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2023年4月、自分(愛球人)が考える今オフの移籍市場の現時点での「4つの論点(その3)」。【Bリーグ】【バスケ】

 「前記事エントリーのリンク添付」、及び「今回のnote記事の予めの留意事項」

 まず、これまでの記事、(その1A)(その1B)(その2)をリンク添付させて頂きます。



 では、執筆を進めます。
 なお、この(その3)は、SR渋谷を応援しているファン・ブースターの立場である人間にとっては、「恐らくとても心をえぐる」内容になると考えられますので、それをあらかじめ御詫び申し上げます。
 (書いている自分が、もし「SR渋谷のファンの立場」ならば、ここに書いている内容が起こりませんように、が正直な感じですので。)



 【論点3】確かにベンドラメは昨オフ、「事実上の生涯SR渋谷宣言」をした。ではなぜ今オフこそ、移籍の可能性が「ゼロではない」と読むのか?そして移籍先のほぼ唯一の候補が「島根」と考える合理的理由は何か?





 実は昨オフの移籍市場に向けてのときでも、自分は「6つの論点」の1つとして、「ベンドラメ(SR渋谷)は今オフ、残留か移籍か?」を挙げさせて頂いてます。つまりベンドラメを2年連続で「移籍市場の注目選手」に挙げさせて頂いていることになります。




 「7年目もよろしくお願いします。

 今年はどんな一年になるかな。
 今からとても楽しみだ。
 一緒に最高の景色を見に行こう。」
 (ベンドラメ礼生、SR渋谷の残留発表のコメント[2022年6月1日]。)




 そう、実は昨オフ、ベンドラメは「残留」「秋田」「群馬」という3つのカードが手元に置かれた(といわれている)中で、最終的に
 「(事実上の)生涯SR渋谷宣言」
 をしました。




 「よかったよ。やっぱり、ベンドラメは『生涯SR渋谷一筋』であって欲しいと思ってたから、これが『最善の答え』なんだよ。」

 (中略)

 残留発表が「6月1日」。正直「かなり早い段階での決着」と自分は思ってます。
 勿論、秋田や群馬の話も、恐らく聴いたのでしょう。
 ですけど、ベンドラメにとっては、「SR渋谷が優勝を叶えるためのビジョン」、それがベンドラメの中で実感できるかが最も重要だったのかなと。

 (中略)

 とはいえ、ベンドラメは、「PGのみならず、SGもできる汎用性」「守備意識が高く、攻守両面でいつだって全力姿勢」も、勿論「一選手としての特徴、魅力」ですけど、(ベンドラメの)最大の魅力は
 「熱い気持ちを持ったナイスガイ、若きキャプテンシー」
 にあると思ってるんですよね。

 「生涯SR渋谷宣言」。これが報われることを、強く願う。
 「背番号9」が「SR渋谷の永久欠番」になるときを、信じてる。
 「よかったよ、これが最もよいんだよ」、改めてそう伝えたいです。

 (中略)

 ベンドラメは、好きな選手の一人ですので、どのような決断でも尊重したいと思っていた。でも、「ミスターSR渋谷」への道を決断したことは、やっぱりとても嬉しいんですよ。

 (2022年6月5日のnote記事「【Bリーグ】2022年夏の移籍市場の開幕、現時点での論点(その1)。」より。)



 はっきり正直に述べます。自分は、一人の人間、一人のバスケファンとして、下記の気持ちを正直抱いてます。



 「昨オフ、ベンドラメが悩んだ末に『事実上の生涯SR渋谷宣言』をした気持ちは、本心であることがとても伝わる。それに今季、SR渋谷がどれほど勝てなくても、スタメン落ちしたときであっても、ベンドラメはいつだって『全身全霊』という『らしさ』を示し続けてきた。
 確かに今季、SR渋谷は伊佐HCを途中解任した。でも少なくとも、ベンドラメと伊佐前HC、浜中現HCとの関係に問題があるとは映ってない。

 現実論として、ベンドラメの性格的に、今オフに自分から移籍を希望する(いわゆる「移籍要求」)ことは想像できない。つまり「移籍の可能性は高くない」と考えてよい。
 だけどその一方で、「移籍した方がよい」状況(というか合理的理由)は、昨オフよりも格段に増している感がある。いわばベンドラメの現況を簡潔に述べれば


