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2023年新春、なぜ宇都宮は、今季に一気に輝きを失っているのか?(その1。「魔法が溶けた帰結」)【バスケ】【Bリーグ】

 「年齢構成の高齢化リスク」「正PGが鵤のままでいけるの?」と、ずっと燻り続けた不安感が「魔法が溶けた」ことで一気に噴出の感が。


 最初に述べます。今回、宇都宮をテーマに綴らせて頂きますけど、勿論、相応の根拠を示しながら綴らせて頂きますけど、宇都宮のファンにとっては、恐らく「残酷な現実」を突き付ける感じになるかなですので、「受け容れたくない」と映るファンが少なからずいらっしゃるかもです。それをあらかじめ申し伝えた上で、これから具体的考察を綴らせて頂きます。
 (なおデータは原則「1月13日時点」で綴ってます。本当ならばオールスター休暇中の「1月16日月曜日の夜」を目標にアップしたかったのですが間に合わずで、「19日木曜日の朝」のアップになりました。)



 正直、今回のnote記事、このタイミングで「宇都宮」をテーマにすることを、最初はためらいました。理由は3つあり、第1は、宇都宮といえば「hiroさん」、バスケファン多しといえども、この人の分析力はいつもとても学びになってますし、しかもhiroさんは「宇都宮ファン」です。それを差し置いて綴ってよいものかというためらいがあったことが、正直あります。



 ためらいがあった第2の理由。いまリンク添付させて頂いた『月刊バスケットボール』2023年2月号(現時点での最新号です)、紙面終盤での『Bリーグ特集』のテーマが宇都宮です。特に比江島がどのようにして輝きを取り戻したのかの記述は「とても素敵な記事」です。
 それに、宇都宮の試合は「バスケットLIVE」で楽しみに観てますけど、特に本拠地である「ブレックスアリーナ宇都宮」の会場の熱量がとても壮観なんですよ!、いつか生観戦が叶ったらどんな雰囲気を感じるかなと「わくわく感」で。


 そして、第3の理由。これはシンプルに、宇都宮について、たとえ正直に感じていることを綴るといえども、宇都宮はファンの熱量が強いですし、それ故に宇都宮ファンの立場になれば拝読したら嫌な気持ちになる人間が少なからずいるかもと、そう考えるとこのタイミング、あるいはリスクをも含めて綴ってよいものかという葛藤が正直ありました。
 ですけど、一バスケファンとして、宇都宮がCS出場権争いさえ届かないほどに弱い姿に陥るのは、純粋にシンプルに嫌だなと。だけど物事には「問題の所在」がある訳で、そうであれば、たとえ残酷かもしれなくても、正直に感じてることを綴ることはきっと意義があるのではと信じて、熟考や葛藤の末にですけど綴らせて頂く次第です。




 で、今季のBリーグ。先日に水戸でのオールスターが終了して、現時点で「29試合目まで終了」の感じです。
 今季も折り返しが近く、2月12日の試合が終わればおよそ3週間の「長期休養期間」(いわゆる「バイウィーク」。個人的には「代表ブレイク」とかの表現の方がより「すとんと落ちる」感じですけど[←本音!ちなみにここでの「ブレイク」とは「休暇、休養」の意味です])です。

 現時点で、宇都宮は「13勝16敗、勝率.448、得失点差-89」
 順位でだと「全体15位、東地区5位」です。
 ワイルドカード(CS出場圏内)のラインまでは「8勝差」、今季のCS出場は「ほぼゼロといえる」と考えざるを得ない現況です。
 それも、今季の宇都宮は、実は「全体15位、東地区5位にいるだけでもまだよい方」という数値といえます(勿論、昨季までに比してだと「惨憺たる」感じではありますが)。
 そう、より細かい数値はこれからの具体的考察で言及させて頂きますけど、実は今季の宇都宮の「チームEFFは全体21位(ワースト4位)」です。つまり「本来的には21位の実力だが、実際のチーム順位は15位、つまり実力に比して勝利数を拾えている」ことになります。


 裏を返せば、今季の宇都宮は「チーム状態は、少なくとも数値的には『とても深刻といえる』」ことが伺えます。言い換えれば

 「相手があること、および本質的には『ミドルマーケットの球団』であるのでそれを考慮の必要はあるけど、今オフの移籍市場では『リスク・劇薬を覚悟で思い切った立ち回りをする』ができないと、比江島が全盛期でいるうちの『コンテンダー(=CS出場権、及び優勝)』への返り咲きは恐らくより難しくなると考えざるを得ない、と考えた方がよい。」

 これが、今回特に伝えたいことになります。
 では、今季の宇都宮は、なぜ「輝きを失っている」のか。そして「輝きを取り戻すために、今オフの移籍市場で宇都宮のより望ましい立ち回り、要補強ポイントの優先順位は何か」を、まず結論的なことから先に示させて頂きます。


 【今季の宇都宮は、なぜ「輝きを失っている」のか?】

 (1)いなくなって浮き彫りになった「安齋竜三HCは偉大であった」。
 (←個人的には「次期日本代表HC」の唯一最大の最適任と考えてます。ですので転身先が「B2越谷のアドバイザー」とは全く想像できなかった。)

 (2)「点を取る形」で「比江島の個の力」「スコットへのハイロープレイ」の2つに多くを依存していた。裏を返せば「この2つさえ留意すれば、宇都宮の攻撃面はほぼ無力化される」が一気に顕著になった。

 (3)「年齢構成の高齢化」は、2021年の年明けからずっと指摘され続けていた。それから2年、ついに「膿が噴き出た」帰結といえるのでは?

