壮大になってしまいましたね、雨がぱらぱら降ってきました。また来月に。

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