 よくも悪くも、ベンドラメは【日本版のリラード】と化している。【生涯SR渋谷を貫こうとするベンドラメ】は、自分はとても好きだし、そうであって欲しいのが本音。
 だけど、SR渋谷が【今オフに「CSレベル」に返り咲ける大型補強を叶えられるのか?】といえば、現実論として【ほとんどない】。【この4年間、有力日本人選手の補強自体ができていない】上に、【現有戦力は帰化枠/アジア枠自体がいない】、それでいて選手枠はパンパンで、【HCのグレードアップを図ろうにもめぼしい存在はほぼいない】(ほぼ唯一の可能性として「宇都宮の町田洋介AC」はいるが、招聘を目論むB1他球団は恐らくいるだろう)、このような選手編成で【CS進出を叶えようだなんて、ほぼ絵空事に等しい】。

 少なくとも同じ中地区に河村を擁する横浜BCがいる限り【優勝は勿論、CS出場さえ厳しい】感が否めない、その上に来季はA東京が中地区に回ることが有力視されている、つまり【ほぼ詰んでいる】。
 で、ベンドラメ自身、【この11月で30歳】。全盛期の年齢ではあるが、【主力として優勝を目指せる時間の意味ではそう多くはなくなってきている】ことも考慮になってくる。』


 そう、SR渋谷から他球団に移籍するベンドラメを、正直述べれば想像したくない。だけど『CSレベルの有力球団から移籍の話が来た、それもスタメン級の出場時間の確約がある』場合ならば、自分がベンドラメの立場ならば移籍の決断をするかもしれない。

 しかも、昨オフの手元のカードであったといわれてる『秋田』『群馬』に比して、今オフ、ベンドラメの獲得に動く可能性がある球団として『島根』がある。仮に現実に島根がベンドラメ獲りに動くならば、仮に『6thマン的な役割であっても、20~25分程度の出場時間は確保できる』だろうし、『島根の弱点補強の意味でベンドラメ以上のベストピースはいない』(というか恐らく、獲得に動く場合は「一定程度の出場時間の確約を契約条項に盛り込む」可能性は充分にあり得ると自分は読んでますが)。

 いえることは、『仮にベンドラメが島根への移籍を決断したとしても、批判される理由はない』こと。少なくとも【ベンドラメ自身はいつだって全身全霊を尽くしてきている】一方で、【SR渋谷はベンドラメに応える選手編成をしてこなかった(とほぼ同義の)現実】があるので。」

 (ちなみに移籍の場合は、島根以外には恐らく考えられない。移籍したい場合の理由は「優勝したい」の1択だからである。[ベンドラメの故郷は福岡とのことだが]九州の球団である佐賀がB1昇格の場合はガルシアの存在に照らせば移籍の可能性は想像しづらいので。)


 確かに昨オフのSR渋谷は、ベンドラメにとって東海大時代の盟友である小島(←A東京)を補強して、一定の誠意は示したといえます。だけど「問題の本質的な解決とはならなかった」とも正直映ってます。


 【ベンドラメ礼生の「直近4年間、30分換算でのEFF、出場時間」。】
 EFF「19-20(13.76)→20-21(14.09)→21-22(15.53)→今季(13.19)」
 出場時間「19-20(22分14秒)→20-21(22分32秒)→21-22(24分)→今季(25分11秒)」


 【ベンドラメ礼生、今季成績。】
 今季平均(出場時間[25:11]、得点[9.9]、アシスト[4.9]、リバウンド[2.7]、OR[1.1]、スティール[1.3]、A/TO[2.42]、AST%[31.7%]、FG%[40.1%]、3P%[31.5%]、FT%[72.3%]、eFG%[46.7%]、TS%[50.9%]、USG%[21.91%]、30分換算EFF[13.19])