 (4)「機能できてないアジア枠(ヤン・ジェミン)」。「30分換算でのEFF」は「6.52」だが、数値以上に機能できてない(アジア枠であることを考慮だと「B1レベル」ぎりぎりの感じで、正直「CSレベル」ではない)。
 (2年契約といわれてるが、「スコットが将来の帰化希望」といわれてる中で、たとえ「スコットの帰化までのつなぎ」でも「現況ではプラスになり得ていない」感が。尤も今季開幕当初は「いい味を出せていた」が。)

 (5)「正PGは鵤のままでいいのか?」について、「守備面での長所よりも攻撃面での違和感がより大きくなってしまった結果」といえる感が。はっきり述べれば「正PGを新たに補強することが、『点を取る形の再構築』の唯一最大の補強策」であると突き付けられてる感がある。
 (後述しますが、鵤自身は「起用法を工夫できれば、今後も宇都宮では重要な存在意義を持ち続ける」と考えます。つまり「正PGを新たに補強して、鵤には別途で新たなる役割を与える」がより望ましい道では?です。)

 (6)「テーブス」「フィーラー」という「放出した2人の穴」は想像以上に大きかった感が。テーブス自体は昨季までの「安齋HCシステム」で正直機能できてなかったので、テーブスの放出自体は本人のためには恐らく不可避であった(実際、「環境を変えた方がよい」との意見はずっと存在していたし、滋賀に移籍して「才能が開花、オールスターレベルを証明」できている)。
 とはいえテーブスの放出自体が不可避であったならば「第2PGをどうするのか?」であった訳だが、正直「放出しただけで代替を確保できてないも同然である」の現況で、これが痛恨(「渡邉の想像以上の衰え」が特に大きいけど、笠井はやはり「CSレベルの第2PG」の器量ではなかった感が)。
 それと「フィーラーの穴」というか、「マブンガの入団」は結局「ハレーションを生んだだけ」に終わる「悲しい結末」になった感が。今季の宇都宮が「何かがおかしい」がずっと続いてるのは「マブンガによるハレーション」を退団後の現在もずっと引きずり続けているからの面も。


 いえることは、安齋竜三HC(2017年~昨季までの5年間でHCを務めた)は「想像以上にとても偉大であった」ことです。確かに正直、今季に新HCに就任した佐々宜夫さんは、拙さは否めないかもですし、「HCを変えた方がよい」は、一つの方法かもです。
 とはいえ日本バスケ界の現況として、「HCを変えよう」としても、考え得る候補自体にとても限りがあります。一バスケファンとしては、仮にHC交代がどうしても必要であると考えるならば、それは
 「網野友雄さん(現白鴎大学HC。宇都宮戦での解説もしばしば務めていて、選手への愛情と卓越したバスケIQを感じます)、ほぼ一択」
 が自分の考えです。

 実はHCをどうするかの道は、宇都宮には「4つある」と考えてます。


 【今オフ、宇都宮の「HCを誰にするのか」、考え得る「4つの道」。】

 (1)田臥勇太さんが「引退→即エグゼクティブコーチ就任」。表向きのHCは佐々宜夫さんが続投だが、実質的な指揮は田臥さんが執るイメージ。
 
(これは現在の越谷が採っている方法です。)
 (実際、選手への求心力という意味では、田臥さんが指揮を執ることが「チームを一つにする」意味では最も望ましいのは明らかでしょう、あのカリスマ性は唯一無二ですので。尤も田臥さんは「日本バスケ界の至宝」ですので、田臥さんに指揮を執らせてもしも失敗したときのダメージは日本バスケ界にとって大きすぎるんですよね。
 ですので自分が宇都宮のGMであれば、この方法は採りません。田臥さんをいずれHCにと考えるならば、ステップを踏んだ上でがより望ましいのではと。)

 (2)シンプルに「佐々宜夫さんのHC続投」。
 (個人的には「誰がHCであろうとも、選手編成を変えない限り、特に正PGを補強しない限りは『点を取る形を見出せない』いまの弱点の解消はまずほぼ不可能である」と考えています。それに日本人指導者で安齋竜三さんは「別格中の別格」と自分は考えてますので[安齋さんと比較したら誰が務めてもこの領域は届かない。「魔法が溶けた」とは「安齋さんはそれほどに偉大であった」ことを意味してますので]。
 それと、佐々さんの魅力の一つは「若手選手への育成・リクルート能力」といわれてます、実際今季に高島の入団を実現させたのは「佐々さんが直接口説き落としたから」といわれてますし[そもそも自分を含めて「高島は大阪が事実上予約していて、大阪もそれを前提に選手編成をしている節がある」といわれてましたから]。そう考えると、例えば網野さんを新HCにして、佐々さんをどう処遇するのか?が懸案になることも理由の一つです。)

