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自分史上初の年末年始【皮膚生検から年末まで編】

あー、いー…ったー!

皮膚生検を行う前に足に打った局所麻酔を表現すると、こんな感じだった。
生検部分は2箇所。両方とも左足だったので、少し安心した。局所麻酔は、生検部分1箇所につき上下左右の4箇所に打つ。
針が刺された時にチクっと、麻酔が身体に入っていく時にジワーっと痛みを感じた。

診察を受けた12月25日から、この27日の生検までにも紫斑と呼ばれる赤い斑点は更に増えていた。相変わらず、関節は激痛で歩くのもしんどい。この日は特に、かかとがロックされてしまったように突っ張って動かなかった。

「また増えましたね…」

麻酔が効くまでの間、先生も心配そうに僕の足を診ている。その間、平気な顔をしていたが実際はかなりドキドキだった。
生検とはいっても、意識はあってこれからメスで皮膚をくり抜くという事実は、僕を心底ビビらせた。心臓の鼓動が明らかに増している。

「では、始めますね」

ピー…だか、ビー…だか、おそらく電メスか何かの音が断続的にしている。
それが皮膚に触れたであろう時に、ジジッと音がする。

今、切ってるのかなぁ。

想像してはドキドキした。
時間にして20分程度で皮膚生検は終了した。
術中の痛みはゼロ。数針縫ったようだった。

「あ、足冷たくなってますね。寒かったですね、すみません」

先生から言われたが、おそらく緊張で足先が思った以上に冷えていただけだったと思う。
全てが終わり、足には少しきつめに包帯が巻かれた。その後は、先生との話。

「今後これはやっちゃいけないとか、ありますか?」
「運動は控えときましょう。あと、辛いものも。血管を刺激するので。ただ、日常生活は通常通り送ってもらって大丈夫です」
「こうなったら、ヤバいってありますか?」
「お腹が痛くなったりした時は、すぐに連絡してください。腸などで出血してる可能性があります」

なんとか今後の不安を無くそうと、色々聞いてみるが却って不安は増すばかり。
ただ、現状どうしようもない。

「今日の生検結果も含めて、今度は年明けの1月11日に来てください」

現段階では、関節痛に対処するためのロキソニンのみが処方された。詳しい結果も分からないまま、薬の投与も難しいようだった。

生検が終わった12月27日。
この日は、会社の忘年会の日でもあった。
生検した日はアルコールは控えないといけなかったのと、そもそも歩くのがしんどい中で行くのは厳しいと判断して欠席することにした。
僕の2023年の仕事はこれで強制終了。
そのまま年末を迎えることになった。

ただ、28日から30日までの間、家で安静にするものの症状はいっこうに回復しなかった。
毎日どこかしら痛くなり、歩きにくくてしょうがなかった。1日ほぼ家から出ないという日もあったが、それが功を奏したようにも思えない状態だった。

そんな中で迎える12月31日。
毎年僕はこの日、県北の日向市にいる父親に会いに行っている。もちろん今年もその予定を変更するつもりはなかった。父は末期の前立腺ガン。医者から「後4年」と言われてからの3年目。正直、あと何回一緒に年を越せるか分からない。

足が痛いからといって行かなかったら、後々絶対後悔するだろう。そして何より、父親を残念がらせたくなかった。

そして31日当日。足の具合は、正直良くなかったが、痛い足をなんとか誤魔化しながら車を運転して父の元へと向かった。

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