 この4年間、ベンドラメは「オールスターレベル」をずっと堅持し続けてきました。それにベンドラメは、日本人PGの中でも、いくつもの独特の特徴を持っています。


 「SGにも対応できる」(183cmで、サイズとスピードを兼備)
 「守備力を兼備する」(特にスティールは「30分換算で常時1.50超え」)
 「ORへの意識が高い」(「30分換算で常時1超え」かつOR数が上昇傾向)
 「攻守両面で全力エナジー」「リングに向かう姿勢」
 (それ故に「SR渋谷の象徴」と称えられ続けてきた)
 「eFG%、AST%の安定性。3P%も水準程度はある」
 (3P%は「33%前後」、eFG%は「45%前後」、AST%は「30%程度」で安定している。)


 実は、SR渋谷は今季、「全体順位は14位、チームEFFは10位」です。
 つまり、試合印象や個別スタッツほど、全体としては悪くはない。
 だけど現実は「勝率5割未満、得失点差マイナス」です。
 特に得失点差は「全体17位」で、これは失点数が「全体21位」なことが大きく影響しています。この失点数は、「スタイル構築1年目」である「三遠、京都」よりも下回っています。




 いま、石井をリンク添付させて頂きましたけど、この4年間でのSR渋谷の「有力日本人選手」の補強は、「石井」「小島」の2人にとどまっています。
 特に石井は、今季の「30分換算でのEFF」は「11.86」で、「この9月で35歳」とは思えないエネルギッシュさです。ですが裏を返せば、その石井も、いつ「衰えとの戦い」に突入しても不思議ではない現況ともいえます。







 で、ベンドラメは「よくも悪くも【日本版のリラード】と化している」と述べてきました。
 リラードとは、「デイミアン・リラード(PG。ブレイザーズ)」のこと。
 「11年間、ポートランド・トレイルブレイザーズ一筋」「この7月で33歳」です。
 「オールスター出場7回」「NBA75周年オールタイム選出」である名選手です。
 (ちなみに自分自身、リラードは好きな選手の一人でもあります。)

 ですけど一方で、チームの勝利には恵まれずで、「カンファレンスファイナル1回(2018-2019。準決勝に相当)」が最高成績です。

 リラード自身は、ブレイザーズでバスケ人生を全うしたいと繰り返し述べています。しかし一方で、「優勝したいならば移籍した方がよい」との声も、特にこの2年ほどで高まってきています。
 (一人のバスケファンとしては、「リラードにはブレイザーズでバスケ人生を全うして欲しい!」が正直な強い願いです。)


 で、そのリラード。今季のブレイザーズは「西地区13位」でプレーオフ出場を逸しました。で、RS(レギュラーシーズン)終了から程なくして、リラードがついに、下記の趣旨の言葉を述べました。


 「脅しじゃない。追い詰めるつもりはない。
 それができないなら、そういう重要なことができないのなら、そのレベル(=優勝争いができるレベル)で競うチャンスはないと言っているだけだ。

 僕が決断を下すだけでなく、球団(=ブレイザーズ)も決断を迫られると思う。『若いメンバーでいくのか、それとも何かを成し遂げるのか?』というところだからだ。そのどちらかに完全に舵を切ることにまだどっちつかずのような状態だと思う。
 僕はとにかく、今の僕らは全員が勝利を望むところにあると思っている。彼らは僕がその機会にふさわしいと信じている。

 球団(=ブレイザーズ)は方向性を決めなければならない。僕がここに来て以来、最も重要なオフシーズンになるだろう。


 リラードのこの一連の発言を受けて、

 「ブレイザーズが『再建モードへの突入』あるいは『ドラフトのロッタリー抽選で全体1位or全体2位の確保に失敗した場合』は、リラードは退団(=トレード要求)を決断すると考えてよい。」

 と現地では報道されているとのことです。


 「ベンドラメとリラードのそれぞれの現況は、残酷なほどにリンクしている。いえることは、
 『移籍を決断するベンドラメは正直想像したくない、でも移籍を決断するならば、ある種仕方ないことである』

 現実論として、『河村を擁する横浜BC』『スター集団であるA東京』と同地区である限り、『有力日本人選手の立場からすれば、この2球団よりもSR渋谷がより優先順位が高いとはとても思えない』(=大型補強をしようにも物理的にほぼ不可能である)し、『(「高齢化リスク」「SFのドングリーズ」の問題を抱えていても)川崎も依然としてコンテンダーである』、つまりSR渋谷の現況は『中地区の、よくて4番手』