 (3)「町田洋介さんを新HCにする」。
 (正直、安齋さんがHCを退任すること自体が驚きでしたけど、もしそのときが来た場合は新HCを内部昇格で対応する場合は町田ACでしょうと自分は考えてました。実際、安齋さんは[佐々さんと同等以上に]町田さんのことを高く評価していましたし、「今後、B1球団で新しくHCを務める可能性がある日本人指導者」で町田さんは名前が挙がってましたから。
 で、このいわば「C案」は、現実的には「ほとんどないでしょ?」と思ってます。理由はシンプルに「町田さんを新HCにする案を採用すると、昨オフに佐々さんを新HCにした判断自体が間違いであったことを認めることになる、球団イメージをより悪化させるリスクがあるから」です。少なくとも、自分が宇都宮のGMであれば、この方法は採りません。)

 (4)「網野友雄さんを新HCに招聘して、田臥さんは引退の場合はAC[スキルコーチを兼務]あるいは育成年代の指導者にする。この場合、佐々さんはGMに新たに就任するイメージ。」
 (現実論として、いま宇都宮が抱えていることとして、「いずれ田臥さんを将来のHCとして考えるならば、どのような方法がより望ましいのか?」があります。そう考えると、選手・指導者の両面で既に実績を積んでいる網野さんこそ新HCに最適といえるのでは?と。それに網野さんならば「宇都宮が培ってきた長所を継承しつつ、白鴎大学での指導経験や解説者として培った視野を生かした新たなるエッセンスの注入に期待できるから」があります。
 それと、佐々さんは確かに「宇都宮のHCには荷が重かったかも?」ですけど、そのバスケ知識、情熱は手放すにはとても惜しいですし、それに「若手選手への育成・リクルート能力」は、琉球時代からそれを評価する声を耳にします。そう考えると、GMの方がより輝けるかも?と。
 そう考えると、「ブレックスメンタリティーの継承及び再構築」を第一義に考えれば、「網野友雄さんを新HCに、佐々宜夫さんを新GMに、田臥勇太さんは引退を決断の場合はスキルコーチ兼務での新AC[あるいは育成年代での指導者]に」が恐らく最適解では?が現時点での自分の考えです。)



 個人的に、田臥勇太さんは、サッカーの中村俊輔さんに相通ずる感じと思ってます。いわばどこまでも「バスケ小僧」「現場主義」の雰囲気なんですよね(勿論「誉め言葉」のつもりです)。
 勿論、田臥さんほどになると、「選手としての引き際をどうするのか」は特に「田臥さん自身で判断することがより望ましい」が自分の考えですけど。ただ、もしも特に今オフに引退を決断の場合は「球団として、田臥さんの持っている資質能力や経験が最大級に生きるような道を提示して欲しいです!」と、一バスケファンとして強く願ってます。


 ですけど自分は、正直下記のように考えてます。

 「いま宇都宮が抱えている問題の本質は、『HCを交代すればほぼすべてを解決できるとは全く思わない』。HCが続投でも交代でも、最大の問題は『点を取る形を見出せなくなっていること』『組織的守備が機能できなくなっていること』にある。
 そう考えると、この『問題の本質の解決』は、『年齢構成の高齢化を是正すること(いわゆるデプスの改善)』『正PGを新たに補強して、鵤には別途の新たなる役割を与えること』の2つのことの着手なくしてはまず不可能であると考える。」

 これが、今回のnote記事で「自分が特に伝えたいこと」です。

 「点を取る形」として、昨季及び今季の宇都宮は

 「比江島の個の力、特に『比江島ステップ』『勝負所での3P』」
 「鵤(あるいは比江島)→スコットへの『ハイロープレイ』」

 この2つが「大きな得点源」でした(あるいは「フォトゥのフックシュート」も魅力の一つでしょう)。
 実際確かに、比江島の1on1や3Pは「わかっていても止められない」ことが少なからずです。
 今季でも特に「10月14日金曜日、アウェーでの仙台戦」での「事実上のラストショット、比江島の左45度からの3P成功」は、「現役no.1の日本人スコアラーは比江島である」ことを改めて証明したスーパープレイでしたので。


 ただ、「スコットへのハイロープレイ」は、恐らく対策は可能でしょう。
 そして実際に、対策されている感がある(スコットの平均得点は「昨季15.9→今季12.7」へと減少してる)。それにスコットは本質的には「守備型&古典型のビッグマン」です、確かにスコットは「クーリー(琉球)と双璧といえる、支配的な古典型ビッグマンである」感じですが、本質的には「使われる型」なんですよね(ニック・ケイ[島根]、ファジーカス[川崎]、ユトフ[京都]等のように「自らクリエイトできる」タイプではない)。

 で、「スコットへのハイロープレイ」を封じれば(かつ「比江島の1on1のコースを極力ふさげれば」)、宇都宮の攻撃の威力は大きく落ちてしまう。
 これは特に「メインハンドラーの質への不安感」が問題の本質にあるのでは?と自分は考えています、はっきり述べれば「正PGの鵤の、攻撃面への不安感」がと。

 それに宇都宮は、昨季以降は「より攻撃的に」「よりアップテンポに」を取り組んできています。ですけど実は昨季もですが宇都宮は「ファストブレイクでの得点数は、意外と高くない」です(昨季のファストブレイクでの得点数「10.5得点」は「リーグ14位」、つまり平均値以下)。
 これも「宇都宮の攻撃面での怖さが、相手から見れば減退傾向にある」を加速させているように映ります。


