オンライン合唱の良いとこ悪いとこ

母のママさんコーラスのオンラインレッスンに、ボイストレーナーとして関わっている。かなり懐疑的だった「オンライン合唱」も、回を重ねるにつれて、オンラインでの良さというものも気付けてきた。

①発声練習の時に、頬が下がってしまう人が多いが、その際に「画面のご自分の顔を見て、頬をよく上げて、より美しいお顔にしてください」と言うと、かなり表情が良くなる。鏡を持たせるより無理がないように思う。
パート別に音取りをする際は、自由にその場を出入りできる。他のパートを聞きながら自分のパートを練習することもできるし、時間を区切ってあるので家の他の用事にその時間を当てることもできる。
個別にミュートを外し、それぞれの個別の問題点を指摘することができる。1人で歌うことはハードルが高いことだが、全員からリアルに直接聴かれながら歌うより、ずっと気持ちが楽だという。ネット環境によるが、リズムや音程はオンラインでも間違いがあれば的確に指導できるし、身体の使い方を口頭で指示するだけで歌唱が良くなった場合もあった。

ちなみに、前回のレッスンの時間割は
10:00〜10:40 ソプラノ音取り
10:50〜11:20 メゾ音取り
11:20〜12:00 アルト音取り
(12:00〜12:20 おしゃべり)
であった。パート別にそれぞれの時間に集まり、1人ずつ音を確認する(曲は既にやった曲)。5分ほどの曲なのに意外と時間がかかり、1人20分弱かかってしまったが、個別の対応は概ね好評だった。

「他の人のレッスンを聞いているだけで勉強になった」
「音が心配なところがみんな一緒で安心した」

どうやら、パートごとのグループレッスンは、ある程度需要がありそうである。

実際順調なようなzoomでのオンライン合唱だが、課題は山積みである。
合唱の醍醐味である、他人と声を合わせることができない。これが味わえないのは、本当に悲しいことである。デジタルで声を合わせるのとは、やはり全く面白味が異なる。
それぞれのネット環境の差がある。どうしても途切れ途切れになる人もいれば、1秒ないくらいの、ほぼタイムラグを感じないような人もいる。③機器によっても音質に差が出る
我が家では特別な機器は使っておらず、古いWindowsのパソコンのみでやっている。出来たら、コンデンサーマイクなどを買うべきだろうが、未だ無料のzoomで40分ごとに新しいURLを送り続けている母には遠い道のりであろう。
大人数でのオンライン会合でイヤホンを使うことは最早常識だが、それに加えて、特別な機器を使わなくても比較的音質が良い人は、マイク付きイヤホンを使っていた。やはり声の近くにマイクがあることが大事だと推測する。

「取り敢えずいろいろなことを試す」と母は言っている。歳の割に結構チャレンジングな母の試行錯誤はまだまだ続く。

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