 たとえ今オフの移籍を決断しても、『裏切り者といわれる合理的理由はない』。この2年、SR渋谷は球団として、有力日本人選手の大移動に対応できていなかったのだから。」


 SR渋谷のファンには、とても申し訳ない思いです。
 ですけど「客観的に見れば」、「そういうこと」だよと。

 で、自分が「ベンドラメが今オフに移籍するならば、事実上は島根の1択では?そして島根から声が掛かれば、島根に移籍の決断の可能性は低くないのでは?」と考えるのは、「島根側の事情」が正直大きいです。

 (「SR渋谷は再建モードの突入がやむなし」の趣旨な訳ですが、では「どう再建するのがより望ましいのか?」は、後述で綴らせて頂きます。)



 (←今季の島根の各選手の成績、リンク添付。
 1つ目が「平均EFF」、2つ目が「±」、3つ目が「出場時間」にそれぞれカーソルを合わせてリンク添付させて頂いてます。)



 【今季、島根の選手編成。】
 スタメン「ビュフォード(26.64)-安藤誓(11.36)-白濱(4.23)-ニック・ケイ(22.70)-ニカ(14.68)」
 主な控え「トラビス(17.71)、阿部(6.85)、津山(5.30)、谷口(1.43)」
 EFF合計(スタメン[79.61]、控え[31.29]、合計[110.90])

 【今オフ、自分が考える島根のより望ましい選手編成[スタメン時]。】
 スタメン「ビュフォード(26.64)-安藤誓(11.36)-阿部(6.85)-ニック・ケイ(22.70)-[ホーキンソン](23.52)」
 主な控え「[モータム](20.15)、[ベンドラメ](13.19)、白濱(4.23)、津山(5.30)、谷口(1.43)」
 「EFF合計(スタメン[91.07]、控え[44.30]、合計[135.37])」

 【今オフ、自分が考える島根のより望ましい選手編成[4Qのクラッチタイム時]。】
 出場者「[ベンドラメ](13.19)-安藤誓(11.36)-ビュフォード(26.64)-ニック・ケイ(22.70)-[ホーキンソン](23.52)」
 主な控え「[モータム](20.15)、阿部(6.85)、白濱(4.23)、津山(5.30)、谷口(1.43)」
 「EFF合計(出場者[97.41]、控え[37.96]、合計[135.37])」



 そう、何故、今オフの移籍市場で「島根がベンドラメに動く可能性がある、そしてそれがベストの判断である」と考えるのか。



 【現有戦力で、島根が抱えている問題点。】

 (1)「ビュフォード、安藤誓への負担の大きさ。」
 (ビュフォード[35分23秒、リーグ2位]、安藤誓[35分27秒、リーグ1位]。確かに「ビュフォード、ニック・ケイ、安藤誓のビッグ3+他のロールプレイヤー」のシステムでうまく機能できてるが、「依存度の高さ」「負傷リスク」「誰かが不在になればどう補うつもりか」などの指摘は今季を通してずっと言われ続けた。特に主力の出場時間の酷使傾向は昨季からずっと指摘され続けてきた。)

 (2)「昨季よりも『1on1』使用が増加傾向。」
 (「1on1」が悪いとは全く思わないし[というか、勝負どころでは1on1がいくつものドラマを生み出している]、例えば「比江島ステップ」は「PnR」とも「1on1」ともいえるから。ただ、昨季は「組織で崩す」形をより多く用いていたが、今季は「個人能力のゴリ押し」[特にビュフォード]の形が特にクラッチタイム時に散見されるようになっている。
 確かに昨季も今季も「BIG3」の長期欠場はないが[ニック・ケイ、安藤誓は全試合出場]、現有戦力では「BIG3」の誰かの不在時のダメージへのリスクが大きすぎる感が。)