 そう、宇都宮はいわば「何かをがらりと変えないと、取り返しがつかないことになりかねない」現況であるといえます。そう考えると、今オフの移籍市場で宇都宮は「的確かつ攻めの気持ちでの立ち回り」が確実に必要になってきます。
 ですけど、今オフに向けての宇都宮は、正直「難しい状況にある」中での立ち回りを求められると映ってます、それは特に下記に挙げる3つの要素からです。


 【今オフの移籍市場の宇都宮、立ち回りを難しくする「3つの要素」。】

 (1)「比江島との『長期大型契約』中に、もう一度優勝を叶えたい。」
 (契約年数は非公表だが、恐らく「2025年夏までの3年契約」と推定されている[つまり今オフで残り2年]。実際、比江島自身の言動からは、直接的ではないけど事実上は「生涯宇都宮で」が垣間見えるし、「宇都宮が第2の故郷に」なっていることが伺える、その意味では特にキャリア最悪のシーズンであった「2021年オフ」に移籍しないでよかったといえる。
 契約延長交渉を抱えた昨オフは本人は早々にNBA生観戦へと渡米するなど「お金じゃない」「契約内容を問わず残留の意向である」ことを明確に示していたとはいえ、球団の立場的には「比江島の現行契約の期間中にもう一度優勝を叶えたい」が正直な理想であると想像する。
 しかしこれを叶えるには「比江島、スコット以外に『得点源といえる新たなるオプション』の確保」がマストになる、つまり「『BIG3』を形成できる新戦力」の確保がマストを意味するし、これと並行して「年齢構成の高齢化の改善」が併せて求められるので、いわば「難しい連立方程式」を解くような感覚といえるだろう。)

 (2)「スコットが『近いうちの帰化希望』と考えられること。」
 (スコット自身は「将来的な帰化希望」という言葉を直接的に用いている訳ではないが、2021年夏を境に一気に日本語で話す機会を増やしており、「1年でも長く日本で、宇都宮でプレーしたい」とも述べている。そう考えると「将来的な帰化希望」とみなしてよい[「初来日から既に5年半経過」であるので、帰化はいつ実現しても不思議ではない]。
 とはいえ、もしも「スコットの来季中の帰化」と仮定の場合は、恐らく来季の選手編成は「スコットの帰化実現までは『帰化枠ゼロorヤン・ジェミン継続』」で、加えて「スコットが来季中に帰化実現と仮定」でも、それが「2月末までの帰化実現が叶うか」で大きく変化し得る[トレードデッドラインが3月中旬なので、スコットの帰化実現後の「第3外国人の追加補強」が実現できるかという意味で]。
 これに加えて、「ヤン・ジェミンをどう処遇するか」も難しい対応になる。もともと「スコットの帰化実現までのつなぎ」といわれており、2年契約での入団に驚きの声は少なくなかったが。)

 (3)「来オフならば『日本人枠の正PGの補強候補』が3人ほどいるが、今オフは現時点では『日本人枠の正PGの補強候補』自体がいない、しかし『今オフの正PGの補強は事実上マストである』こと。」
 (来オフだと「テーブス(滋賀)、久保田(京都)、佐々木(三遠)」の3人が移籍市場に出る可能性があるが[3人共に現行契約は来季までといわれてる]、今オフは「日本人枠の正PGの補強候補」自体がいない
 その上、来オフの正PGの補強候補3人は、現時点では「1人が河村の後継として横浜BCへ、あとの2人は現所属球団と契約延長」が恐らく最有力。それに正PGが要補強ターゲットであるのは他には秋田も該当する。そう考えると「来オフに正PGの補強自体に失敗する」リスクは正直少なからずある
 しかも特にテーブスは、昨オフに「チームスタイルに符合できていない、本人のためだと放出やむなし」と放出した経緯があるので、「復帰して欲しい」と頭を下げても実現できるかは楽観視できないこと。
 とはいえ、宇都宮がコンテンダーに再び返り咲くには「正PGの補強はマストである」感じであり、そうなると宇都宮の来オフの正PGの補強は「ある程度以上の若さがあり、アシスト力と守備力を併せ持つタイプ外国人PG」がマストと考えられる。)


 これに加えて、「新B1構想」の存在もあります。宇都宮の場合、昨年12月に発表の決算をも踏まえると、「集客能力、売上高の面では新B1参加に楽観できる」感じですし、リーグ運営側の立場としても「宇都宮は新B1に必要である」と想像です。実際、ほとんどのB1球団にとって宇都宮戦は「A東京戦、千葉J戦、川崎戦と共に『ドル箱カード』の位置付け」ですし、それは「ダイナミックプライシングでの価格設定」等で顕著に示されてます。

 ですけど、宇都宮が「新B1構想」に参加できそうかは現時点では怪しい感じです、理由はシンプルに「新アリーナ構想への目途が全く立っていないこと」です。
 そう考えると、「新B1構想への参加に弾みをつける」意味では、「来季1年は現有戦力のままで我慢します」は恐らく通らない。


