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習近平は、以前から米国からの離脱を考えていた。

米国は、一瞬にして中国を破綻させることができる。

米国は中国に対して圧倒的な優位性を有しており、米ドルと人民元の交換を停止することや、 四大銀行を含む主要銀行を米ドルの決済網から除外することにより、中国経済を一瞬にして崩壊に追い込むことが可能である。このことは、中国が台湾への武力行使を控えている理由の一つであり、 また、 ロシアが中国に対して兵器の供給を見合わせている背景にも、米国からの金融制裁への懸念があると考えられる。 このような事実は、 米中関係の本質を把握する上で極めて重要なことです。

習近平政権やその周辺では、鄧小平による改革開放政策によって中国経済が米国主導のシステムに取り込まれたことで、中国社会全体が金銭至上主義に陥り、共産党や人民解放軍内部でも汚職や腐敗が蔓延し、 このままでは中国社会そのものが劣化し、共産党政権も存続危機に陥る可能性が高いという危機感を抱いていたとされる。

近年、中国経済の成長率が低下してきたのは、 経済構造の成熟化や人口構造の変化などの要因もあるが、根本的には、これまでの経済発展が米国の世界覇権の下で国際経済に統合されることによって実現してきたものであり、米中対立や国際経済・社会の分断化が進行している現状では、 成長率の低下は必然的な結果であると言える。 興味深いことに、 世界経済の分断化が進んだ原因として、米国でトランプ政権が保護主義的な政策を展開したことが挙げられることが多いが、 実際には、中国で習近平政権が2012年10月に発足した時点から既にその傾向が見られた。

習近平国家主席の天皇陛下への思い



習近平主席は、2007年末に最高権力者の座を確保した後、 次期国家主席就任に向けて海外の要人との会談を重ねた。その中で日本では、天皇陛下との面会を強く要求し、 宮内庁長官や民主党幹事長(当時)らが反対する中で特別に実現させた。

この面会は日中関係の改善に寄与するのではなく、習近平氏の共産党内部での政治的地位を盤石なものにさせるためのものだとされる。

習近平氏は天皇陛下に敬意を表し、 日中友好の歴史や文化交流などについて話され、この会見は約20分間続きました

この会見がなぜ特例だったのかといえば、習近平氏が当時中国国家副主席であり、天皇陛下との会見には通常「1ヶ月ルール」と呼ばれる文書申請の期限があるのに対し、 この会見はその期限を短縮して実現されたからです。

また、天皇陛下との会見は国賓や首脳級の要人に限られているのに対し、 習近平氏はそのどちらにも該当しなかったからです。この会見は日中関係の改善や習近平氏の権力基盤の強化を目的としていたとされます

この面会は、習主席が日本との関係改善を図る意図を示したものと受け止められたが、一方で習主席の側近たちは、中国の経済発展戦略について検討していた。 その際に用いられたキーワードが 「自力更生」 であったという。 この言葉は、 後に習主席が 「双循環」路線として発表することになる戦略の原型であり、米国との貿易戦争が激化する中で、中国が自らの内需を拡大し、 輸入代替を推進することを意味していた。

「自力更生」 という言葉は、毛沢東が中華人民共和国建国後に頻繁に用いたものである。 習主席は、 「共同富裕」や「領袖」 という毛沢東時代のスローガンや呼称を復活させたり、共産党主席の地位を自らが占めることで終身権力化を図ったりするなど、 毛沢東を意識した言動が多いことが指摘されている。 これは、 習主席が鄧小平の改革開放路線や功績を否定し、共産党独裁体制の強化を目指す過程で、必然的に起こった現象と言えるかもしれない。

しかし、 「自力更生」 という言葉はもともと日本発祥であり、昭和恐慌で農村社会が崩壊した際に兵庫県の農業団体活動家が提唱したものである。 その後、 日本政府や関東軍などが中国大陸に持ち込み、日本の傀儡政権だった北京臨時政府や汪兆銘政権が正式な国是として採用したものである。


重要なのが、なぜ、天皇陛下への面会が重要だったのか?

日本は戦争に負けて占領されたぐらいでは覆らない。そして、大日本帝国憲法を書き換えて、戦後の日本国憲法が出来ました。政治家がどんなに腐敗したり、無能だったりしても、制度的な手続きの内部で次の政権が出来上がります。

制度としては、日本はどこの国よりも安定しています。民主主義としては未熟で、いろいろ問題がありますが、中国や他の国と比べるととにかく安定しています。

これが日本の強みです。

逆に言えば中国は、どんなに権力や軍事力があっても大きな弱みを抱えている。ここに中国の人びとは気がついていてきた。ではどうすればいいか。経済的に巨大になる、軍事的、外交的に強大になる。そうすれば外国からこの弱点を指摘されない。この方法以外にないのです。

ところが、この方法で邁進していくと世界から疎外され、かえって自分の立場を弱くしてしまうというジレンマがある。

日本の強みとは、天皇陛下を中心として、その下に憲法があるという明治維新の体制の正統性です。

つまり天皇陛下への羨望です。中国の共産党・政府の幹部たちの天皇陛下に対するリスペクトは、ある意味、日本よりも高いです。これは、ロシアのプーチン大統領やサウジアラビアのサルマン国王も同じです。

2011年の東日本大震災の被災地に天皇陛下が慰問した映像が、中国で放映され、あれだけの大災害が起きても、陛下がすぐに現地に行かれて、それで民心がまとまっている姿に、中国共産党内部では感銘を受けていたそうです。中でも最も天皇陛下にこだわっているのが、習近平氏だと言われている。

それは、自分が目指す毛沢東がそうだったからです。。1956年9月に、毛沢東は、北京に侵略戦争に関わった日本の元軍人代表団を招待し、しかも「戦犯」だったはずの昭和天皇にメッセージを投げかけていました。一方、昭和天皇もひそかに中国側にメッセージを送り続けていたそうです。

天皇陛下とは、権威という文化的、歴史的存在であり、パワーとしてはたらく政治権力とは全く別物だからです。だから権力争いがない。

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