 (3)「『第2PG』『正SF』の質的な乏しさ。」
 (「ビュフォード、安藤誓の負担を軽減し得る第2PG」「正SF(昨オフ時点でだと正SG)」の質の乏しさは、この2年間ずっと指摘され続けてきた。
 今季はビュフォードを「名目はSF、実質はPG」、安藤誓を「名目はPG、実質はSG」とするシステムへとマイナーチェンジをしたことで、「少なくとも第2PGの不在問題は黙殺できた」感はあるが、その一方でビュフォード、安藤誓の出場時間はむしろ増加傾向が顕著になった。
 そして「正SFの質的な不安感」。確かに白濱はDF面での貢献度は認められて然るべきだが、実は昨季も今季も「30分換算でのEFF」は「6.00」を下回っており、「B1レベルではあるが、CSレベルかといわれると微妙である」なことがはっきりしている[しかも±も、実は白濱は阿部を下回っている。アナリストは進言できているのか?と映る感だが]。白濱は控えSFとしてでならば良質といえるが、裏を返せば「白濱を控えSFにできる選手編成」にできることが、優勝を叶える「事実上の必要条件」であると映るが。)





 いま、1月7日のnote記事をリンク添付させて頂きましたけど、「島根はベンドラメの補強がベストと考える」のは、今季を通して(島根はこの2年ずっと注目し続けているので、バスケットLIVE観戦を何試合化していますし)は勿論、アウェー戦ですけど「島根戦を3試合の生観戦」をさせて頂いていまして、それをも踏まえてでもあります。
 (「3月22日、大阪vs島根」「4月22日、京都vs島根」「4月23日、京都vs島根」。バズソーが決まったときの破壊力は「観ていて楽しい」けど、苦しくなると「1on1の使用頻度が増える」、それが「諸刃の剣」であるように自分には映ったと。尤もこの3試合は、「帰化枠であるニカの負傷離脱の影響」を考慮の必要はある感じですが…。)

 (それと島根は、今オフに北川が「引退→即AC就任」は少なからずあり得るのでは?と読むのは、自分だけでしょうか…?昨季の京都での内海のように、シーズン後半から「コーチ修行」モードになりつつあるように、自分には映っていますが…。)



 【今季、島根の選手編成(出場時間)。】
 (出場時間は「合計200分になるように傾斜をかけてます」。)
 スタメン「ビュフォード(32分22秒。26.64)-安藤誓(32分26秒。11.36)-白濱(18分35秒。4.23)-ニック・ケイ(27分51秒。22.70)-ニカ(22分23秒。14.68)」
 主な控え「トラビス(18分21秒。17.71)、阿部(15分36秒。6.85)、津山(22分29秒。5.30)、谷口(9分57秒。1.43)」
 EFF合計(スタメン[79.61]、控え[31.29]、合計[110.90])


 【今オフ(来季)、自分が考える島根のより望ましい選手編成(イメージする出場時間付き)。】
 (出場時間は「合計200分になるように傾斜をかけてます」。)
 スタメン「ビュフォード(30分。26.64)-安藤誓(27分。11.36)-阿部(15分。6.85)-ニック・ケイ(28分。22.70)-[ホーキンソン](30分。23.52)」
 主な控え「[モータム](22分。20.15)、[ベンドラメ](23分。13.19)、白濱(8分。4.23)、津山(12分。5.30)、谷口(5分。1.43)」
 「EFF合計(スタメン[91.07]、控え[44.30]、合計[135.37])」





 ここで示させて頂いた出場時間は、あくまでも「目安的な感じ」です。
 ですけど、昨季後半からずっと言われてきた、「ビュフォード、安藤誓への依存度の大きさ」を改善できない限り、優勝は「より現実的な目標とはなりづらい」。
 現に、特に今季は、平均出場時間で

 「安藤誓、35分27秒、リーグ1位」
 「ビュフォード、35分23秒、リーグ2位」

 です。これは裏を返せば、「2人の負担を軽減できる『6thマン的なPG/SG』」がいないも同義だから(これに相当する存在として津山を獲ったと思われるが、結果として「負担の軽減」という目的まではいかなかった感がある。尤も津山は得意の3P能力に加えて守備面でもエナジーを示して「3&D」として数値以上の価値を示せてはいるが)、特に「安藤が30分を大きく上回る出場時間になってしまう」感があると映ります。