 それに現有戦力での今季の結果は(あくまでもシーズンの半分経過時点でですが)「全体順位15位、チームEFF21位」です。つまり「現有戦力のままでは、来季は残留争いにまで落ちる計算」になります、それも「現役no.1の日本人スコアラーである比江島を擁している」のにです。

 確かに「現有戦力のままでいい」(=正PGは鵤のままでいい)も一つの方法であるとは思います。「スタメン5人組の連携自体は崩れてない」ですので。ですけど「比江島、スコットを擁していて『勝率5割を切っている、チームEFFは残留争いレベルにまで落ちている』」訳です。
 しかもこの状況に陥った一つには、比江島が負傷離脱していた6試合で「1勝5敗」であったことも理由の一つで、つまり「比江島がいないと、ただの超守備的チーム」との烙印とほぼ同義といえること。きつい表現でとても申し訳ないですけど、「現有戦力のままでいい」だと「ナチュラル再建チーム、でも再建する気がない、故にいわば『詰み』の状態」に陥ってる現実があります、しかも現行制度では「昇降格がある」訳で(自分はこの「昇降格制度」自体がバスケに馴染まないと強く考えていますが)、「再建します」はそれでとても勇気が要ることで、だからといって「現有戦力のままでいく」が今後どのような結果になりそうかは突き付けられてる感があること。


 その意味でも、「来季1年は現有戦力のままで我慢します」は通りません。それに「新B1構想」の障壁になっている「新アリーナ構想」への突破口を見出す意味でも、今オフの宇都宮の立ち回りは「コンテンダーに再び返り咲く意思表示」がマストになる、いわば今季の三遠や京都のような「再建1年目としての補強」を超えた補強戦略が求められます。


 【宇都宮、チーム成績の変遷。】
 (「2019-2020」~「今季(2022-2023)」の4年間で計算。)

 勝利数的な実際順位  (2位→1位→6位→15位)
 チームEFF      (4位→4位→5位→21位)
 平均得点数      (5位→10位→13位→24位)
 平均失点数      (2位→1位→1位→4位)
 FG試投数       (4位→2位→10位→16位)
 3P試投数       (6位→6位→17位→17位)
 FT試投数       (16位→6位→9位→20位)
 チームTS%      (6位→12位→11位→23位)
 平均アシスト数    (5位→11位→13位→20位)
 平均リバウンド数   (7位→3位→4位→13位)
 平均スティール数   (4位→4位→11位→23位)



 宇都宮の「チーム力のピーク」は、実は「2020-2021」であった(このときはRS全体1位であったが、CS決勝で千葉Jに1勝2敗で敗れて準優勝でした)、これはとても納得で、このシーズンは「ライアン・ロシターの在籍最終年」でした。で、昨季までが「安齋竜三HC時代」でした。

 今季、チームEFFが一気に落ちたのは、
 「『テーブス』『フィーラー』の主力2人を放出して、その代替補強はできなかったに等しいから。」
 これが理由としてよくいわれています、確かに「大きな理由の一つ」ですし、特に「フィーラーの穴は想像以上に大きかった」と感じます。

 それに、フィーラーの代替補強はマブンガでした。選手タイプが全く異なることもでしたし、京都・富山時代(特に「2018-2019」~「2020-2021」の3年間)のマブンガは「Bリーグを代表する外国人選手」でした(それこそ、いまのビュフォード[島根]、ニック・ケイ[島根]、ニュービル[大阪]のような存在感でしたから!)けど、昨季に膝を痛めて、そこからパフォーマンスレベルを落としていた感じがあったこと、それに京都・富山時代は「1stオプション」でしたけど、宇都宮では「ボール独占傾向からの改善」、というか「プレースタイルの変更をどれほど受け入れられるのか」といわれていました。
 で、結果は「9試合出場での早期退団」、というかマブンガ自身が
 「『10得点以上かつ10EFF以上』の試合がゼロ。『30分換算でのEFF』は『10.56』。」
 と、「ほぼノーインパクト」であった感じでしたけど、それ以上に

 「マブンガの入団は、その退団後をも含めて、結果論とはいえ、それまで培った『チームケミストリー』を一気に壊すことになってしまった。」

 これは正直否めません。ですので、「フィーラーの穴」以上に「マブンガ入団による、無意識的なハレーション」が想像以上に大きかったことが、宇都宮が「輝きを一気に失った」大きな理由の一つであることが伺えます。

 尤も「崩壊している」とまでは思いません、「チームとして戦う」という意識自体は全く失われてないことは試合を通して感じますので。ですが
 「『心掛け』は続けられているけど、『ほころび』は試合を重ねるたびに大きくなる一途である。」
 これが、自分が正直感じていることです。

 ちなみにマブンガは、宇都宮退団後、12月下旬に韓国KBLに移籍の噂が出ましたが、最終的には破談であったようで、現時点では「無所属」です。
 Bリーグの歴代外国人を振り返ると、マブンガは恐らく確実に挙がる名選手ですので、一バスケファンとしては「Bリーグでもう一花を咲かせた上で、完全燃焼して終えて欲しい。」と願いますが。
 (マブンガの「Bリーグでの通算トリプルダブル到達試合数」は「19試合」、これは恐らく「Bリーグ歴代1位」の大記録です[ちなみにビュフォードの「トリプルダブル到達試合数」は現時点で「9試合」です]、このすごさはこれからもずっと語り継がれて欲しいです。)