 というか、今季の安藤は、実は「全試合で29分以上の出場時間」です。
 昨季も「32分45秒」の出場時間で、これは「リーグ4位」、勿論「PG/SGの日本人選手ではリーグ1位」の出場時間ですけど(昨季は純粋な「スコアリング型PG」的な起用法だった)、昨季は「27分台以下が5試合」と、多少はメリハリがついた起用法でした。

 それが今季は、役割が変化した(「2ハンドラー」になったので、円熟のゲームメイク力が伝わる場面は多くあるが、本質的には「3Pシューター」へと変化した感がある)影響があるのかなと想像ですけど、「最後まで持つのか?」という懸念は昨季以上に燻り続けた感があります。
 裏を返せば、安藤誓は「鉄人」であることを証明している2年間ともいえますし、一バスケファンとしての個人的感情を述べれば、

 「安藤誓は『最も輝ける場所』に出会えて嬉しい。」

 それが素直な気持ちではあるのです。



 昨季(攻撃回数18位、FG試投数2位、平均得点数4位)
   (スティール7位、OR3位、A/TO1位、TS%4位)
   (得失点差4位、チームEFF4位)
 今季(攻撃回数18位、FG試投数7位、平均得点数4位)
   (スティール19位、OR14位、A/TO2位、TS%4位)
   (得失点差4位、チームEFF5位)


 視点を変えます。島根の傾向として、「FG試投数、平均得点数はリーグトップレベルである」「しかし攻撃回数は実はリーグ平均以下である」こと。
 「チームEFFも上位である」のですが、実は今季は広島を下回ってます。

 「得点効率がよい」といえる訳で、実際に「A/TO、TS%はリーグトップレベル」です。
 ですけど、いやだからこそ、「攻撃回数をリーグ平均以上にできる」が叶えば「より破壊力が伝わる攻撃ができる→得点数が増えて、チームEFF、得失点差が上昇する→CSでのシード順位の上昇、優勝に近付き得る」と映るのです。

 それにベンドラメは「守備意識を併せ持つ」ことも特徴の一つです。
 この「ゲームメイクと守備意識を併せ持てる日本人PG」は、実はとても貴重です。

 その上、ベンドラメは、「SR渋谷の正PG」に定着して今季で5年目ですが、実は「昨季に3試合、今季に5試合、途中出場歴がある」のです。
 オールスターレベルになると、「6thマンに回される」こと≒「チームへの不満→移籍説に直結」になりますが、ベンドラメは「6thマン耐性がある」こと、この「アンセルフィッシュ」の精神も特徴の一つで、島根にとって「これ以上ないラストピース」の根拠です。


 そう、「帰化枠/アジア枠」「第3外国人」も、確かに今オフに島根が向き合うテーマの1つでしょう。ですけど島根が優勝のために「いますぐに必要なピース」は

 (1)「ビュフォード、安藤誓(特に後者)の負担を軽減できる」
 (2)「安藤誓の不在時に攻撃の質を落とさない、それでいて守備力を兼備できる(安藤誓は「攻撃面にほぼ全振り」と化してるので)」
 (3)「攻撃回数を増やせる資質能力を持つ」
 (4)「チェンジオブペースに対応できる
 (5)「場面に応じてSGにも柔軟に対応できる」
 (6)「勝者のメンタリティーの持ち主である」
 (7)「CSレベルの資質能力だが、6thマンを受容できる」
 (8)「クラッチタイムで貢献できる」
 →《この8要素を全て兼備できるPG。》

 これに該当し得るのは、「ベンドラメ(SR渋谷)」の事実上1択である。
 中山は「より守備型寄り」であり、そもそも「秋田から出ることはまずあり得ない」から。
 その上で特に「6thマンを受容できる」「守備力を兼備できる」、これが一気にハードルを高めます。現に金丸は、結局は受容し切れずに1年で退団になった。
 (そもそも「攻撃面に全振り」であるので、いま思えば「資質能力的なミスマッチであった」と考えざるを得ないが、それは結果論ともいえます。)

 裏を返せば、いま島根が抱え続けている「ビュフォード、安藤誓(特に後者)の負担が大きすぎる問題」の解決を叶え得る補強は、「ベンドラメを補強できなければ、恐らく不可能である」と自分は思うのです。

 つまり、島根側の目線でいえば「全身全霊でベンドラメの補強にオールイン」が求められること。繰り返しになりますが、あとは「ベンドラメが何を優先順位に置くのか」、それとSR渋谷が「横浜BC(というか河村)、A東京、川崎の一翼を崩せるビジョンを提示できるか」になりますが。







 【島根が今オフに「ベンドラメ獲り」に動くメリット・合理的理由。】
 (1)「ビュフォード、安藤誓(特に後者)の負担軽減」
 (2)「攻撃回数を増やせる→バスソースタイルの深化の具現化」
 (3)「誰かの負傷離脱時のリスクヘッジ」
 (4)「クラッチタイム時の破壊力向上」
 (5)「ウィング陣の役割がより明確化できる」


 (1)(2)は、先述で説明させて頂きましたけど、特に大きいと考えるのが、下記のことです。


 【もし、今オフに島根が「ベンドラメ獲り」を実現できれば…。】

 《普段》
 ハンドラー[PG/SG](ビュフォード、安藤誓、ベンドラメのうち、ほぼ常時2人を起用)
 ウィング[SF](阿部、白濱、津山のうち1人を場面に応じて使い分ける。状況次第で2人が同時出場もあり得る)

 《クラッチタイム時》
 「ベンドラメ-安藤誓-ビュフォード-ニック・ケイ-(帰化枠/アジア枠)」
 →「クラッチタイム専用布陣」としての、「ベンドラメ、安藤誓、ビュフォードの3人同時起用」。


 このように、特に「クラッチタイム時に3人同時起用を発動」させることで、相手守備陣は的を絞りづらくなります。それ故に「状況に応じてのより多彩な攻撃が可能になる(速攻もハーフコートも両方対応できる)→得点期待値の上昇」が見込めます。

 加えて、ベンドラメは「攻撃的な守備」も特徴です。「エースキラー役」での貢献度も高いですので、ビュフォード、安藤誓をより攻撃に重きを置けることもメリットといえます。


 勿論あくまでも「机上の論理」に過ぎないといわれればそれまでで、ベンドラメが「金丸の二の舞になる」リスクもあります。特に「6thマンだけど、20分~25分程度の出場時間は確約する」とあらかじめ示せなければ、このリスクは一気に増大になるでしょう(というか「出場時間の確約なしにはそもそも獲れない」と映るが)。
 ですけど、リスクは確かにあるけど、ベンドラメ獲りが叶えば「メリットがより大きいと映る」、だからこうして綴ってる訳です。


 そう、先程リンク添付させて頂きましたが、自分は一バスケファンとしてどうしても観たいのです、島根の「バズソー」スタイルが完成するときを
 それは、かつてのNBAでの「マイク・ダントーニHCのラン&ガン」スタイル(自分がバスケ好きに目覚めたきっかけの大きな一つでもあります)、それに重ね合わせている感じです。

 この「バズソー」スタイルの完成には、「ビュフォード、安藤誓の負担を軽減できる、コートビジョンと守備意識を兼備できるPG/SG」が要補強ではないか?と。それにほぼ唯一合致できるラストピース、それが「ベンドラメ」である、これがこの【論点3】の真意としてあります。

 繰り返しになりますが、「実現可能性」は「ほとんどない」と思います。ですけど、ベンドラメ目線だと「優勝したい」により近付ける、島根目線だと「バズソースタイルの完成」、そう、少なくとも理論上は「win-win」といえる、御互いに合理的理由があるのだと。だからこうして綴らせて頂いてる訳です。



 ちなみにSR渋谷は、「再建モード」にならざるを得ないのでは?と綴りましたけど、その場合は「SR渋谷は、京都・三遠と同様に『3年スパン』での再建モードになるイメージ」です。

 では、「どう再建するのか?」になりますが、SR渋谷にとってのより現実的な方法は「京都が採っている方法」がより望ましいのでは?と思ってます。

 はっきり述べれば、いわば「詰んでいる」状況に陥ってるのは
 「有力日本人選手を補強できる目途が立たないから」に尽きること。
 その一方で、SR渋谷は「優良外国人に支えられた歴史」でもあります。
 それならば、再建1年目になる来季は、それを活かして「割り切る」ことから始めるしかないのでは?と。それが、中長期的に「有力日本人選手の確保の可能性を生み出す」一歩になると思うのです。