 で、「テーブス、フィーラーの穴」「マブンガの入団(及び退団)による無意識的なハレーション」が、宇都宮が今季に輝きを一気に失っている理由の大きな一つであると述べましたけど、自分は「それ以外の理由も少なからずある」と考えています。

 攻撃面でのスタッツがほぼすべて減少傾向にあることが一目瞭然ですけど、特に気に掛かるのが「アシスト数(昨季13位→今季20位)」です。
 宇都宮の場合、守備も攻撃も「組織的プレー」を持ち味としています(比江島を活かすための「1on1システム」もありますが)。そう考えると、アシスト数の減少は他球団に比して「攻撃面での質的な低下」を顕著に示してしまいます。


 それ以上に、自分がとても気に掛かっている指標があります。
 「スティール数(昨季11位→今季23位)」です。
 宇都宮といえば「組織的守備」です。失点数自体は「昨季1位→今季4位」と高いレベルを堅持しています。それに宇都宮の守備は「スタッツ面に現れにくい好守備」が少なからずあることも考慮の必要はあります。

 ですけど、たとえそれを考慮しても、スティール数の減少は「組織的守備を生命線とする宇都宮的には、最も困った傾向である」と映ります。
 スティールの成功により、「守→攻の素早い切り替え」、いわゆる「ポジティブトランジション」「ファストブレイク」「アーリーオフェンス」の成功可能性をより高められるのです

 もともと宇都宮は、ハーフコートオフェンス主体のバスケスタイルでした。ですけど昨季は「よりアップテンポな攻撃へ、より多くトランジションを創る」に取り組んで、それは「優勝」という最高の成果になりました。
 ですけど今季は、プレーテンポが「ロシター在籍時」時代のように遅くなっていると映っていた、それにボールムーブの場面も減っている感がと。
 それはシンプルに「組織的守備の強度が減退傾向にある」、これが特に大きな理由であるように映るのです。


 では、「組織的守備の強度の減退傾向」はなぜ起きているのか。
 その理由は「主に3つある」と考えてます。

 (1)「マブンガの入団(及び退団)による無意識的なハレーション」
 (2)「『年齢構成の高齢化』による『アジリティーの減退傾向』」
 (3)「鵤が『守備型の正PG』として『CSレベルでは限界感が』」

 この3つです。これについては後述で改めて言及させて頂きます。


 (←リンク添付の1つ目が「今季の宇都宮の選手それぞれのEFF」。
 リンク添付の2つ目が「昨季の宇都宮の選手それぞれのEFF」です。)


 【今季の宇都宮、各選手の出場時間及びEFF。】
 (2023年1月13日時点での集計です。☆は外国人枠、★はアジア枠。)
 ([]内は「30分換算でのEFF」。)
 (ヤン・ジェミンは昨季は信州、高島は昨季は大阪、笠井は昨季は群馬。)

 スコット☆   今季[32分02秒、20.89]、昨季[29分14秒、25.80]
 フォトゥ☆   今季[27分43秒、18.32]、昨季[25分01秒、21.01]
 比江島     今季[24分13秒、14.33]、昨季[22分01秒、18.03]
 遠藤      今季[25分19秒、8.83]、昨季[23分00秒、6.55]
 鵤       今季[25分48秒、7.98]、昨季[21分51秒、8.54]

 ジェレット☆  今季[19分58秒、12.70]、昨季[×]
 (竹内)公輔  今季[13分38秒、9.67]、昨季[14分43秒、12.04]
 ヤンジェミン★ 今季[11分24秒、6.52]、昨季[13分30秒、7.03]

 高島      今季[12分29秒、3.60]、昨季[19分21秒、6.80]
 荒谷      今季[12分39秒、3.46]、昨季[9分49秒、5.87]
 喜多川     今季[10分07秒、4.28]、昨季[11分22秒、7.48]
 渡邉      今季[9分05秒、4.68]、昨季[14分52秒、6.81]

 笠井      今季[11分54秒、×]、昨季[16分18秒、5.72]
 田臥      今季[4分06秒、×]、昨季[4分47秒、×]

 (参考)
 テーブス   (昨季:18分34秒、8.58)
 フィーラー  (昨季:20分41秒、16.64)
 マブンガ   (今季:13分11秒、10.56)



 こうして現有戦力のEFFをみますと、いくつかのことが見えてきます。

 【今季の宇都宮、「現有戦力のEFF」から見えてくること。】

 (1)スタメン組5人は昨季からずっと不動だが、
 「出場時間が『2分12秒~3分57秒』の増加」
 「EFFは遠藤を除く4人が減少で、5人のEFF合計値は『昨季79.93→今季70.35』と『9.58の減少』に」

 (2)ジェレットは「3.5番タイプ」であることや途中入団を考慮すれば「ぎりぎり期待値通り」(尤もCSレベルでだとやや不満だが)。
 (竹内)公輔は「良質な日本人ビッグマン」として健在。
 ヤン・ジェミンは「試合の印象ほどは悪くない」ことが伺えるが、ポジションバランスをも考慮すると「今季の戦力としては有用だが…」の感。