 【自分がSR渋谷のGMならば、「再建1年目」はこうする。】

 (1)「『志向するバスケスタイル』を改めて明確化する。」
 (「エナジー」「ハードワーク」は貫いて欲しい。でも一方で、「何かを変える必要がある」ことも確かだろう。)

 (2)「『帰化枠/アジア枠』の確保。これが最優先。」
 (考え方は2つ。第1は「アジア枠の3.5番」として「ジェイミー・マロンゾ」獲りに動く道。第2は「アジア枠のスコアラー」として「CJ・ペレス」獲りに動く道。「選手編成の柔軟性をより優先する」ならばマロンゾだが、「アジア枠をBIG3に相当する存在と考える」ならばCJ・ペレスを推す。
 現に京都が今季、見た目の成績以上に好印象である原動力は「マシュー・ライトの躍動とリンクしているから」が大きいので。)

 (3)「ケリー、マッカドゥーは残留。3人目に新外国人PGを充てる。」
 (マッカドゥーは昨オフに「2025年夏までの3年契約を締結済み」とのこと。恐らくケリーも残留と考えてよいだろう。
 問題は3人目をどうするかだが、めぼしい日本人の新PGは今オフは見込めそうにない。現行制度では降格があるので、それは避けねばならないことに照らせば、おのずと「新外国人PG」にならざるを得ないかと。)

 (4)「日本人ビッグマンの井上、西野は全力で残留させる。これなくして再建はまず難しい。」
 (井上は、今季は不本意な結果だが、SR渋谷の入団理由として「もともと応援球団だったから」と公言している。そう考えると、「再建の軸の1人で考えている」と伝えれば、残留はわりと楽観視してよい。
 問題は西野で、「貴重な3.5番タイプ」であるので、全力で残留させたいが、今オフの移籍市場で恐らく「複数球団からの触手」が有力視である。今季の「30分換算でのEFF」は「8.90」と良質であるので。
 西野を残留させられれば「正PFでの起用」ができて、アジア枠の補強で「CJ・ペレス」にできるので、「再建1年目のコアメンバー」は整う。)


 →これにより、「今オフ(来季)のSR渋谷、『再建1年目』時の理想スタメン。」
 「スタメン(〈新外国人〉[?]-石井[11.86]-〈CJ・ペレス〉[?]-西野[8.90]-マッカドゥー[24.22])」


 そう、「詰んでしまった」ことは仕方がない、まずはそれを「受け容れる」ことから始めること。
 「外国人/アジア枠に依存じゃないか」上等だよと割り切る、現実論としてはそれしかない、現に京都はそれで年末から一気に軌道に乗せてきている。
 実際、京都は今オフは「必要な要補強ポイントを絞れている」と映ってます(実際に的確な補強ができるかは別としてですが)。
 来オフになれば、河村は海外挑戦を決断の可能性が高い、そうすれば「CS出場への道筋」が、少なくとも理論上は見えてくるので、そこで「有力日本人戦の補強の可能性」が見えてきます。


 いずれにせよ、最終的なボールは「ベンドラメ自身」にあること。
 残留も移籍も、「いばらの道」であるといえます。
 結局は「より納得できる決断をして欲しい」、それに尽きるのです。

 いえることは、

 「移籍を決断になっても、それは仕方ないことだよ。
 より合理的な決断なことを、それは『裏切り者』とは全く思わない。
 7年半、充分に尽くした。球団はそれに応えられなかった。
 あとは何により価値を置くのか、どんな決断でも尊重したい。

 でも一バスケファンとしては、島根の『バズソー』の完成が観たい!
 『観ていて楽しいバスケが完成したとき』、その『わくわく感』。
 この気持ちが伝わればと強く願う(反発はあるだろうけど)。」


 では、(その4)で、【論点4】、つまり「馬場雄大(SG/SF。テキサス・レジェンズ)」についてを綴らせて頂きます。



 【バスケットボール#26D】

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