 (3)「控えの日本人のPG/SG/SFがほぼ総崩れ」、これではスタメン5人の出場時間の増加はやむなし。高島は「長い目で見よう」の感だが。
 ただ、第2PGは笠井ではなくて渡邉の方が「チェンジオブペース」の観点ではより望ましい感が。


 いえることは、「安齋HCは偉大であった」、安齋HCが「魔法をかけていた」は恐らくマジであったこと。そして「魔法が溶けることが近い」と漠然とだが感じていた安齋HCは「引き際をずっと考え続けていた」
 そして、魔法は「昨季のCSでの激闘(及び優勝)ですべて出し切ってしまい、そこで溶けた」。魔法が溶けた後で残ったのは「ただ単純に高齢化して、いまの選手編成のままではCSレベルで勝負できなくなった主力と、CSレベルには時期尚早感の若手と、戦術傾向の変化に対応しきれなくなって『難解さ&スローペースさ』だけが残ったチームシステム」であったということでは?と。


 確かに、今季の宇都宮は「いままで培ってきたチームケミストリーが、いくつもの要素が複雑に絡んだことで、一気に壊れてしまった」といえます。
 これに加えて、特に島根・広島・横浜BCの急激な成長で「そもそもが相対的にCS出場権獲得が厳しくなりつつあった、しかも東地区2位以内の確保が必要になり、つまり跳ね上がった要求ラインに対応するチーム体力がもうなくなっていた」ことも、考慮が必要でしょう。

 ですけど、「いくつかのエクスキューズもあった」ことも、踏まえる必要があると考えます。この「エクスキューズ」を挙げます。


 【今季の宇都宮を考えるにあたり、昨オフの宇都宮の移籍市場での立ち回りにおける「エクスキューズ」。】

 (1A)「『選手編成の高齢化』が2021年の年明けからずっと指摘され続けていたので、昨オフは『選手編成の高齢化にどう向き合うか』が本義的なテーマであったが、昨オフは最大の優先順位が『比江島との契約延長をまとめること』であったので(それ自体は早々に決着したが)、それにウェイトを置かざるを得なかった。」

 (1B)「加えて『選手編成の高齢化』に着手する場合、『生え抜きの遠藤、精神的支柱かつチェンジオブペース要員の渡邉のどちらか[あるいは両方]を放出あるいは役割減少を決断すること』を実質的に意味しており、この決断自体がとても難しい判断になること(『家庭的な雰囲気の球団』というチームカラーを考えるとなおさらでしょう)。
 さらに昨オフだと、例えば『若手・中堅のDF型』は要補強ターゲットであったが、松脇(三遠→琉球)は琉球行きになり(争奪戦で劣勢だったといわれてる)、阿部(島根)は結局残留を決断して、結局確保に失敗した。
 で、大阪が予約済みといわれていた高島を電撃的に入団に成功したことで[『高島の入団自体が特大の成果』といってよい、今季の大学4年生の『突出したトップ2の1人を確保』といえるので]、球団は『年齢構成の高齢化という課題自体は認識していた』といえること。」

 (2)「手持ちの若手だとテーブス、荒谷になるけど、テーブスは『宇都宮のバスケスタイルへの適応』にずっと苦しみ続けてる感で、昨季は中盤以降は『退団した方が本人のため』という雰囲気が高まってきていた、そう考えると放出は不可避であったし、それは今季の結果が示してる
 荒谷については、白鴎大学の出身で『準地元選手』といえること、それに守備力が魅力の選手なので『長い目で見よう』の位置付けであり、現に昨季終盤は成長の片鱗を示し始めていた。」

 (3)昨季の優勝、あるいは宇都宮の培ったバスケスタイルは、『鵤が正PGとして輝いた』ことが大きかった。実際、『守→攻の切り替えの先頭になる役割』は鵤の真骨頂であり、昨オフに正PGを変える選択肢は恐らくなかったといえること
 それに鵤の『プレーの質的レベル』『守備能力』『バスケIQ』自体は今季も健在であり、鵤の『今季の平均アシスト数は実はキャリアハイ』である(「3.9」は他球団のPGに比してだと物足らないが、バスケスタイルの相違にも考慮が必要)。
 今季の結果を考えると、鵤に正PGの役割を与えることへの変更はやむなしだが、『エースキラー』『2ndハンドラー』としてでならばむしろとても有用であるので(イメージ的には『ライト(京都)の役割に近い』)、鵤に新たなる役割を与えるのがベストの解決策であり、『今オフの鵤の放出は絶対にしてはいけないこと』といえる。」


 そう、恐らく宇都宮のフロント側の立場としては、
 「まさかこれほどにチーム力が壊れるとは、想像できなかった」
 が、恐らく正直な感じでしょう。ですけど、昨オフは
 「立ち回り自体がとても難しかった、ある程度の割り切りを持ちながら判断する以外にはなかった。」
 といえます。ただ、「痛恨の失敗」であったといえることもあって

 「フィーラーを放出したこと。RS終了の時点で決めていたといわれており、結果的に拙速であった感が。
 もし、フィーラーの放出自体がやむ無しでも、後継の補強は『3.5番タイプ』の継続が恐らくより望ましかった、例えば『オリバー(仙台→横浜BC)』のような選手タイプの。」


 これは正直否めません。ちなみにオリバーは「横浜BCの環境がとてもよかった」といえますので、そう考えると「フィーラーの放出の判断自体が拙速であった」感は正直あります。
 ちなみに「守備型の控えPGでの笠井の補強」は、「失敗であったのは、いわば結果論」です。ただ、「SGをも兼務できる守備型の控えPGを確保する」という観点を持てるとより望ましかった、とは感じますけど。
 とはいえそうなると、考え得る補強ターゲットは

 「中村(大阪→FE名古屋。最終的に地元球団へ)」
 「小林(名古屋D→仙台。比江島の高校・大学の1学年後輩)」

 この2人のどちらかでしたし、中村は地元球団が手を挙げていたことを考えると勝機は厳しい、そう考えると小林しか選択肢はなかったといえます。
 その小林も、「CSレベルの第2PG」かといえば、昨オフ時点では「NO」でした。そう考えると、笠井と結果的に大きな違いはなかったといえる(ただ、比江島がより気持ちよくプレーできる可能性はあったかもですが)。
 で、今季の小林は、仙台への移籍は「正解」でした。「ついに居場所をつかんだ」といえる躍動感が伝わりますから。


 それに、宇都宮の場合、

 「都市の規模がそもそも大きい訳ではない」
 「絶対的な親会社を持っていない」
 「故に『ミドルマーケットの球団』でい続けることがすごい」

 といえるのです。ですので「そもそも論」を述べれば、
 「昨季の『優勝』を叶えられた時点で『成功』といえる。」
 これを認識する必要があるといえます。本質的には「補強資金にある程度の限りがある球団である」といえますので。

 ですけど、「選手編成の高齢化」は、2021年の年明け以降、宇都宮が「いつかは向き合わなければいけないこと」であったことは明らかでした。
 とはいえ、「選手編成の高齢化」にメスを入れることは、
 「『生え抜きの遠藤』『精神的支柱の渡邉』のいずれか(あるいは両方)の放出、あるいは役割減少」
 これが必要だよねというコンセンサスとセットの感があった。しかし昨オフの時点では、この必要性を示せる積極的な根拠を見出せませんでした。故に、物理的に着手すること自体がほぼ無理であった。


 で、今季の宇都宮は、結果として「チームケミストリーがほぼ壊れた」ことで、むしろ「年齢構成の高齢化の改善」に着手する「理由付け」を得たともいえます

 遠藤(「6thマン」への転向。)[鵤を正SGに回す関係で。]
 渡邉(「若手の手本」が主たる役割に。)[「11人目の選手」を受け容れる。]

 個人的には、渡邉は「来季のあと1年は選手構想に入れる価値はまだ残っている。」と考えてます。いわゆる「ナベタイム」を発動させるエナジーはまだ失われていないと。
 ですけど、「CSレベルの球団」でのメインのローテーションに組み込む意味では、もう限界感は拭えない、ともいえます。実際に今季は「eFG%」を大きく落としていますので(昨季46.2%→今季37.8%)。
 で、渡邉は「球団の功労者」「名誉生え抜き」です。進退のボールは、本義としては渡邉に委ねて然るべきと考えます。
 そう、渡邉が「まだ燃え尽きていない」と考えるならば「11人目の選手」として来季も選手構想に組み込む、その一方で渡邉が「もうこれ以上は限界です」と判断するならば「引退試合・引退セレモニーの準備に着手する」、これがイメージになります(ただ渡邉は2017年オフに「一度引退をした上で後に復帰した」という経緯があるので、「限界ですとして引退の意向を示す」可能性は低くないとも正直考えてます)。


 そう、イメージとしては、これは「自分がGMならば」ですけど、「今オフ及び来季の宇都宮のより望ましい選手編成のアウトライン」は下記の感じになります。


 【今季の宇都宮の、現時点での選手編成。】
 (〈〉の選手は「今季限りで放出」のイメージ。「ヤン・ジェミン」「荒谷」は「B2球団へのレンタル放出」を想定です。)

 スタメン(鵤[7.98]-遠藤[8.83]-比江島[14.33]-フォトゥ[18.32]-スコット[20.89])
 主な控え(高島[3.60]、〈ヤン・ジェミン〉[6.52]、〈ジェレット〉[12.70]、竹内公輔[9.67])
 他の控え(〈田臥〉[×]、〈笠井〉[×]、渡邉[4.68]、〈喜多川〉[4.28]、〈荒谷〉[3.46])


 【今オフ・来季の宇都宮の、現時点での理想布陣。】
 (〈〉の選手は「今オフの補強ターゲットの選手」です。)

 スタメン(〈新外国人〉[×]-鵤[7.98]-比江島[14.33]-〈シェーファー〉[7.87]-スコット[20.89])
 主な控え(〈青木〉[2.98]、遠藤[8.83]、高島[3.60]、竹内公輔[9.67]、フォトゥ[18.32])
 他の控え(渡邉[4.68])


 いま、「今オフの移籍市場での立ち回りを踏まえての、来季の宇都宮のより望ましい理想布陣」を示させて頂きましたが、「全11人」「補強候補は3人」であることに気付くかなです。勿論これにも意図があります。
 そういったことをも含めて、(その2)で、「今オフ、宇都宮はどの選手タイプが要補強ターゲットであるのか」を、綴らせて頂きます。


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